一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

野菜スタンド

2014-07-27 15:51:13 | 雑記
    

       ときどき通りがかりに寄る農家の野菜
       スタンド。

       今日はおじさんが畑から収穫したばか
       りのスイカを並べていた。

       「今日は日曜だからお客も多いな」
       となんだか嬉しそう。

       私が横のナスとトマトを選別している
       間に、4組のお客があった。
       ついつい、おじさんの口もなめらかに
       なる。

       「昨日はよゥ、茶毒(ガ)にやられて
       皮膚科にいって薬もらってきてよゥ、
       ひどくなるとあかんべと思ってなァ、
       一日TVをみて畑にいかなかったんだ。
       そしたら、キューリがこんなになって
       ヨ」

       手元にはオバケのように大きくなった
       キューリと普通サイズのものがあった。
       「一日、収穫せんと、こんなになるだ
       からなァ、生き物は正直というか、なァ」

       「そんでも、こちとらも生身の人間だ
       かんな、いろいろ用事もあってな、
       畑にいけん日もあるべな」

       おじさんは耳が遠い。
       こちらの質問や相槌もろくに聞こえない
       らしく、会話が成り立たない。
       
       「おじさん、これいくら?」
       客が聞いても、えんえんと自分のペース
       で喋っている。

       やっとお金を出すと、
       「あい、どうも、どうも」
       といってまた喋り出す。

       「こんなんやってもな、幾らにもなんね
       のよ。手間ヒマ思えばなァ。
       そんでもよ、ボケるよりはいいかと思っ
       てなァ」

       どうしてどうして、おじさんは年間通し
       て、四季折々の野菜をた~くさん作って
       いる。

       ふだんは無人だからお金を備えつけの箱
       にちゃりんと入れるだけ。
       おじさんに遭遇するのはめずらしい。

       だから客もついつい話しかけるのだが、
       よほど大きい声で、しかも何回もくり
       返さないと、通じない。

       今日はスイカを割って、みんなに振る
       舞っていた。
       「昨日まで2000円で売ってたんだ
       けどなあ、今日から1500円だ」

       どうやら、値段を決めるのもおじさん
       の腹ひとつのようだ。

       「ほんでもなあ、お盆前には夏野菜も
       終わってしまうがな」

       おじさんの独り言はまだ続いていた。
     
       私はナスとトマトとゴーヤを買って
       きた。歩きなので、一個のスイカは
       とても持って帰れない。


          
       
 

暑苦しい

2014-07-26 15:56:51 | 雑記


       朝少し早起きして窓をあけると、
       近くの森からヒグラシの遠く近く
       うなるような鳴き声が聞こえる。
       ヒグラシは光に反応するらしく、
       夕刻より明けがたの方が多く鳴く
       のだという。

       日中になると、
       これまたミンミンゼミやアブラゼミ
       の鳴き声。
       そう、彼らはいまが生を謳歌する
       (短い)期間なのだ。

       
       こうなると、もう何やっても暑い。
       午前中、室内の温度計をみると
       32℃。熱中症がこわいから、
       あわててクーラーを入れる。

    
       本当は家中を明け放して入ってく
       る自然の風が好きなのだが、
       そうもいっていられない。

       
       買物や用事はどうしても車で、
       ということになる。
       好きな木陰の散歩にもいきたいが、   
       こう暑いとなあ。

       そうこうしているうちに、どんどん
       時間が過ぎる。
       かくして、今日何をやったかなあ、
       と達成感のない一日に。

       暑苦しいのは、
       目の前の課題がなかなか進まない
       せいでもある。
       机の横には、
       読まなければならない本や資料が
       うず高く積まれ、雑然としている。

       この夏、どれだけ読了して、
       一歩すすめることができるか、
       そこが勝負!
       あ、受験生のようになってしまった。
       分かってはいるけど、です。
      

       

フレイル

2014-07-20 18:37:37 | 健康
  

       3時間 待って病名「加齢です」

      シルバー川柳には大いに身に覚えあり。

      不調だから病院にいく。
      何事も早めの方がいいと思って。
      それが「加齢」とは……重篤な病名を
      期待しているわけではないが、
      3時間も待ったのは何だったろう、と
      がっくりする。

