一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

置かれた場所で咲きなさい

2013-02-17 17:45:52 | 読書


     『置かれた場所で咲きなさい』
            渡辺和子著 幻冬舎

   実は、私はこの本をまだ読んではいない。
   先日、NHKの番組で知って、非常に感ずるところ
   があったので、記憶が薄れないうちに書こうと思う。

   渡辺さんは現在、ノートルダム清心学園の理事長で
   85歳。
   
   渡辺さんが父親を失ったのは9歳のときで、なんと
   軍人だった父は2・26事件の事件の際、娘の目の
   前で弾丸に倒れたのだった。

   ふつうに恋愛もしたが29歳で修道院に入り、神の道
   へ。
   数年間のアメリカ留学から帰って、学園の理事長に
   推薦されたのは30代半ばである。

   しかし実務経験のない彼女への風当たりはつよく、
   シスター間の統制もとれず、思い悩む。

  
   そんな彼女をみて、ある人がいった。
   「あなたが変わらなければ、不満は解消しない」

   なんと渡辺さんはそれまで「(自分がこんなに努力して
   いるのに)~してくれない」と、相手ばかりに要求する
   <くれない族>だったというのだ。

   それから順風満帆だったかというと、そうではない。

   50代、60代と「うつ病」や「膠原病」を患い、薬による
   副作用で「骨粗鬆症」にもなった。

   「うつ病」に悩まされたときはシスターをやめようとさえ
   思ったが、ある宣教師にいわれた言葉が彼女を救う。

     Bloom where God has planted you.
     (神が植えたところで咲きなさい)  

   「置かれた場所で咲きなさい」
   これは誰にでも当てはまる至言である。

   そして現在の渡辺さんは「老い」という課題に向かい、
   こう云われる。

   「日々、ていねいに生きて、年とっていなければ咲かせる
   ことのできない花を咲かせたい」

   「でも、どうしても一歩踏み出せないときはどうすればいい
    のですか」というインタビュアーの質問には、こう答えた。

   「そういうときは地下に根をはらせて、いつか咲くときに
    備えるのですよ」

    聞きちがいがあるかもしれませんが、こんな話でした。
    日本の女性にもこんな素晴らしい先達がいらしたことに、
    私はまだぽーっとしています。
   
 

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