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沖縄知事選・続

2006-11-21 06:25:19 | Peace Cafe
ご意見もいただき、もう一度少し冷静に考えて見たいと思い、書き続けて見ます。沖縄の経済の問題、これが選挙を分けたというのは、その通りだと思う。糸数氏の31万票は前回の参議院選挙より、6000票減少している。一方、仲井氏は与党票を12万票を伸ばしている。この意味をよく考える必要がある。

経済と言っても沖縄では米軍基地雇用の問題がある。基地がなくなることで、職場がなくなる。これが、一定選挙に反映した、と考えられる。仲井氏が沖縄経済界の代表と言う事、東大出身、沖縄電力会長、人脈。経済の活性化の切り札と感じられる事はありうるだろう。早速政府は、沖縄県内の公共事業の国負担割合を最大95%とするなど大幅に優遇する方針を固めた。消防施設や都市公園、水道、下水道、地滑り防止施設、河川、小中学校施設の整備も沖縄県と他地域に分け、沖縄優遇で交付金の比率をいずれも増やす。特措法案は再編の進み具合に応じ段階的に交付金を拡充する新制度の創設が柱で10年間の時限立法。
仲井氏が基地再編受け入れを、しやすくすると言う事だろう。仕事と言っても、あくまで基地、公共事業だ。

経済が何よりも重要と言う事を、如実に表わしている。6000人の人が、基地反対の糸数さんを、見限ったわけだ。この2年間の間に気持ちが変わったのだ。この2年間に失業したのかもしれない。暮していけなければ、基地どころではない。米軍基地だって、働けるなら結構じゃないか。こういう気持ちになった。この実態は分からないが、なにやら恐ろしい。

あえて、それをおかしいと言えるかどうか。
言わなければならないと考えている。仕事がなくなったって、米軍基地で働く事など、止めるべきだ。戦争に加担して、お金になるからそれで良し、とは到底考えられない。そういう人も居る。というのはわかるが、そうした人が多数派になったとしても、それを受け入れる気にはなれない。失業しても、米軍基地などひとつも無い国であってほしい。

選挙というものが、経済が選択の基準となる。そんな考えの下に行われて、この結果になる。果たして、この国の議会制民主主義は成立していると、言えるのだろうか。米軍基地の再編問題は、世界情勢の最も深刻な課題だ。これが、沖縄の雇用問題とされてしまうことでいいのだろうか。沖縄知事選は、そういう意味でアメリカの世界戦略をくじく、大きなハードルだったはずだ。そうした世界観は考慮されなかったのだろうか。基地を受け入れるなら、経済支援を行う。これだけを強調する政府のあり方が許されるのだろうか。

ここでの不況は、豊かな不況だ。日本人が日本という国土の実力に沿って生きるという、選択をするなら、今の半分程度の収入で、生きなければならない。日本の豊かさがどこかの国が苦しんでいる事で、成り立っている。世界が平等に暮すとすれば、今の日本人の暮らしは、明らかにおかしい。その一つの現われが、米軍基地であり、基地にまつわる経済だ。経済の為に戦争をする国アメリカ。こんな国のおこぼれに預ろうとしているのが、今の日本。それで良いじゃないか。そうじゃなければ、仕事がなくなるじゃないか。これが、日本人の半数を超えている。

またまた、冷静ではいられなくなってしまった。6163人の糸数さんを見限った人達に、何故なんだと聞きたい。
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引き続き僕の考察 (Take)
2006-11-21 08:26:48
具体策のある・なしかと、僕は思っています。
例えば基地あとをサトウキビ畑にして、エタノールを採って・・・、でもいい。それを安定した就業の場とするために沖縄県は三セクにしてもいいと思っている。などと言う具体案は無かったかと思います。
そうしたときに、何人の地元の人が安定した職に就けて、一日の糧とわずかな余力(例えば仕事帰りに一杯の泡盛を飲む余裕、夏休みに家族と遊びに行ける余裕など)という実現可能な「明日への希望」と言う具体案があれば、こうはならなかったと思います。
平和は崇高なものだから、その実現こそが唯一の政策、のように言うことは正しくないと思います。
PeaceCafeの動きもそうではないのではないでしょうか?「9条の会」と少しニュアンスの違いがあるところ、それは全ての生活がPeaceでありたい、と願ったのではないでしょうか?
だとしたら、前回の太田氏も今回の糸数氏もPeaceな政策ではないと思います。「9条の会」的な闘い方だったと思います。
いい悪いではない、太田氏や糸数氏の政策が正しいかどうかではなく、僕はそこには差があると思っているし、ぼくのPeace論とは若干違う。
声高に平和を守ろうといえる人ではなく、中間にいる不安定な考え方の人をどちらが見方につけるか、と言う戦いをして、反戦・平和「だけ」が論点といって破れたのではないでしょうか?
県民に責任ある回答を出すためには、他に抱えている問題点もきちんと表明すべきだったと思います。

最後に、対比を目的とはいえ、勝手に9条の会の名前を拝借してしまってお気を悪くされる方がいましたら大変申し訳ないです。
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基地後の沖縄 (笹村 出)
2006-11-21 13:43:58
TAKE さんの指摘どおり、残念ながら糸数さんの政策に基地後の、独自の沖縄像が打ち出せなかったのは事実。

言っていなかったのではないのですが。
むしろ観光政策は、熱心な人です。
沖縄に基地さえなければ、それはすばらしい南の楽園としての未来が描けるはず。
これも言ってはいるのですが。
ちょっと一般的な範囲の発言で、それならやれるという現実性がかけていた。

基地問題に、選挙が限定されていったのは事実。
でも、でも、
今のところ、本当の理由が分かりません。
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分裂病的選挙 (akiko)
2006-11-21 22:45:59
ちょうど選挙投票日前日から沖縄にいました。こと選挙に関しては、治外法権。戸別訪問はじめ、なんでもありの選挙が沖縄の常識のようです。沖縄の県民性というか・・理由はわかりません。警察も検察もすべて権力側かもしれませんね。こと選挙に関しては。
私の聞いた人たちは、みな心の内では糸数氏を選ぶという感じでした。心の内ではそう思い、現実には仲井真氏に投票するという分裂病的選択。これを突破するには、現実的な政策を提示して安心して思う人に投票できる環境を作らなくては。野党共闘はすばらしいことだと私は思っていますので、あと一歩現実路線を付き合わせることが必要だったんのでしょう。前日、たまたま民主党参議院議員と一緒でしたが、別に応援にいくでもなく、人事のようでした。組織の命令でしか、動けないのか、とがっかりしました。まぁ、結果に対しては、無関心ではなかったようですけれど。
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野党共闘の問題点 (笹村 出)
2006-11-22 16:20:56
現場に則した、コメントありがとうございます。
少し様子が分かります。
確かに、野党共闘だと、色々が見えなくなりますね。
切羽詰ると、現実に押される。
がっかりはしてられません。
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kiti (akiko)
2006-11-22 22:00:19
ある情報によると自公30億、民社共3000万の選挙資金だったそうです。沖縄電力、公明党が組織票をとりまとめたとも。仲井真支持者は基地容認というのではなく、利権構造の中での勝利なのではないでしょうか。それなら、糸数さんは、本当によく健闘されたと思いますが、いかがですか。
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