『置かれた場所で咲きなさい』
渡辺和子著 幻冬舎
実は、私はこの本をまだ読んではいない。
先日、NHKの番組で知って、非常に感ずるところ
があったので、記憶が薄れないうちに書こうと思う。
渡辺さんは現在、ノートルダム清心学園の理事長で
85歳。
渡辺さんが父親を失ったのは9歳のときで、なんと
軍人だった父は2・26事件の事件の際、娘の目の
前で弾丸に倒れたのだった。
ふつうに恋愛もしたが29歳で修道院に入り、神の道
へ。
数年間のアメリカ留学から帰って、学園の理事長に
推薦されたのは30代半ばである。
しかし実務経験のない彼女への風当たりはつよく、
シスター間の統制もとれず、思い悩む。
そんな彼女をみて、ある人がいった。
「あなたが変わらなければ、不満は解消しない」
なんと渡辺さんはそれまで「(自分がこんなに努力して
いるのに)~してくれない」と、相手ばかりに要求する
<くれない族>だったというのだ。
それから順風満帆だったかというと、そうではない。
50代、60代と「うつ病」や「膠原病」を患い、薬による
副作用で「骨粗鬆症」にもなった。
「うつ病」に悩まされたときはシスターをやめようとさえ
思ったが、ある宣教師にいわれた言葉が彼女を救う。
Bloom where God has planted you.
(神が植えたところで咲きなさい)
「置かれた場所で咲きなさい」
これは誰にでも当てはまる至言である。
そして現在の渡辺さんは「老い」という課題に向かい、
こう云われる。
「日々、ていねいに生きて、年とっていなければ咲かせる
ことのできない花を咲かせたい」
「でも、どうしても一歩踏み出せないときはどうすればいい
のですか」というインタビュアーの質問には、こう答えた。
「そういうときは地下に根をはらせて、いつか咲くときに
備えるのですよ」
聞きちがいがあるかもしれませんが、こんな話でした。
日本の女性にもこんな素晴らしい先達がいらしたことに、
私はまだぽーっとしています。
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