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明治維新から77年で敗戦した日本

2021-08-18 04:24:05 | Peace Cafe

 コロガシが終わり輝いている田んぼ。

 明治維新から77年で日本は第2次世界大戦に敗北したのだそうだ。そして、今敗北から又77年が経とうとしている。そして、日本はコロナに敗北をして、先進国から脱落をしようとしている。この歴史を充分に考えておく必要がある。

 明治帝国主義国家をもう一度作ることが自民党の目標である。愚かにもその結果が世界大戦での敗北と言うことに未だに気付いていない。たぶん、日本が目標とする国家像が、他に思いつかないのだろう。維新の会なども名前まで明治志向である。

 日本が愚かな戦争をしてしまった一番の原因は、東洋の雄という勘違いである。遅れたアジアを日本が盟主となり、建て直すのだという、思い上がった馬鹿げた目標を持ってしまったのだ。アジアの中で、白人植民地主義の餌食にならなかった国家という、自意識過剰である。日本が独立を維持した原因は江戸幕府の藩の独立性維持と鎖国にある。明治政府とは関係が無い。

 そうした大きな世界観の間違えが、コロナ敗北に際して又今生じている。背景にあるものは中国の大国化による自信喪失である。中国は自力更生を成し遂げた。日本が指導して上げなければ、国家の体裁も整わないと考えた中国が、日本をはるかに凌駕し始めている。

 自民党の議員の多くの人にとっては、青天の霹靂のことなのだ。中国はどこかで崩壊するに違いないと、5年前には言い続けていた人が自民党では多数派であった。中国で株価が暴落すると、これが中国崩壊の始まりだと、日本の企業は早く引き上げた方が良いと叫んでいた。

 中国に対する評価は概ね日本の報道も追随してきた。そのために日本人の中には遅れた中国の印象が根強くこびりついている。今は恥ずかしながらであるが、中国オタクの毛沢東ファーンの中学生であった。そして、興味を持って中国には3回行った。絵の関係と、自然養鶏の関係である。そして、中国人の優秀さに驚かされた。

 国を挙げての農業政策と、国民をリードする人達の優秀さからして、日本はたちまちに経済で追い越されるだろうと実感した。スーパーに行って驚くのは野菜の種類の多さであった。日本の4,5倍の種類があるように見えた。農業の状況もまさに多種多様であった。

 自然養鶏の交流であったのだが、中国の人達は何故日本から、発酵指導をされなければならないのかと疑問に感じていた。中国には日本どころではない発酵の伝統と技術が存在するという自負があった。キノコの工場の大きさと言ったら、すでに余りに巨大で比較にもならない状態であった。

 それは、養鶏でも、養豚でも同じで、この巨大化する経済合理性が、どこかで行き詰まるだろうと感じた。どれほど大きな畜産基地であっても、国家主導である以上、苦情も抗議もない。薬剤の使用もどうなっているのか不安を感じた。

 中国は環境政策の遅れと言うことで、世界から叩かれていたわけだが、すでに日本よりも環境政策で先進国になり始めている。日本が中国を敵視している間に、中国は自力更生を成し遂げたわけだ。そして覇権主義の大国として、日本に強い脅威になり始めている。

 一方すべてに後ろ向きの既得権益死守の日本は、アメリカの属国として敗戦以来やってきた。独立国家としてでは無く、アメリカの支配下で国家運営を行うという、国としての片肺飛行でやってきたわけだ。軍事力が無ければ、国の運営に安心できない奇妙に歪んだ国家になったのだ。

 アメリカの背後の虎の威を借りて吠える負け犬国家である。これでは国家としての尊厳を失う。国民はどこか独立国家の自尊心を失った。それが自民党が明治日本帝国に戻りたくなる要因である。ところが、現実には世界に誇れるほど強い軍事力は持てない敗戦国の立場を今も引きずっている。

 日本は持ちたくとも、原爆を保有することは出来ない国是である。政府は原爆が無い国家はアメリカの属国でいるほか無いと思い込んでいるのだ。日本は本来であれば、唯一の被爆国として、平和憲法制定の国として、進むべきだ。

 原爆保有国を批判し、原子力禁止条約推進国家になるべきなのだ。世界の大半の国が、原爆を保有しない。その保有しない意味を保有国家へ突きつけなければならない。非保有国の中心的存在になるべき国なのだ。

 こうして、敗戦という折り返しから、77年という歴史を踏まえようとしている。日本が江戸時代を否定して明治帝国主義を歩んだ間違えた進路が敗戦に続いていた。そして、アメリカの属国としての自立できない片肺国家が日本の国家としての品格を失わせた。

 この77年間の間に、日本人が想像もしなかった形で、アジア各国は日本を追い抜き始めた。日本人はいつまでも目を背けていないで、この事実に目を向けなければならない。そして、アジアの一国として、当たり前の独立国家としての道を歩まなければならない。

 アメリカから独立して、アジアの軍事力の小さな一国として、世界に対する必要がある。その現実からしか何も始まらない。それは恐ろしいことでも悲しいことでも無い。世界中の国がそうした独立国家なのだ。その時に始めて日本がどのような国作りをすべきなのかが見えてくるのではないか。

 日本には豊かな国土がある。四季に富む美しい日本列島がある。食糧自給が可能な国土がある。比較的にみれば、勤勉で正直な国民がいる。そして、平和憲法という世界に誇れる国是がある。日本は世界の平和の灯台になれる国なのだ。

 先ずは日本の独立である。アメリカの軍事力から距離を持つ。軍事力では無い、平和外交を模索する。アメリカの属国になれてしまった以上軍事力の笠を取り去る恐怖があるだろうが、まずその地点に立ち返る以外に日本が次の77年に向けて、正しい国作りは出来ない。

 食料は自給しなければならない。食糧自給が国としての基本要件である。食料生産を経済と枠組みとは別に考える必要がある。独立国家の基本が食糧自給できると言うことだと考えなければならない。これは経済の合理性とは別のものである。これは個人として食糧自給を達成した時の安心立命で分かったことだ。

 国家としての安全保障を見直さなければならない。次の時代の安全保障は通常の軍事力の時代では無い。感染症対策は安全保障の根本になるだろう。その時島国である日本は管理しやすいことになる。また、情報管理も重要な安全保障である。国を超えてゆく企業の問題も、国は管理をどうすべきかを考える必要があるのだろう。

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