一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

秋来ぬと目にはさやかに

2016-08-28 09:35:36 | 自然



      迷走台風(10号)のせいか、いきなり涼しく
      なって、今朝は蝉の声がジッとも聞こえない。
      その替わりに草むらではリ、リ、リ…と虫に
      音。
      昨夜などは雨のなか、草むらにすだく虫の音
      がすごかった。

      <秋来ぬと目にはさやかに見えねども
             風の音にぞおどろかれぬる>

      今頃の季節にふっと口について出る、
      ご存知、古今和歌集の歌である。
 
      このまま秋になってしまうとは思えず、
      天気予報によれば水曜日くらいから再び
      32度超えの夏日になるという。
    
      この雨でいったんは静まりかえっている蝉
      も、また賑やかに鳴くことだろう。

      一般に蝉は地中に7年いて成虫になって地上
      に出てから一週間の命、といわれている。
      ところが最近の説によると、
      蝉の幼虫期間は5~6年で、成虫の寿命は
      たいてい一ヶ月らしい。

      いちど定着した伝説をくつがえすのは難しい。

      それは童話や寓話(ぐうわ)でも同じ、
      イソップ物語の「アリとキリギリス」の原点
      は「アリとセミ」だったというから驚いた。

      ギリシャから蝉のいない北ヨーロッパに流布
      する間に、セミがバッタに替わり、日本では
      それがさらにキリギリスになった、
      というのだ。

      所変われば虫の名も替わる。

       
      けさ、雨のあいまを縫って庭の草むしりを
      した。
      夏中放っておいたので、芝生に負けじと生える
      雑草には手こずった。
      みるみるはびこってしまう雑草が気になって
      仕方がなかったのだが、
      あまりの暑さに見て見ぬふりをしていたのだ。
      
      見た目は可憐な雑草?なのに、なかなかしぶとい。
      抜こうとしても抜けないので、植木ばさみで
      ばっさり切ってやった。
      ……ということは根っこは残っているわけで、
      またやってくる残暑で、雑草魂も再びぶり返す
      ことだろう。

      ああ、負けそう。
      腰も痛い。


      ※ 草むらに咲く月見草

      

      


      
      
      
      

ツクツクボウシ

2016-08-27 08:42:59 | 自然



     昨日洗濯物を干していたら庭木にとまっている 
     ツクツクボウシを発見した。
     羽化したばかりなのか、じーっとして飛びたと
     うともしない。
     いそぎスマホを持ってきて写真を撮った。

     ヒグラシにはじまりアブラゼミ、ミンミンゼミ、
     ……ツクツクボウシが鳴きはじめると、
     夏も終わり。
     
     まだまだアブラゼミとミンミンゼミの隆盛は
     おとろえないが、
     ”オーシーツクツク”の鳴き声に毎年、
     ほっとすると同時に寂しさも。
     この猛暑もあと少し! という気持ちと
     もう夏休みも終わるのか、という寂寥感と。
     
     子どもの頃は蝉取りは遊びのひとつであったが、
     ヒグラシとツクツクボウシは当時も貴種であった。

     体が小さいのと、羽根が透きとおっていて
     見つけにくいのと、木のてっぺんの方で鳴く
     ので、なかなか捕まえることはできないのだ。
     
     一度だけ、子どもの背丈くらいのところに
     ツクツクボウシが鳴いていて、そーっと
     近づいていって、手のひらで捕まえたこと
     がある。
     
     あの時の高揚感をいまでもはっきり覚えて
     いるのだから、よほど嬉しかったのだろう。
     もちろん携帯もi Pad も無い時代である。

     話は変わるが、
     筝曲家の宮城道雄(みやぎみちお)は庭先
     で鳴く小鳥の声を見分けたという。
     目の見える家人には分からないこの秘密を
     「春の訪れ」という曲にした。

     「自然の音はどれもこれも音楽でないもの
      はない」
     とは彼の名言である。
     (「新編・春の海」)

     アブラゼミとミンミンゼミの焼けつくよう
     鳴き声に喧騒感と暑苦しさしか覚えない
     私ーー
     すぐれた芸術家と凡人の相違!

     洗濯物を干し終わって見たら、
     ツクツクボウシはすでに飛びたっていた。
     
     

     
    
     
     

五輪の花

2016-08-21 07:34:00 | スポーツ



       今日は別の話題にしようと思ったが、
       新聞の見出しにつられて再び女子レスリングを。

       「泣くな吉田 五輪の花だ」

       掲載の写真とともに、太文字の大きなこの見出し
       を見たとき、こちらも涙した。
       何回見ても涙が出てくる。

       今回の五輪でも準決勝まで、むしろ吉田の調子
       はいいように見えた。

       決勝相手は米国のマルーリス、24歳。
       「打倒・吉田」を掲げて長年、研究し続けてきた。
       
       第2ピリオドで吉田は逆転された。
       「こんな大舞台で負けたのは初めてなので悔しい」
       と声を詰まらせた。

       
       2002年の世界女子選手権から五輪も含めた世界
       大会で重ねてきた連覇が16で途絶えた。
       01年から個人戦の連勝も206でストップした。

