迷走台風(10号)のせいか、いきなり涼しく
なって、今朝は蝉の声がジッとも聞こえない。
その替わりに草むらではリ、リ、リ…と虫に
音。
昨夜などは雨のなか、草むらにすだく虫の音
がすごかった。
<秋来ぬと目にはさやかに見えねども
風の音にぞおどろかれぬる>
今頃の季節にふっと口について出る、
ご存知、古今和歌集の歌である。
このまま秋になってしまうとは思えず、
天気予報によれば水曜日くらいから再び
32度超えの夏日になるという。
この雨でいったんは静まりかえっている蝉
も、また賑やかに鳴くことだろう。
一般に蝉は地中に7年いて成虫になって地上
に出てから一週間の命、といわれている。
ところが最近の説によると、
蝉の幼虫期間は5~6年で、成虫の寿命は
たいてい一ヶ月らしい。
いちど定着した伝説をくつがえすのは難しい。
それは童話や寓話(ぐうわ)でも同じ、
イソップ物語の「アリとキリギリス」の原点
は「アリとセミ」だったというから驚いた。
ギリシャから蝉のいない北ヨーロッパに流布
する間に、セミがバッタに替わり、日本では
それがさらにキリギリスになった、
というのだ。
所変われば虫の名も替わる。
けさ、雨のあいまを縫って庭の草むしりを
した。
夏中放っておいたので、芝生に負けじと生える
雑草には手こずった。
みるみるはびこってしまう雑草が気になって
仕方がなかったのだが、
あまりの暑さに見て見ぬふりをしていたのだ。
見た目は可憐な雑草?なのに、なかなかしぶとい。
抜こうとしても抜けないので、植木ばさみで
ばっさり切ってやった。
……ということは根っこは残っているわけで、
またやってくる残暑で、雑草魂も再びぶり返す
ことだろう。
ああ、負けそう。
腰も痛い。
※ 草むらに咲く月見草