      またまた初耳のことばーーフレイル。

      フレイルとは、
     「活力があって健康で自立した状態」と
     「日常生活に支援を必要とする要介護状態」
      の中間をいうのだという。

      単に身体的な側面だけでなく、精神的な
      面、社会的なつながりの面でもあらわれる
      らしい。

      いわゆる未病っていうやつ?
      それなら毎日のように実感している。
      そうか、それを「加齢」というのだな。

      何となく釈然としないが、まあ順調に
      老いているということだろう。

      またシルバー川柳から一つ。

       「お年です」それが病気か 田舎医者

      ※ 江ノ電から見た今日(曇り時々雨)
        の七里ガ浜
       

かくれ脱水

2014-07-19 19:31:38 | 健康


       もうすぐ夏本番。
       熱中症で救急搬送される人のほぼ半数
       以上が、65歳以上の高齢者だという。

       TVでも高齢者は熱中症にかかりやすい
       から注意!とさかんにいっていた。

       なぜ高齢者が、というと、
       老化にともない、暑さや寒さを感じる
       センサーが鈍くなる。
       汗腺が委縮し、汗が出にくく体温調節
       がスムーズにできない。
       脳の深い部分にある浸透圧感受性が鈍
       感になり、喉の渇きを感じるのが遅い。
       体内の水分量が50%と少ない。
       (新生児70%。成人60%)

       さらに、
       高齢者は30分くらいで一気に重症化
       するので、より注意しなければならない
       のだそうだ。

       いやですねえ。
       高齢者、高齢者って。
       高齢者だって、最初から年寄りだった
       わけではない。
       新生児のときもあったし、少女のときも、
       娘っこのときもあったのだ。
       最初から、ぱさぱさした年寄りではない
       のだ。

       こんなことをいうと、
       老いた者の遠吠え、と云われるかッ。

       ※ 現在、フラワーセンターでは早朝
        の蓮見会がひらかれている。
       

       

流されない生き方

2014-07-13 21:07:49 | 雑記



        別に人生相談にはまっているわけでは
        ない。
        だけど、これっと思うピタッとした
        回答を見つけると、そうだそうだと
        思う。

        この間もそういうのを1つ見つけた。

        (質問)20代女性
        30歳を前にして人生を悩むように
        なった。
        独身、仕事もあり、体も健康。
        これといって不満があるわけではない
        が、このまま流されて生きていって
        いいのか、もやもやしている。

        ※(内田)こういうの、私もつい最近
         まであったような気がする。
         さすがに残りすくなくなった今
         では、そんな時間すらなくなった
         のだが。

         今日の回答者は劇作家の
         わかぎゑふ氏。

        (回答)
        考える必要はありませんよ。
        人生の基礎工事ができていないから
        の悩みで、それも健全なことです。
        1つ助言すれば、
        何でもいいから好きなことを思い切
        りやることです。

        あなたと同じ年頃の自分(回答者)
        も塩野七生さんの、
        「無駄に恋をするくらいなら、一人で
        映画を見まくればいい」
        という言葉に、目からウロコの思いを
        した経験がある。

        「私、○○が好きなの!」というもの  
        を見つけてください。
        20代、30代は自分に投資する時期
        です。
        悩んでいるのは、その思い切りが少し
        足りないからではないでしょうか。

        ※(内田)名回答だと思う。
        もし私が若い人から相談を受けたら、
        こんな回答ができるだろうか、と
        ふと思ってしまった。
        
         

スマホ歩き

2014-07-12 15:58:08 | 雑記


      思い込みによる云い間違い、勘違い
      は暑さだけのせいではないようだ。

      先日はあるところに出す書類に、
      大ポカをした。
      午後5時だから17:00と書く
      べきところを、15:00と
      書いてしまったのである。

      こんな勘違いは私の場合、日常
      茶飯事で、
      思い出すのもしゃくなくらいある。
      今でも車で走っていて、
      コピーサービスを
      コーヒーサービスと読んでしまう。

