かねがね脱水がうまくいかず、気になっていた
洗濯機をようやく替えた。
前のは全面がひらくドラム式だったのだが、
旧来のタテ型がいいと云い張った。
ほぼ毎日洗濯するのは私なのだから。
だいたい我が家の若者はハイテクが好き。
冷蔵庫をはじめ炊飯器等々、最新式の家電にこだ
わって、そのため都心の大型ショップに出かける
ことも。
一方の私は旧式のシンプル派である。
最新式の家電は繊細すぎて、操作が面倒だったり、
ちょっとしたことで稼働しなくなる……
というのが私の経験からくる持論だ。
ところが配送してきたおじさんによると、
タテ型の洗濯機ながら、これも最新式だという。
まったくもう……と思ったが、
買ってしまったものは仕様がない。
なんせ新品だからいまのところ
(使いはじめて5日目)
は快調だが、これだっていつどう変貌するか
分からない。
毎朝、ちょっと緊張して洗濯機を回している。
そういえば昔、「日曜はだめよ」というギリシャ
の白黒映画があった。
たしか日本語版では
♪ 日曜はいやよ
(ネヴァー・オン・サンデー)
という題で西田佐知子が歌っていたのではないか。
映画は娼婦イリアと、ギリシャ研究家のアメリカ人
旅行者ホーマーとの恋物語である。
イリアはあばずれだが、美しい心の持ち主。
ホーマーは彼女の生き様に古代ギリシャの退廃的な
ものを感じとり、道徳的な方向に向かうよう腐心
する。
理想主義者のホーマーはことあるごとに現実的な
イリアと衝突し、
やがて、彼の求める結果が得られないと知るや、
自ら伝えようとした道徳や規範を破ってしまう。
そんなストーリーだったような気がする。
映画も最新のはよく分からないのだが、
旧いのはよく覚えている。