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原発という、良く分からないこと

2011-06-17 04:52:39 | Peace Cafe
原子力発電は、1960年代夢のエネルギーと言うことで、注目された。鉄腕アトムもつながったイメージである。内容については良く分からないことだった。死の灰と言うことが言われて、その灰をかぶったら死んでしまうらしいということは、第5福竜丸事件以来知っていた。キノコ雲を見たらもう駄目だとか、あの頃の子供の間では噂されていた。良く分からない故の恐怖。その分からないが、放射能雨にぬれると禿げるというのも、冗談だか本気だかわからない形で言われた。放射能雨だそー、と言いながら、雨に向かって口をあけて、もう駄目だ―、など遊んだ記憶すらある。放射能マグロと言うので、そんな危険は庶民には関係ないということも言われた。マグロは今では庶民の口に入るようになった。環境汚染と便利で安直な機械の世界が出来て、庶民の口にも入るようになったようなものだ。品川で展示された。第5福竜丸を見たが随分大きな漁船であった。

分からないことが何時も上手く利用される。放射能の危険に慣されてしまっていた。分からないことはたくさんある。溶融炉の中で起きていることなど、実にわかりにくい。1300度とか、言う高温でありとあらゆるものを溶融した時に、何が起きているのだろう。結果はスラグといガラス状の物質に成るらしいが、その過程ではどんな化学反応が起きているのだろうか。使うものは誰にでもわかるように説明する義務がある。医療の世界も良く分からない。一細胞から、新しい自分を再生させるようなことが起きるらしい。クローン技術。牛などではもうそういうことが現実化している。そもそも今使っているコンピューターなどの中はまるでわからない。中どころか、ソフトと言うもの自体が十分に使えない。分からないことを、分からないまま生活の中に取り入れる。こんな不思議なことを、認めてしまうことに慣れてしまった。おおよそでの人任せは実に危険だ。

どこかの誰かは良く分かっているから、任せて置けば大丈夫だ。こういうことで暮らしが動かされている。所が実はわかっている人などいなかったのだ。原発はおおよそと言うことで見切り発車されていたらしい。分かりやすく説明する義務が、本来政府にはある。例えば電力料金は原発は安いと、経団連は強調している。自然エネルギーは高いものにつくらしい。それなら分かりやすくその仕組みを説明して欲しい。原子力電力価格には死の灰の処理費は、入っていたのだろうか。災害対策を値切っていたのではないか。東電にとっては安いということだった気がする。費用の大部分が税金負担に成っているのではないか。安いと主張する政府は、その仕組みを分かりやすく説明する義務がある。分かりにくくして、厭になるのを待っているというのは、行政の書類など普通にそうだ。

昨夜お茶の補償についての、JAの説明があった。JAにすべてを委任する方式である。委任する内容が良く分からないのだが、「現状回復等」とあるので聞いてみた。これはお茶が暫定基準値内に戻るということらしい。それが今回の放射能汚染に対する、現状回復とは私には思えない。汚された土壌を元通りにしてくれと言いたい。少なくともそれに対する保障は交渉してもらいたいと思う。しかし、JAではそれは範囲外と言われていた。それでは委任は出来ないと思うが、その場合農の会が独自に損害補償の交渉をしなくてはならない。その能力がない。分からないから、放棄したくなる。分かるようにしてほしいと思うが、複雑な書類が東電から送られてきた。この書類を作成し、交渉をする。一体どこの誰がやればいいのだろう。そんな時間が割り込む余地があるのだろうか。しかし、東電を正す意味でも、分からなくてもやらない訳にはいかないのだろう。ああ困る。

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3 コメント

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分かる者にも分からない (岩越)
2011-06-17 07:29:39
先日、日立の技術者と言う人と酒の席で、技術者の目から見て原子力は人類の手に負える技術じゃないと話が盛り上がった。
しかし、東電に対する交渉は、分かるようにする説明責任が東電にある。逃がすまい。
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わからないことについて (小田原市住民)
2011-06-17 12:59:51
まさにいい得ていらっしゃいますね。なるほど、と読ませていただきました。私は20代後半の主婦ですが、小学生の頃から漠然とわからないことについての捉え方に違和感がありました。しかし分からない度は加速し、しくみの分からないままの違和感にいつしか目をそらすようになっていました。わからないままでいることに慣れてしまいました。こどもの頃思った「なりたくない大人」の一つの形のような気がします。しかし、潔癖になるとこの地球上に住めるところはなくなってしまうということも事実と思います。自分のなすべき事とは何なのか、バランスを取るとはどういうことなのか、今分からずに子供を育てていて間に合うのか。今の世を無知で生きては取り返しのつかない結果となる気がします。
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わからないこと (笹村 出)
2011-06-18 05:54:02
分からないと発言するのは、ためらいがあります。
説明する側に、この程度のことも分からないのかと言われそうな気がします。
暗黙の了解に成っている所を掘り起こす、感じもあります。
世間の常識だろうという圧力。
分からないことを聞くというだけで、異端扱いをされそうな空気。
分からないことはわからない。と言い切る。
生活者は、すべて素人。
素人に分かるようにすべきなのは、専門家のはず。
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