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アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

マイダン・クーデター仕掛け人はNHKで何を語ったか

2022年07月28日 | 国家と戦争
   
 ウクライナ戦争におけるNHKの偏向ぶりはさまざま書いてきましたが、26日夜の「ニュースウォッチ9」もその代表的なものでした。来日中のヌーランド米国務次官のインタビューです(写真左)。

 今回のロシアのウクライナ侵攻は、2014年2月にウクライナで親ロ政権が武力で倒され、親欧米政権がつくられたマイダン・クーデター(革命)を抜きには考えられません。それはアメリカがバイデン副大統領(当時)を中心に裏で画策したものでした。その主要人物の1人がヌーランド氏(当時国務次官補=写真中)です。

「親ロシア派のヤヌコーヴィチ政権の失脚が可視化され、野党の動きが活発になったまさにその時、ヌーランド(米国務省)次官補とピオット(駐ウクライナ米国)大使が電話で会話した。「そのシナリオ」に言及し、「デモ後」を企てた。反対派のリーダーと連絡を取っていることを打ち明けた」
「2014年2月18日、デモが全国的な蜂起に爆発した。…彼らは銃器を振り回し、武力でキエフ市内と議会を掌握した。生命に危険を感じたヤヌコーヴィチ大統領は身を隠し、与党は議会から身を避けた。野党が掌握した最高議会は、ヤヌコーヴィチ大統領を弾劾し、5月の早期大統領選挙を決定した」
「バイデン政権は発足直後、ウクライナ政府に6億5000万ドル(約770億円)を支援することにした。ウクライナのクーデターを画策したヌーランド次官補は、バイデン政権で国務副長官に栄転した」(ソ・ジェジョン国際基督教大教授、3月21日付ハンギョレ新聞日本語電子版)(3月28日のブログ参照)

 そのヌーランド氏がNHKのインタビューで何を語ったか(聞き手は田中正良キャスター)。

「問題は今後、私たちの支援でウクライナが秋に反撃しロシア軍を押し戻せるかどうか

「(田中氏「この戦争はいつまで続くと考えるか」)最終的にはウクライナ紛争は外交的に解決すべきだが、問題はプーチンが誠実に交渉を検討しようと考えるほど圧力をまだ感じていないことだ。今はその(外交)段階に至っていない

「(田中氏「ウクライナのためにさらに何をすべきか」)いま行っていることを連携させていけるかが問われている。大切なのは私たちがG7として共にあることだ。日本のグルーバルな役割はさらに重要になり、世界が注目している。最も重要なことは、ロシアへの圧力を維持し、容赦しないこと
 なぜなら、これは単にウクライナの問題だけではないから。日本の近くにも強大な権威主義の国がある。世界の権威主義国家が私たちに民主主義を守る決意があるのか見定めようとしている」

「私たちはウクライナの自由を守ろうと結束する時にも、同時に中国に“「自由で開かれたインド太平洋」を守る”という姿勢を確実に示す必要がある」

 インタビューを流し終えて田中キャスターが行ったコメントは、「G7の結束がいまこそ重要だという印象を強くしました。来年のG7サミットで議長を務める日本の役割はたいへん重要です」。

 ヌーランド氏の主張は単純明快です。ロシアを容赦しない。秋に大軍事攻勢をかける。そのためにはG7が結束して武器・軍事支援を継続することだ。日本の役割は大きい。ウクライナ情勢とアジア情勢は一体だ―。ロシア、中国敵視の戦略に立った明確な戦争継続・拡大論です。マイダン・クーデター仕掛け人の面目躍如というところでしょう。

 NHKはゴールデンタイムのニュース番組で、ヌーランド氏に戦争継続・拡大論を言いたい放題言わせ、それに同調しました。
 それがいかに平和に逆行し、戦争の犠牲をさらに拡大することになるか。NHKの罪はあらためてきわめて大きいと言わねばなりません。

 ところで、インタビューはNHKが設定した部屋で行われたとみられますが(写真右)、そこには星条旗と「日の丸」が掲げられていました。そこまでやるか。NHKの本性を見せつけられた光景です。
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