一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

彼岸花

2018-09-30 08:18:49 | 雑記


       彼岸花を見ると
       新見南吉の童話「ごんぎつね」を思い出す。

       いたづらでウナギを盗んだ子ギツネごんが
       村の葬式に行き会う場面だ。

       墓地に火炎に似た花が
       「赤い布のように咲き続」き、
       葬列が去った後、
       踏み折られている。

       ごんは後悔する。
       ウナギなんか盗むんじゃなかった。
     
       だが、ごんはその後もいたずらを続け、
       撃たれてしまう。

       倒れた彼岸花は、
       哀れな最後の予兆でもあったのだ。


       私の子どもの頃も、
       彼岸花は墓地に多く咲いていて、
       不吉なものとされ、
       ヘビ花とも呼ばれていた。

       それがどうだろう。

       昨今では
       朱色だけでなく、白、黄色、ピンクと園芸種が
       増え、みんなに愛されている。

       よく見ると、繊細でとても美しい。
       自然というものは、
       どうしてこんなに芸術的な花をつくり給うことか、
       とため息が出るほどである。

       聞くところによると、
       花屋さんには球根も売っているそうだから、
       庭に植える人もいるのだろう。

       歌だけでなく、
       言葉も、
       花の見方も、
       世の移り変わりとともに
       変わるのである。

   
       ※ 通りかかったお寺の空地で見た彼岸花
       

歌は世につれ、言葉も……

2018-09-29 07:29:08 | 雑記


       いやあ、驚いたというか、
       恐れ入れました。

       今回(2017年度)の「国語に関する世論調査」
       によると、ずいぶんと本来の意味と異なった
       言葉の使いかたをしていることに気づかされた。

       例えば、
 
       ①「なし崩し」は
        「無かったことにする」という意味で使っていたが、
       本来は
       「少しずつ返していくこと」

       ②「やおら」は
        「急に」とか「いきなり」という意味で使っていたが、
       本来は
       「ゆっくりと」

       ③「檄(げき)を飛ばす」は
        「元気のない人に刺激を与えて活気づける」と思って
        いたが、本来は
        「自分の主張や考えを広く知らせて同意を求める」
        という意味なんだって。

       他にも、
       自分はあまり使わないが、
       「タメぐち」(相手と対等)とか
       「ガチ」(真剣勝負)
       など、たくさんある。

       もっとも文化省は、
       「本来の意味から派生した使われかたも決して
        間違いではない」
       としているが。

       それにしても、
       歌はよにつれ、というが、
       言葉も世の中の変化に応じて変わる、
       ということだろうか。

       いずれにしても、うかうかしていると
       世の中に遅れをとることを思い知らされた。

       ことに高齢者は、
       あらゆることにアンテナを張っていかなくちゃ、と。


       ※あぜ道で見つけた彼岸花
       

色づく秋

2018-09-24 17:05:48 | 雑記


       カマクラにも田んぼがある。

       四季折々の木々の変化も見逃せないが、
       田んぼは人間がかかわっているだけ
       重みがちがって、
       見る側の思いを深くする。

       2月頃の田起こし。
       (今は機械でやるが、以前はおじいさんが
        一人で鍬で土を起こしていた)

       田んぼに水を張って田植えの準備。
       (夜になると水田に月が映る)

       田植えは機械でやるので、あっという間に終わる。

       青々とした田んぼには、うるさいほどの蛙の合唱。

       やがて青田は花を咲かせ(稲の花)、
       実をつけはじめる。

       蝉が鳴く頃、
       盛夏の田んぼは勢いづいて、たくましささえ感じる。
       

       そして現在、
       ここカマクラは北関東より田植えが遅かった(6月)
       だけ、まだ茎は青いが、
       実がしっかりついて
       稲穂は日に日に色づいている。

       スズメよけに
       網も張られた。

       間もなく一面、黄色い絨毯のようになり、
       稲刈り、稲架(はさ)掛けの光景も見られるだろう。

       
       毎年くりかえされる農家の仕事。
       

       現実には、
       お米は買ったほうが安価かもしれないが、
       営々とした営みに頭が下がる。


       

       
       

金木犀

2018-09-23 09:18:44 | 自然

       秋の長雨も
       昨日今日は一休み。

       昨日(22日)、路地を歩いていたら
       匂ってきた金木犀。

       今季、はじめて匂った金木犀。

       この匂いをかぐと、
       なぜか、いつもハッとする。
 
       なぜなのだろう。

       子どもの頃を思い出すのか。
       (生家には金木犀の大木があった)

       はたまた、
       大人になって、いくつかの秘密とともに
       秘めたものとして思い出されるのか。
    
       そこで一句と云いたいところだが、
       私はつくれないので名句をお借りする。


       「あるときは木犀の香をいとひけり」
                    日野草城

       「そこはかとなく木犀の香を人歩き」
                    山口青邨

       「なほ匂ひ立つ木犀の雨の花」
       「客送る木犀木々をかをり出で」
       「木犀の匂ふ闇過ぎ闇つゞく」
                    山口誓子

