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車をアトリエにするタントの工夫

2019-08-14 03:53:36 | 水彩画

 車の中で絵を描いている。車がアトリエである。写真の絵で中盤全紙だから、20号大である。平らに置いて、描いているところだ。パレットや筆や水が右側に並べてある。前にある銀色と青のものは、日射しが強いときに屋根の上を覆うものだ。

 
 この絵はB判全紙である。40号より大きい。車の中で描ける最大のサイズ。絵の後ろに車のハンドルがある。慣れているためか、描きにくいと言うことは無い。時と場合によっては、逆向きに後ろ側の扉を跳ね上げて、描くこともある。


車種はタントである。タントが良いのは横の柱がないので、かなり広々と外が見える。後ろの座席に座って描いている。後ろの座席をたたんで落とし込んでその上に座って描くこともある。その点では今度の新型タントは助手席も後ろに平らに倒せるので、さらに具合が良い気がする。


 
 あちこちを開き風が通るようにしている。屋根の上やフロントガラスも断熱シートで覆っている。断熱シートは屋根の上に飛んで行かないような、アルミが組んである。この工夫で車の中が、風通しの良い木陰のようだ。運転席の窓には遮光シートが留めてある。日射しが入ると熱いし、絵が描きにくい。

 石垣は突然の雨が多い。風も毎日強い。日射しは強烈である。車の中で無ければ、写生は不可能だ。車アトリエのおかげで、どんな天候の日も絵が描ける。昔、アトリエ車があると言うので、晴海の自動車ショーに見に行った。確かに描きよさげであったが、実用性は私のタントアトリエの方が上である。売り出されれば買ったかもしれないが、売り出されなかった。
 

 何十年も車をアトリエにしてきた。絵を描きやすいように工夫をしている。これは筆立てである。6本立てられるようになっていて、いつも満杯になるようにしている。車の壁に貼り付けてある。描き終わって、落として帰ることがあるからだ。必ず6本になるまで筆は探す。絵を描いていると全く他のことが分からなくなる。手前の長い筆は豚毛の平筆。その手前にあるのがコーヒーを入れる保温ボトル。



 大事な筆を落としてしまい、今でも落ち着かないくらいだ。それでなくさないための筆立てを作った。筆はコリンスキーの太いものか。リス毛のもの。最近は隈取り筆は余り使わない。何しろ膨大な数の筆を持っている。描きやすいのを選んでいる内にそうなってしまった。使う筆は変化をすごくする。






 絵の具はかなりの量が常に積んである。使わない色を含めて、全色積んである。最近シュミンケのパンが多くなった。クロームグリンのような色が使いよい。大型サイズのチューブニュートンが一番多い。これは普通は売られていないが、千葉の鎌田画材さんに注文すると送ってくれる。親切でありがたい。絵の具は家の引き出しにまだ一杯にある。使いたいときに使いたい色がないのでは困るの、時々整理をしてまとめ買いをする。

 普通に売られていない絵の具という意味では、ニュートンの5センチもあるパンも使っている。これは滅多に売っていないものだ。昔から注文で取り寄せているので、小田原も石垣も同じだ。一通りのものは車に積み込んである。

 筆洗いが丸いタッパーである。蓋ができるので具合が良い。このサイズだと扉のポケットにしまうことができる。



 水は小さい四角のペットボトル3つ。これだと転がらないようにドアスペースに納めることができる。使い方は蓋を少し緩めておき、スポイトのように、パレットに水をポタポタ落として使う。もう一つが丸形のタッパーで車の飲み物スペースに収まるサイズのもの。4つ持っている。朝出るときに水を入れ替える。



 紙はその日使いたい紙を乾燥庫から取り出して使う。一枚では無く必ず数枚持ち込む。車の中に前は常備していたが、石垣は湿気るので無理だ。車にちょうど良いサイズに切った画板がある。この上で描く。多くは寝かせて描く。そして立ててみている。絵を描くと言っても、描くのは数分で、ほとんど眺めている。

 そのほかの設備品としては、時計、温度計、タブレット、本、遮光シート、座布団2枚。温度計はとても大切で、車の中というのは子供が閉じ込められて死んでしまうことがあるような場所になる。温度計は眼に入りやすいところに貼り付けてある。熱中症は気づかず起こる。

 描きかけの絵を前にして、本を読んでいる。タブレットで将棋を指している。時々絵の考えを断ち切る。ズーと描き続けていると、変な考えに落ちこみとんでも無いことをしている。外を歩き回ることもある。意識が絵から離れる時間を持ちながら、絵を描く。ちゃらんぽらんなものだと思う。

 車内の過去最高は35度。炎天下でも風があれば暑いと言うことは無い。家にいるより涼しいので、早く涼みに行きたいくらいの気分になる。飲み物は必携である。朝ファミマにより、カフェラテホット二つと注文する。ちょうど良いサイズの保温ステンレスボトルに直接入れさせて貰う。これは午前中に必ず飲んでしまう。日によっては他の飲み物をさらに買うこともある。何か食べ物を買うこともある。酸っぱい根昆布が、そこそこ良い。

 石垣島にいる間は毎日絵が描きたくなる。車アトリエが快適と言うこともある。その日の気分に合わせて、良い場所に行くのだから当然である。

 絵が描けず何時間も描く場所を探していることもある。車だから、もう石垣島内をくまなく何周もしているだろう。それでもまた新しい良い場所に出会う。場所探しはここ1年で終わろうと考えている。

 タントがよいのは小さいので止めるところが割合に見つかる。えを描きたくなるような場所は軽自動車で無ければ止められないところが多い。できる限り邪魔にならない場所を探している。毎日通って描いているのだから、迷惑になるようではまずい。

 自分の絵の絵はがきセットを積んである。何かあったときに挨拶にお渡しするためだ。これで、窮地を切り抜けたこともある。名刺もお渡しする。いつも描かせて貰っている、名蔵の牧草地の青年には絵を差し上げる約束をしたのだが、どこの方かはまだ分からない。相当に怪しく見えるだろうという意識がある。
 
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