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スガ政権の終わり

2021-08-27 04:08:14 | Peace Cafe
コウトウシランイエロー

 スガ内閣は横浜市長選挙で敗北し、終わりとなるだろう。原因は林市長を無理矢理下ろしたことにある。人を人とも思わない扱いに林市長は怒ってしまったのだろう。学術会議任命拒否事件と同じ構造で、スガ氏の嫌らしい人間性が露出したのである。

 林市長は本来カジノには賛成では無かった。それを無理に賛成にさせたと思われる人が、横浜を地元とする衆議院議員スガ氏である。その上に今度は何か気に入らないことがあって林市長を無理に下ろして、自分の最側近である小此木氏を市長選に立候補させたのである。しかも、今度はカジノ反対を主張させた。何という節操のなさか。

 すべてにスガ氏の展望の甘さが命取りになった。充分に時間があったにもかかわらず、ワクチン接種が進めば収まるだろうと、楽観的な予測をしていたために、デルタ変異株の脅威を無視してしまった。あれだけ専門家会議がデルタ株の脅威を主張したのに、科学を無視してしまったのだ。

 スガ氏には国を運営するような力はそもそも無かったのだ。ねちねちと人事で人を操ることを、自慢げに語るような人だ。苦労が悪いかたちで身についてしまったのだろう。こういう人が総理大臣にまでなるという所に現代日本の政治の劣化がある。

 前任者のアベ氏はコロナ対策に限界を感じて、仮病のような形で政権を放り投げた。この放り出し方は、お坊ちゃんにありがちなことだ。最長内閣を達成したから、あとは裏に回わって、自民党を支配すれば良いと考えたのだ。

 それを引き継いだスガ氏は就任しての挨拶が、「自助、共助、公助」という地域の自治会長の挨拶でも今時どうかと思うほど、新鮮味のない陳腐なものだった。しかも、あえて自助を強調するという、端から政府の無能を示した。

 コロナ対策ではまさに、自助だけである。自粛しろ、自粛しろ、こう叫ぶだけ。感染したら、自己責任で自宅療養しろ。要するに政府には有効な手立てなど無い。ロックダウンした国でも感染は広がっているのだから、何をやっても同じだという説明しか聞いたことが無い。台湾はベーター株をロックダウンせず克服した。

 さすがに、保守化してきた日本国民も医療崩壊の自宅放置に、もうスガ氏ではダメだと感じているのではないか。これは保守とか革新とかでは無く、もう命に関わる問題だ。安心、安全では無い国になったと言うことだ。病院は沢山あっても、自宅療養しか出来ない国に日本が成った。

 さすがに横浜市長選挙では、内閣を辞めて、市長選挙に出た小此木氏の敗北になったのだろう。小此木氏の得票率は21.6%というから、スガ氏の支持率と似たものだ。そもそもカジノ推進旗振り役のスガ氏が何故、カジノ中止の候補者の支援をするのか。

 当選したら、どうとでも成るという林前市長のやり口の踏襲だろう。さすがにもう誰も騙されない。林氏を変える気になったのはたぶん林氏がどこかで、スガ氏の気に入らない自分の考えを述べたからだろう。逆らえば下ろす人事のスガだ。

 そして特徴的なことは唯一カジノ誘致の林現職市長は13.6%と言う得票率。カジノ反対がどれほど強いことかが分かる。カジノ推進派というのはカジノ利権のおこぼれを貰おうという人だけだ。カジノは大多数のものは関係が無い。その上金目的の社会悪である。

 スガ氏は総理大臣を辞職しないのであれば、解散総選挙で民意を問うべきだ。いまの状況では総理大臣としての統率力は全くない。「希望が見えている」いつまででも甘いことを夢見いる。日本がスガ氏では希望が持てないことが分からないのか。

 確かに直接的な危機はコロナである。しかし、そうしたことを生み出した原因は、政治と官僚の劣化にある。政治は政策論争を失い、官僚は出世主義者がはびこることになった。アベ、スガという日本の政治史上最悪の時代の結果だろう。医療でさえ、拝金主義であり、コロナには対応できない体制だったのだ。

 こうした無能な人が自民党で推される理由は、極右思想を隠し持っているからである。自民党内にある少数ではあるが堅固な軍国主義集団を背景に登場した政権だからである。稲田氏、高市氏、野田氏の3女性総理希望者などもそうした支持を得ようと色目を使い、総理大臣を狙っている。だから発言が時代錯誤で、どうしたのかと思うときがあるが、それが極右へのおべっかサインなのだ。

 自民党は極右勢力と、完全に縁を切り、民主主義国家を目指すべきだ。野党がダメだというのであれば、先ずは議会を正常化させ、議論が盛んに行われる状況を作るべきだ。野党を育てるくらいの自民党で無ければ本当の保守党では無い。

 スガ氏が何も言えない理由もそこにある。そもそも自分の考えがないから、嫌らしい人事で存在感を示してきたのだろうが、さすがに国の運営には倫理が無ければダメだ。自民党だからダメだでは無く、自分の考えが無いからダメなのだ。

 野党共闘で重要なことは有効なコロナ対策を示すことだ。コロナ一点選挙に持ち込むことだ。もしもう一点あるとすれば、カジノ法案廃棄である。野党に任せれば、確かにコロナが収まるだろうと国民が思えるコロナ対策を示すことだ。それが示せないのであれば、野党も本当の意味でダメだ。

 どうせ自民党は野党など反対ばかりで、政策が無い野合だと繰り返すだけだろう。コロナに対して対策がないスガ内閣がそんな野党批判をしても説得力が無い。経済対策がカジノ誘致だけというこの状況にあきれ果てたのが、横浜市長選挙の結果だろう。

 野党は自分たちが政権を取れば、コロナ対策の仕組みを変えて、実行力のある行動を取る。どうやってワクチンを手に入れて、迅速に3回目の接種をするのか。どうやって若者へのワクチン接種を広げるか。医療崩壊は具体的にこうやって解決する。感染症の専門家会議を再編し、その専門家としての助言の位置づけを明確にすることだ。

 コロナ緊急事態に対して、小学生でも良く分かる具体策で示さなければならない。子供達が一番の被害者である。これなら野党に任せた方が良いと心底思える対策案を野党は作り上げて、国民に示す必要がある。まず、感染症の専門家を入れた野党チームを作ることだ。

 野党チームで、これならばコロナ危機を乗り越えられるという対案を作り上げる。台湾に指導を仰ぐことも良いのではないか。いまやコロナが広がることが、経済危機も誘発している。コロナを納めることこそ、経済対策だという視点でコロナ対策を根本から考え直すことだ。

 このままずるずる解散が無いまま、任期切れ選挙になる可能性が高い。時間を稼いでコロナが収まるのを待つだけの態度である。しかし、コロナは11月になっても収まらない可能性が高い。日本の為には、早くスガ氏が辞めた方が良いのか。ネチネチと粘ってくれた方が良いのか難しいところである。

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