昨日はうちの新一年生の運動会だった。
小学校の運動会なんて何年ぶりか、
数えると三十数年ぶりである。
基本的に私は土日は自分のことオンリー、
集中的に仕事をしたいので、家の者の
行事には参加しないのだが、
ついに行ってしまった。
午前、午後とも。
(途中、昼食に家に帰った)
多分、齢を重ねたせいであろう。
子どもたちが力一杯やっている姿に
じ~んとくるものがあった。
一般的なことをいっても仕様がないので、
ここは自分の懐古趣味をちょっと許して
もらいたい。
とろくて常にぼんやりしている私は、
運動会が大嫌いだった。
個人種目も、団体競技も。
小学2年くらいではなかったか。
徒競争で必死に走って、ゴール寸前に
「あ、着いた」と思って足をゆるめた。
運動で競争する気持の全くない私は、
ゴールテープの前でうろうろ。
その間に何人かに抜かれて、4~5番に
なっていた。
テープを切るまで走りきる、ということ
を知らなかったのだ。
(あのときの感覚をよくおぼえている)。
他にもある。
これも1年か2年生のときの記憶。
団体競技で、ダルマの張りぼてみたいな
ものをかぶらせられ、男女手をつないで
走る。
旗のところを回ってきて、次のカップル
に渡す。
早く終わった組が勝ちなのだが、
当日、誰かが休んで、私は嫌いな男の子
と組まされた。
観客には誰がかぶっているか分からない
のだが、私には大いに不満だった。
あのときの違和感!!
先生はきっと人数さえあえばいいと思った
であろうが、私は練習のときの組み合わせ
と違って、小さいなりに理不尽なものを
感じたのだった。
もちろん先生に異議申し立てする心得など
あるはずもなく、じっと耐えた(笑)。
それで、「大人はいいかげん」という不信
感をいまだに持っているのだ。
このように運動会には悔しいこと、悲しい
思い出しかないのだが、最後に名誉挽回を
一つ。
中学生になったら、ちょっとずるくなった。
「借り物競走」というのがある。
借り物はいろいろ。
ヨーイドン!で走って、、所定の位置にある
紙を拾い、それに書いてあるものを借りて
ゴールまで走る競争である。
それは新1年生だったり、バケツだったり、
人気者の○○先生だったり、用務員さんだ
ったり……
私は自分の番がくるまで、さっと見当を
つけておいた。
(だいたい借り物は予想がつく)
ヨーイドン!
私の拾った紙には「校長先生」と書いて
あった。
最初から当たりをつけておいたので、
さっと校長先生のところへ。
もちろん一等賞になった。
後にも先にもそれっきり。
大学に入って「体育」が選択科目にある
のに驚いて、受験したことすら後悔した。
以来、私の運動嫌いは続いており、
昨日の運動会は子どもたちの姿に感涙す
る一方、
とんでもないことを思い出させたのだった。