       「ほつほつと木犀の香に降って来し」
                    中村汀女

       「木犀の香に近づいてゆく順路」
                    稲畑汀子
       

       

ヘリコプター出動

2018-09-22 07:22:55 | 雑記



       いわゆるオレオレ詐欺が後を絶たないらしい。

       チラシ、回覧板、郵便物などで
       ひっきりなしに警告しているのに、である。

       家の近所でも、ポリスカーなどで
       「オレオレ詐欺が多発しています。
        キャッシュカードを預かりますというのは
        詐欺です。
        絶対に渡さないでください」
       と何度も警告して回っている。

       私も新聞の織り込みに入っていたチラシを
       電話機の横の壁に貼っている。
       それには「だまし取りの手口」として
       以下の注意書きがある。

       「あなたのカードが偽造されている!」
       「新しいキャッシュカードに変更してください!」
       「古いカードを預かりに伺います!」
       「手続きに必要なので暗証番号を教えて!」
       
       「これは全部、詐欺です」と大文字で書かれ、
       鎌倉警察署の電話番号が記されている。

       電話の相手は、
       「電話番号を変えた」
       「会社の電話を使っている」
       「風邪気味でのどの調子が悪い」
       などといって、息子や孫をよそおうらしい。

       あれもこれも、
       とっくに聞いていて承知しているのに
       なぜ高齢者は騙されるのか?!

       先日は、
       上空がブ~ンとうるさいので見上げたら、
       ヘリコプターで詐欺防止を訴えていた。

       そこまでやるか!
       と私はあきれて上空を見上げたが、
       あれは鎌倉警察署ではなく
       神奈川県警だったかもしれない。

       ともあれ、
       私は絶対大丈夫!
       なんて思っている高齢者が
       いちばん危ないというから
       気をつけなくちゃ。
       

名女優逝く

2018-09-17 13:49:16 | 雑記


        昨夕は外出していてニュースを見なかった
        ため、
        樹木希林さんの訃報は今朝(17日)
        ネットニュースで知った。

        網膜剥離や乳がんなど、
        大病を何回もして、
        昨今では全身ガンなどとといいながら、
        TVではお元気な姿を何回か拝見して
        いた。

        淡々と聡明にかたる、そのお姿の、
        どこにガンがひそんでいるのだろうと、
        思わせるほどだった。

        いろいろなニュースを見ると、
        「老いも病も受け入れ」
        とある。

        自然体で生きられたということであろうか。

        その生き方に少しでも近づきたいと思わせる
        謙虚さ。

        出演する映画はどれもヒットし、
        TVでは一市井人として普通の女性、
        とても好感のもてる名女優さんだった。

        
        心よりご冥福をお祈りいたします。

        合掌。

        ※ 写真はTVから       

酷暑バテ、残暑バテの回復

2018-09-16 07:39:45 | 雑記


        今年の夏はひどかった!
        こんな暑い夏ははじめて!

        いま会う人は口々にそういう。

        そして、ようやく涼しくなった今、
        体調を崩している人も少なくない。

        昨日会った知人(60代)も、
        具合が悪くなって2週間ほど臥せっていたという。
        夏風邪なのか、咳もしていた。

        聞くと、
        あの暑さのなか、全く食べられなくなり、
        そうめんとスイカが主食だったと笑っていた。

        かく云う私も、
        何となく力が湧かない、
        食欲がない、
        集中力がない、
        といった日々が続いている。

        夏の疲れによる体調不良はどうやら、
        ① 外の暑さと冷房のきいた室内の温度差
        ② 夜の暑さで睡眠不足
        ③ 冷たい飲み物で消化器系の機能低下

        といった要因によるものらしい。

        そのため、
        激しい活動のときに働く交感神経と
        休息と安静をつかさどる副交感神経の
        切り替えがうまくいかない。

        つまり、
        自律神経のバランスが崩れてしまった結果らしい
        のだ。

        ならば、
        低下した体力を回復するにはどうすればいいのか。

        結局、
        規則正しい睡眠と食生活、
        軽い運動などで、
        ふだんの生活習慣にもどすことが大切だという。

        これを聞いて、
        な~んだと思う。

        特別なことなんて何ひとつない。
        いつもの通りにやっていればいいのだ。

        しかし、
        それにも時間がかかる。

        ともあれ、
        早くやる気を起こさせて、
        いちばん好きな秋を満喫したい。

        ※ スーパーには秋の味覚満載
  
        

        
        
        
        
        

