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憲法講演会

2006-05-02 05:42:42 | Peace Cafe
獨協大学の古関 彰一先生の憲法講演会で勉強させていただいた。毎年、第一マネジメントセンターと言うところが、憲法記念日にあわせて企画されているそうだ。なんと、38回目の開催である。この組織がどんな組織かは全く知らない。たまたま、街を歩いていて、ポスターを見かけて出かけた。
代表が勝俣さんと言われるが、どういう方かも判らない。挨拶で言われるには、社内の勉強会からスタートした。どこからも独立し、自由に勉強を続けてきた。定期的な勉強会があり、年一回の講演会になるらしい。

ナックビルの7階の会場で行われた。入場無料である。5分前にエレベーターを降りると、ごった返している。どうもかなりの人が、知り合いのようである。おかしな集会だったらどうしよう。チラット頭を掠める。参加の記名を行い、席に着こうとすると、既に200ぐらいの席は満席のようで、整理の方が前のほうが空いているからと言う事で行ってみると、一番前の席だった。ともかく、まだどんな話かも分からない状況で心配しながら、レジメを見ると。「憲法九条はなぜ制定されたか」と言う講演で、アメリカの押し付けで出来た、と言うことが書いてある。この先だから、変えるべきだという考えも良く聞くので、不安は残る。さらに読むと、だからと言って変えるべきではない、と言う方で、一安心。

古関先生は「新憲法の誕生」と言う本で、吉野作造賞を受賞されているそうだ。最近では、『「平和国家」日本の再検討』岩波書店。『憲法九条はなぜ制定されたか』などを出されている。30年の間、憲法がどうのようにして制定されたかを、極めて実証的に、資料に基づき調べてきたそうだ。それが、昭和天皇が死んでから、一級の資料が出てきて、かなり制定の真実が見えてきたそうだ。映画『日本国憲法』なども、これらの資料を制作の参考にしたのではないだろうか。

結論だけ記すと、
○憲法九条はマッカーサーの発想であり、その目的は昭和天皇の戦争責任を免責し、天皇制を存続することにあった。天皇、マッカーサーの会談は12回あり、その内容も公表されているそうだ。天皇は役に立つ、の発言あり。

○9条によって生じる安全保障問題は、沖縄を基地化することで、解決可能と考えた。ソビエトの拡張主義に対抗するため、強い軍事力を必要としたが、空軍中心の防衛で、充分対抗きると考え、沖縄にアジア防衛の拠点空軍基地を、作る事で、日本の非武装化と抱き合わせを考えていた。

○日本人は9条を天皇制、戦争責任、沖縄の基地化と関連付けて、認識してこなかった。

○9条は、日本が再び連合国やアジア諸国の脅威とならない証であり、国際社会で生きていくためのパスポートであった事を再認識したい。
日本が国際協力や経済活動で、海外に出た場合、有利に受け入れられたのは、日本の非武装であり、9条のお陰であった。

実に分かりやすい、しかも、学門的な専門性もあり、勉強になる講演会であった。水生昆虫の分類の専門家から、話を聞いているのと同質の、興味深さがあり、揺らがない事実が、実証的に導き出される事が、気持ちよかった。

「私は大切な事実だけを提出する。私が結論を言わないで考えて頂く事が、重要です」
素人の床屋談義とは、根本から違うと感じました。

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