私はまだ見たことはないのだが、
最近、一般図書館でも書籍消毒機なるものを設置する
ところが増えているそうだ。
書籍消毒機、
つまり、電子レンジのような扉を開け、機械の庫内に
本を広げ、立てておく。扉を閉めてボタンを押すと
庫内が青く光り、本のページが揺れて消毒される仕組み。
30秒ほどで作業完了するのだとか。
たしかに、
公共の物はどんな人が手にしたか分からないし、
もし行きつけの図書館に備えてあったら、私も使って
しまうかもしれないのだが……。
あるアンケート調査によると、
本の除菌に対して、
「なるべくいない方がいい」57%
「必ずしも有害とは限らない」52%
「気にしても仕方がない」30%
「衛生上、よくない。除菌したい」10%
では、本でなくてお金ならどうか。
お金こそ、世間万人の手を経過したものではないか。
そうなると、ものぐさの私は
「気にしても仕方がない」
になるかなあ。
肌着やまな板、便器、エレベーターのボタン、電車の
つり革等々、昨今の抗菌ブームは96年の病原性大腸菌
「O157」集団感染を契機に高まったらしいが、
全般に生活が豊かになったせいでもあろう。
しかし、
この過剰な清潔志向にも問題がある。
体を守る有益な常在菌をも排除してしまうからだ。
そもそも赤ちゃんは無菌状態で生まれ、ものを舐める
ことで腸内に周囲の細菌を取り込んでいくらしい。
「身の周りの菌=ばい菌=汚い」
と恐れ、無菌状態にすればするほど腸内細菌を育む
機会もなくなるのだという。
そして決定打は、
「清潔すぎる生活環境が、先進国の子どもに多く
見られるアレルギー疾患につながる」
ということ!!
どうやら菌との適度な共存が重要らしい。
ちまたに出回っている抗菌加工製品も重篤な病気で
免疫力が弱まっている場合に使うのが的確で、
やたら使用するのは逆効果ということらしい。
※ いつも行っている最寄りの図書館