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アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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日米貿易交渉・関税引き下げ代償に巨額の兵器購入

2025年07月25日 | 日米安保・軍事同盟と政治・社会
   

 今回の貿易交渉の妥結で、トランプ大統領はSNSに「日本は米国に5500億㌦(約80兆円)を投資し、利益の90%を米国が受け取る」と投稿して成果を誇示しました。

 そもそも「「相互関税」や品目別の追加関税は通商ルールに反した理不尽な要求」(24日付京都新聞社説)です。初めに高い関税率で脅しをかけておいて、米国への巨額の「投資」を引き出す。まさにトランプ流の恐喝的ディールです。石破政権はまんまとその術中にはまったわけです。

 しかも「投資」の内容を見れば、事態はさらに深刻です。

 米政府は24日(日本時間)、合意した「投資」の内容を文書で発表しました。その中に次の項目が含まれています。

防衛装備の調達を年間数十億ドル規模で拡大し、同盟の相互運用と安全保障を強化」(24日付朝日新聞デジタル)

 米国製兵器の購入を「年間数十億ドル」増やすというのです。米メディアはより詳しく報じました。

「米メディアのブルームバーグは、米政府高官の話として、米企業関連の防衛支出を年間140億ドルから170億ドル(約2兆5000億円)に引き上げることで合意した、と報じた」(23日のNHK国際報道2025)

 しかし、交渉にあたった赤沢亮正経済再生相は、トランプ氏との会談後取材に対し、「(合意に)防衛費に関する内容は含まれていない」と説明していました。24日帰国した赤沢氏は、この点について報道陣に問われ、「「(日米で)認識の違いはない」と述べた。すでに決まっている防衛装備品の購入計画について、米側に説明しただけだという」(24日付朝日新聞デジタル)。

 赤沢氏の説明は明らかに米政府の発表と食い違っています。石破政権が米国製兵器追加購入の合意内容を隠ぺいするため、赤沢氏にウソを繰り返させたことは明らかです。

 巨額の米国製兵器追加購入は、軍事費のさらなる膨張を招くだけではありません。米政府の発表が「同盟の相互運用と安全保障を強化」と記しているように、それは米軍と自衛隊の一体化をさらに強め、日米軍事同盟の危険性をいっそう強めます。

 追加関税がトランプが当初ふっかけた25%から15%になったことで一番胸をなでおろしているのはトヨタをはじめとする日本の自動車産業です。今回の日米合意は、兵器の大量購入で自動車産業を救った、とも言えるでしょう。

 貿易(経済)面での対米従属は軍事面でのそれと一体不可分です。その根源である日米安保条約を廃棄して対米従属の鎖を断ち切ることの重要性がさらに大きくなっています。
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