       勝ち続けることは難しい。
       いちばん悔しい思いをしているのは吉田自身で
       あろう。
       
       だが、どんな形でもこの悔しさが今後のプラス
       になるに相違ない。
       これまで実績を積み上げてきた過程そのものが
       金メダルに相当するのだから。

       昨日のインタビューで、ご本人は
       「今の気持ちではまだレスリングをやる勇気は
       ない。4年後(東京五輪)は無理かな」
       と語ったという。

       ともあれ、胸を張って帰国してほしい。       



       
    

       

女子レスリングにかける涙

2016-08-20 07:42:22 | スポーツ



      日本勢の女子レスリングの活躍がめざましい。
      まず伊調馨58㌔級は未到の五輪4連覇である。

      つづく登坂絵莉 48㌔級 金メダル
      土性沙羅 69㌔級 金メダル

      翌日には 川井梨紗 63㌔級も金メダルを
      獲得した。

      伊調の4連覇もそうだが、登坂、土性の試合も
      最後のさいごになっての大逆転である。
      
      ご本人たちもいうように、最後まであきらめ
      なかったことが勝利につながったのだろう。
      
      おめでとう!
      心からその栄冠をたたえたい。

      そして吉田沙保里の健闘ーー
      最後まで攻めきれず、4連覇を逃した。

      試合終了後、しばらく立てず涙にくれた。
      「霊長類最強の悔し涙」というべきか、
      表彰台でも涙が止まらなかった。
   
      TVを観ているこちらも思わず涙した。

      直後のインタビューでは、
      「取り返しのつかないことになってしまって
       申し訳ない」
      「応援してくれるみなさんの期待に応えられ
       なくてごめんなさい」
      と、涙を拭きながらいった。

      そんなことない、そんなことない、よくやった。
      TVのニュースを観るたびに、こちらも涙する。

      いつかはこの日が来る、と思いながら、
      まだ信じられない。
      今朝の新聞には、
      「吉田沙保里は金以上の銀メダル」
      とあった。

      一時代を築き、後進の若手育てたのだ。
      これ以上の業績があるであろうか。

      これからどうするか。
      彼女の去就に注目が集まる。
            

18歳少女の希望

2016-08-14 09:02:05 | 雑記



       今朝の新聞によると、
       日本柔道が復活した。
      
       男子柔道が史上はじめて全階級で金メダルを
       逃した2012年ロンドン五輪から4年、
       今回は全階級でメダルを獲得した。
    
       4年の間には女子柔道の暴力問題もあった。
       素人目にも日本の柔道はもうお終いかなと
       思わせるほどのダメージで、落胆していた。

       その女子もメダル数を2個増やし、
       男女ともの復活である。

       メダルの数ではないが、こういう復活は
       全国民に勇気と感動を与える。

       すべては初心にもどって、新監督の下で
       切磋琢磨したことにあるだろう。
       ほんとうにそのたゆまぬ努力と、あきらめ
       ない忍耐力に、心から拍手を送りたい。

       初心といえば、新聞の片隅にあった
       こんなエピソードをつけ加えておこう。

       今回初めて結成した難民五輪選手団に
       選ばれたシリア出身のユニラ・マルディ二
       選手。18歳。
    
       彼女が選手団10人の先陣をきって競泳女子
       100㍍バタフライに出場した。
       予選では1分9秒で同組トップだったものの、
       全体では45人中41位。
       準決勝出場は逃した。

       多くの報道陣に囲まれた彼女は、
       「ずっと五輪で泳ぎたかった。すべてが
        素晴らしかった」
       と笑みを見せ、
       「有名なスイマーに出会えるだけでうれしい
        のに、一緒にレースできるなんて大満足」
       と声を弾ませた。

       内戦のシリアから海を泳いで脱出し、ドイツ
       で難民として受け入れられた。
       2020年東京五輪出場を目指しているといい、
       「昨年から水泳を再開できたので、やっと
        以前のレベルまで戻すことができた。
        この調子で頑張りたい」
       というマルディ二。

       この少女に栄光あれ!
       