      これは視覚の問題ではなく、
      脳の問題であろう。
      脳がおかしいのだ。

      ところがこれは私だけではなく、
      新聞を読んで笑ってしまった。

      近藤勝重氏によると、
      「ふつつかな娘」→「ふしだらな娘」
      「しゃぶしゃぶ食べ放題」→
      「食べ食べしゃぶ放題」
      「金比良さん」→「キンピラさん」
      「母乳」→「ぼぎゅう(母牛?」

      ところが作家の阿川弘之氏になると、
      もっと上級編(?)だ。
      「スニーカー」→「墨烏賊(すみいか)」
      「未だ9時前じゃない」→
      「又栗饅頭(またくりまんじゅう)だ」
      「3分の1の値段」→
      「サンドイッチの値段」
      「エドワード・ケネディ」→
      「江戸川の鰻(うなぎ)」

      しかし、これだけ記憶しているという
      のもすごいことである。

      ところで、
      昨今の「スマホ歩き」に関していえば、
      正しくは「歩きスマホ」というべき
      であろう。 
      「逆立ち歩き」や「カニさん歩き」とは
      おのずと違うのだから。
      

   
      ※ 散歩道に咲いているホタルブクロ
 

大人も願いごと書きます

2014-07-06 15:17:10 | 雑記


        昨夜、急に買物を思い出して夜の8時
        過ぎにスーパーにいったら、
        入口にある七夕飾りに、大人の男性が
        かがみこんで願いごとを書いていた。
        (紙と、結わえる細ヒモは備えてある)

        あまりにも必死な形相だったので、
        見てはいけないと思っていったんは
        通りすぎたが、
        はっと思って私も引き返した。

        そうだ、大人だって書いていいんだ。

        実は、知り合いの方がちょっと体調を
        くずしているのです。
        私は少し離れたところに行って、
        「ご無事を祈ります。
         復帰してまたお仕事できますように」
        と書いた。

        その間に、男性は書き終えたらしく、
        笹に結わえつけて(スーパーのレジ袋を
        下げて)
        出ていった。

        竹笹には子供たちの書いた短冊が鈴なり
        になっている。
        どこに付けようか、迷っているうちに、
        ふと、さっきの人が書いたらしきものが
        目に入った。

        「お母さんの病気がはやくよくなって、
         元気に退院できますように
                   ○○男」

        
        後ろ姿は30代半ばといったところか。
        あまりにも真剣な姿だったので、
        私も虚を衝かれた、という感じなのだ。

        それにしても、
        「足が速くなりますように」とか
        「ディズニーランドに行けますように」
        「受験が受かりますように」
        といった、子供たちの短冊のなかで、
        大人の願いとは……。

        織姫さまも困るだろうな。
        




        


        

        
     
 

傘がない

2014-07-05 16:17:01 | 雑記
      


         ♪都会では自殺する若者が増えている
          今朝きた新聞の片隅に書いていた
          だけれども問題は今日の雨
          傘がない

          行かなくちゃ 
          君に会いに行かなくちゃ
          君の町に行かなくちゃ
          雨にぬれ
          ……
          …… ♪

         ご存じ、井上陽水のヒット曲、
         「傘がない」である。
         

         梅雨の最中、鼻歌で
         ♪傘がない 傘がない
         とうたっていたけど、
         案外、重たい歌詞なのね。

         この歌がリリースされたのは、
         1972年(昭和47)。
         まさに学生運動が急速に終焉に向か
         っていた季節である。

         この歌を、政治闘争に敗れた若者の
         「うつろな心情」を表現したものと
         解釈した人が多かったらしいが、
         果たしてどうだろう。

         陽水自身は、
         別にそんなふうに考えて作った歌で
         はないんですよ。
         ただ単に、政治の季節であったとい
         うことだけで……
         と、とつとつと語るだけだが。
 
         歌詞はこのように続く。

         ♪テレビでは我が国の将来の問題を
         誰かが深刻な顔をしてしゃべっている。
         
         だけれども問題は今日の雨
         傘がない
         …… ♪

         社会情勢と毎日の現実とのギャップ
         は、案外こんなものなのかもしれない。
         

         ※ 近所の庭で