驚くことに、
当時、鴎外のような高級官僚の結婚は、
天皇の直截、つまり天皇の許可が必要
だったのです。
そして森家が急いだのは、
鴎外の結婚でした。
相手は赤松海軍中将の娘・登志子(17歳)で
相手に不足はありません。
だが、この結婚はうまくはいきませんでした。
翌年、長男が生まれると すぐ離婚。
その陰には、鴎外の書いていた「舞姫」が
あったことは否めません。
登志子も若いながら一生懸命つとめましたが、
やはり夫の感情を覆すことは出来なかったのでしょう。
ここでエリーゼも、新妻も捨てた鴎外は、
非情な男と非難されるべきでしょうか。
私はそうは思いません。
若きエリートの鴎外が、異国の(貧しい)踊り子に
恋をしたのも人間らしいし、
家柄の合った結婚を ただちに受け入れられなかった
ところも(時代とはいえ)、
当然だと思うのです。
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