時計が止まった

2018-09-15 07:57:20 | 雑記


        私が使用しているのは
        掛け時計と置時計、それに目覚まし時計の三つ。

        仕事部屋に置いてあるのはムーミンの掛け時計。
        それが突然止まった。

        突然というのは、
        私がそう感じただけで、
        電池がなくなったので止まっただけなのだが。

        思い出してみれば
        前の電池を替えてから約4年。

        それに気づくまでしばらくかかった。
        
        時計は動いて当然。
        忘れっぽい私は、
        電池式であることに気づくまで時間がかかった
        のだ。

        ああ、そうだったと思い出して
        やおら買い置きの電池を出してきて
        交換したはいいが、
        時間を合わせることができない。

        時計の裏面のどこを探しても
        長針、短針を動かすツマミがないのだ。

        はて、さて、どうしたものか。

        あっちこっち押したり、引いたりしてもダメ。

        あきらめて(内心、腹を立てて)
        放置。

        2時間ほどして見たら、
        ちゃんと時間が合っているではないか。

        この種の時計は、
        自動的に時間を合わせることになっていること
        も忘れていた。

        たとえ、地震で一時、時計が止まっても
        ちゃんと時間を取り戻す。

        それを、私はすっかり忘れてしまっていたのだ。

        愚かなのは私のアタマ。
        
        それにしても、
        時間が分からないということは、
        なんと情緒が不安定になるか、ということを
        思い知った。

        隣の(といっても私のだが)
        ベッドの部屋には置時計があるし、
        娘たちのリビングにも掛け時計が二つあるにしても、
        だ。

        時計は忘れた頃に止まる!

        また4年後、ムーミンの掛け時計が止まって
        あわてるに相違ない。

        愚かなわたしのアタマ。        
        

職人さん

2018-09-09 09:55:41 | 雑記


         サンデッキとベランダのペンキ塗りのために
         昨日(9日)から職人さんが入っている。

         いつも家のメンテナンスはハウスメーカーに
         依頼していたのだが、
         今回は紹介してくれるところがあって、
         地元(といってもすぐ近くではない)のペンキ屋
         さんに来てもらうことにした。

         ペンキ屋のご主人(50代)と
         中年男性(40代)と
         若い青年(20代前後)の3人。

         みなペンキだらけの作業服に身をつつみ、
         慣れているのか、てきぱきと足場を組み、
         分担して作業をはじめた。

         おかしいのは
         3人とも揃いも揃って寡黙なこと。

         何か聞けば受け答えはするが、
         お互い無駄口はいっさいきかない。

         私も用事があるので、
         (家を出たり入ったり)見るともなく見ていると
         黙々と手を動かしている。

         しかし、このきつい残暑、
         昨日は戸外では35度くらいあったのではないか。

         おもわず、一番若い子(まだ顔は少年っぽい)に
         「暑いのによく頑張るね」
         「えらいね」
         となんども声を掛けてしまった。

         これって、老人たる証拠!
         でしょうね。


         職人さんって、おおむね働き者だ。
         朝早く、職業がらその日の照り降りに影響される
         から、お天気のいい日は目いっぱい仕事する。

         それに引き替え、
         私は、というと、
         クーラーをがんがん点け、
         惰眠をむさぼり、
         それなりに活字は追えども、
         生産性のない日々。

         だから、
         職人さんが入っている間は、
         自分の怠惰な生活を思って
         落ち着かないのである。


         ※ 一人は脚立をつかって足場をつくり、
           もう一人(若手)は
           2階のベランダと玄関のひさしの間、
           幅30㎝くらいの隙間に身を入れ、
           ベランダの下側(裏)を塗っている。
           (撮りかたがヘタで分からないが、
            真っ暗なところに黄色いTシャツの子が
            身を横たえてペンキを塗っているのである)
         
         

夏草茂る

2018-09-08 07:49:12 | 雑記
      



        今朝(9日)の新聞では
        震度7の北海道地震で
        停電は今日ほぼ復旧の見通しとあるが、
        死者17人で
        いまだ安否不明者が21人にものぼるという。

        神も仏もないこの仕打ちに
        呆然としている。

        避難している方々もどんなにか心細い
        思いをしておられるだろうと思うと、
        こちらも暑い暑いとぼやいているだけの軟弱
        さにカツを入れねば、と猛省。

        自然の脅威といったらそれまでだが、
        我々は日頃、つつましさを忘れ、
        電気やガスも使い放題、
        資源の疲弊を忘れてしまっていたのかもしれない。


        そんなことを思い、山路を歩いていたら、
        朝晩のいくらか秋めいた風に、
        ミンミンゼミの声は聞こえず、
        今朝はツクツクボウシが一匹だけ鳴いていた。

        昼間はまだまだ暑いけど、
        自然は確実にうつろいでいる。

        一方で、
        路をおおうほどに茂った夏草に
        感じる生命力。

        被災地の方々も
        少しずつ少しずつ、
        立ち直れることを願うのみ。