       

連日、暑い日

2016-08-13 08:39:38 | 雑記



       連日の猛暑にくわえ、リオ・オリンピックでは
       熱いたたかいが毎日くり広げられている。

       いわゆる運動音痴?の私なので、
       リアルタイムでオリンピック観戦をすることは
       ないが、ニュースでみて熱い選手のたたかいに
       ウッと胸がつまり、感涙することはある。

       競泳男子 荻野選手の金メダル   
       女子柔道 田知本選手の金メダル
       競泳女子 金藤選手の金メダル
       男子卓球個人 水谷選手の銅メダル
       ………… 等々      


       女子重量挙げの三宅選手があの小さな体で
       107キロのバーベルを持ち上げるという快挙!
       長年の腰のいたみに耐え、あきらめていたところ
       の銅メダルである。

       競技の終わった瞬間、三宅選手はバーベルに
       近寄り、いとおしそうに顔を近づけて抱きしめた。
       その映像にぐっときたし、
       父でもあり監督の義行氏の
       「四年間の(オリンピック)の今日の一日に
        ベストの状態をもっていくのが大変なのです」
       ということばにも感動した。

       そして、男子体操ーー
       予選であれだけのミスをしてだめかと思われて
       いたところの逆転金メダル。
       はかり知れないほどのプレシャーのなかで実力を
       発揮するなんて、感動を超えて圧倒された。

       体操男子団体で日本では12年ぶりの金メダルで
       ある。
       一人一人の実力、団体としての底力は見事としか
       いいようがない。

       さらに、
       キャプテンの内村航平は個人競技で金メダルと
       いう金字塔までたちあげた。
       かれはいう。体操は技だけでなく、美しくなけれ
       ばならないと。
       世界の覇者にして口にできることば、である。

       しかしながら金のみならず、銀、銅メダルにも
       それぞれに代えがたい輝きと重みがある。
       そして、たとえメダルに届かなくても、
       どの選手にも一人一人にドラマがあるという
       ことを忘れてはならない。

       ※ 新聞写真より

     


       

       
       

希求する平和な日本、内戦のない世界

2016-08-07 07:34:18 | 雑記



      昨日は71年目を迎えた広島原爆の日。
      「非核へ勇気を」といったスローガンを
      かかげながら、多くの人々が原爆慰霊碑
      に祈りをささげた。


      そしてリオの五輪開幕。
      いろいろ問題をはらみながらも、なんとか
      こぎ着けた。

      ドーピングに揺れるロシア選手団。
      104番目には次期開催国である日本選手団
      の姿があった。

      なかで私がもっとも注目したのは、今回初めて
      結成された難民選手団(ROT)である。
      開催国ブラジルの前の最後から2番目に登場した。

      ROTはシリアの競泳2選手、
      コンゴ民主共和国(旧ザイール)の柔道2選手、
      南スーダンの陸上5選手、
      エチオピアの陸上選手、
      の計10選手で構成されている。

      旗手は内戦再燃の危機に直面している南スーダン
      の女性選手(21歳)。
      陸上8000㍍に出場する彼女は、
      「政治が入りこまないのでありがたい」
      と感謝している。

      トレーニングを積むケニアの難民キャンプでは
      開会式が生中継されているという。

      また前回のロンドン五輪では特別個人資格で参加
      した男子マラソンのグォル・マリアル(32歳)は、
      「戦争の武器は殴ること。
       殴っても人を動かすことはできないが、
       スポーツは人を動かす。
       だから平和の武器だと伝えたい」
      と強調した。

      平和の象徴としての五輪、
      内戦がなくなり、どこの国の選手も当たり前
      のように参加できることを願う。
      
      
      ※ 写真は新聞掲載からお借りしました
      
      

十万の大兵

2016-08-06 09:09:12 | 自然



      新聞のコラムで知ったのだが
      明治の文豪・幸田露伴は積乱雲が空をおおうさま
      を称して、
      「十万の大兵、野を占めたる如く」
      といったのだという。

      暑い。
      とにかく暑い。

      外をみれば猛々しいほどの積乱雲がもくもくと   
      空をおおっている。
      朝起きて空をみては、「負けた!」と思うばかり。
      この様をみて、何にたとえたらいいのかと毎回
      思っていたが、「十万の大兵……」とはねえ。

      クーラーをつけても昼中はあまりの暑さのせいか、
      フィルターの掃除をしてないせいか(多分、こっち)
      あまり効かない。
      
      それに天候が安定してなくて
      突然のスコールのような雨。
      先日も、まあ大丈夫だろうと思って折りたたみ傘
      のみを持って出かけたら、帰りには叩きつける
      ような大雨にあって、衣服も靴もびしょぬれに
      なった。
      
      「ゲリラ豪雨」とは8年前に流行語となったが、
      正式な気象用語ではなくて、
      「局地的大雨」というのだそうだ。

      それに時ならぬ雷雨。
      2~3日前、部活の運動中の男子生徒が雷の被害
      に遭って重体となるニュースがあった。
      報道によると、雨は降っていなくて轟音だけだった
      そうである。
      
      子どもの頃。ゴロゴロ鳴っても平気で遊んでいた
      が、危険なことであった。
      この齢になって、あなどってはいけないとようやく
      分かるとは遅すぎる。

      ともあれこの暑さ。
      なんとかしのぐには、食事、睡眠、適度な運動に     
      尽きるか。
      つまらない結論。
      あまり無理をしないでいこう。
      (最初から無理なんてしないくせに!)