一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

シュメル神話

2008-12-21 15:01:45 | 読書


      今年は千年前の平安ロマンに酔いしれた1年だ
      ったが、こちらは5千年前の神話の世界。
      友人(共著)が「シュメル神話の世界」という本
      を上梓した。

      解説によると、今から5千年前にティグリス、
      ユーフラテス河畔に栄えた人類最古の都市文明が
      シュメル。
      粘土板にはたくさんの神話が残されているのだという。
      酔っぱらう大神や、死後の国をのぞこうとする女神、
      怪獣など、さまざまなキャラクターがいきいきと
      活躍しているらしい。

      ティグリス、ユーフラティスというと受験期を
      思い出して頭が痛くなる(とうの昔なのに!)が、
      そんなことから解放された今、人類のルーツを探る
      ロマンに触れてみるのも一興かもしれない。

      「シュメル神話の世界」
          岡田 明子
          小林 登志子 著  中公新書 900円+税
           
     
      

      

年の瀬

2008-12-15 08:35:47 | 

     年をとると、なぜかくも時間の経過が早いのだろうか。
     年に何回もためいきをつき、ことに年の瀬はその思いを
     つよくする。
     子供の頃は楽しみで仕方のなかった年末の行事やお正月
     がいまや……。
     
     この大人と子供の時間にたいする感覚のちがい。
     一体、人間の内に絶対的な時間をはかる器官みたいな
     ものはあるのだろうか。
     時間の経過というのはその時の心理状態も大きく影響し
     ているような気もするし。
     大人でも、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうのに、          
     イヤな仕事や会議は退屈で仕方がないものねえ。

     一方で、同じ1年でも子供には長く、大人には超特急
     ですぎてゆく現実。
     どうやらこれは、経験による時間のズレというものだ
     そうです。
     こどもにとってはすべてが未知で、右をみ、左をみて、
     目的地に着くのがすごく長い。
     大人にとってはすでに経験したこと、いつもの道なので
     あっという間に過ぎる。

     そういえば、知らない所にはじめてゆく時は長く感じ
     られるが、たしかに帰り道はほっとして早い。2度目
     3度目になるともっと早い。
     そんな感覚が体内時計を左右しているらしいのですが。
     
     でも、それが分かっても、誰も時間の経過は止められ
     ない。
     (写真はある人が送ってくれた小学生の作品展から。
      小学1年生のもの)     

     
     
     

  

師走

2008-12-06 16:20:58 | 季節


    昨日の天候の大荒れ、「師走の風雲」に驚いている
    うちに1週が終わってしまった。
    この時期になると年々増えるのが喪中のご挨拶、
    今年もすでに十通以上にもなる。

    「放浪記」(林芙美子)の人口に膾炙された「花の命
    は……」ではないけれど、「人の命も短くて……」と
    つぶやきたくなる。
    喪中ハガキのなかには、10月末に電話で話した人の
    ご家族からのもあって、なんでもその2~3日後に
    吐血して手術したものの、麻酔からさめないうちに
    亡くなったのだという。

    誰の死にもドラマがある、なんてノウテンキなことは
    いっていられない。
    動物や草花は自然に生きて、黙って朽ちてゆく。
    (最近はそうでもないらしいが)
    そうありたいと思いながら、生き方死に方をめぐって
    ガタガタするのが人間というものだ。

    結論が出ないまま(そうそう結論が出るはずがない)、
    飛び出せば目の前に富士山。
    この季節になると山の稜線がくっきりとして、つい目を
    奪われる。
    そして、ナンダカンダいっても生きるところまで生き
    なければならないのが人間なのだ、という考えに
    落ち着く。