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溜め池の作り方

2022-11-19 04:03:13 | 


 新しい溜め池をいくつも作っている。写真の上の溜め池には5日間雨がなくて、これくらいの水が流れてきている。作り始めたときの写真である。この場所には大きな木もあるので、水牛池にしても日陰になるなかなか良い場所になるだろう。

 ここから四番溜め池に上手く水が運べるかが、重要なことになる。標高差は4番田んぼよりいくらか高いように見ている。そうでなければ困る。塩ビ管をつないで4番溜め池に水を入れたいと考えている。

 何故のぼたん農園では、池を沢山作るのかと言えば、理由は4つある。
1,池があれば生き物が豊かになる。農薬を使うために田んぼから生き物が居なくなった。それを代替するために池作りをする。
2,川も用水もない場所で、湧き水だけで天水田を作っている。少しでも水が多ければ栽培が楽になるので、溜め池が多く必要である。
3,水牛の居場所である。水牛には池は必修である。日に当たっていても池があれば大丈夫だ。身体に泥を塗りたくって虫を防ぐ。
4,のぼたん農園が美しい場所であるためには、池が必要である。

 今回作った上の溜め池は、四番溜め池より少し高い位置になる。四番ため池に上手く水が入れば、四番溜め池から四番田んぼに水が引ける。四番田んぼからは五,六,九,十,十一番と水は繋がって行くから、下の方の田んぼの水はかなり安定するだろう。

 一つ田んぼが増えて、のぼたん農園は十二個の田んぼになった。0番から、11番田んぼまでである。新しい水系が加われば増えた田んぼの分も補うことが出来るはずだ。のぼたん農園には溜め池が5個になった。溜め池に水を増やすために上部には木が茂るようにする。

 5つめの水牛池は沢の一番下になる。急斜面の下だったのでかなり、ユンボ作業が怖かったが、何とか水が溜まるようになった。すぐにサクラを連れていってつないだ。サクラが垈場にしてくれればきっと水が溜まるだろう。水があれば、水牛をつないでおける。

 水牛の飲み水を運ぶのは何かと大変なので、水牛池はあちこちに必要なのだ。最後の水牛池がもう一つ。周回道路の脇のアダンのそばに作った。この場所には昔は池があったと言うことだ。次第に埋まってしまったと思われる。確かに土がいつも濡れているところがあったので、掘ったらば少し水がにじみ出てきた。

 日陰の場所なので、池があれば、水牛をつないでおける。水牛はアダンの林の中へ平気ではいると言うが本当だろうか。もし水牛が入れるのであれば、牧柵の位置を変えた方が良いかもしれない。アダンを取り込む形にすれば良い。



 建設中の5番溜め池である。完成した形は三角池である。ここは日陰の池田。水牛は暑い日に日向につないでおくと危険である。溜め池のあるところであれば、日陰が無くても水の中で身体を冷やしている。熱い陽射しの日に水に潜って水牛は気持ちが良いらしい。

 のぼたん農園には水牛池が6個になる。あちこちに池があれば水牛には助かることになるだろう。つないでおく水牛はあちこちに移動させなければならない。紐の届く範囲の草は2日ほどで食べてしまう。水牛池は多いほどよいわけだ。

 池を作りながら思うことは、石垣島の土壌は池を作るためには適していると言うことである。小田原でも池を作ったが、水が溜まらないので、下にビニールシートを貼ることになった。石垣島では穴を掘れば雨の時にある程度は水が溜まる土壌である。

 土の粒子がかなり細かい。粘りはあまりないので、粘土という感じではないのだが、水を濁らすと3日も水が澄んでこない。関東ローム層などよりも堅くて、簡単に崩れると言うことも無い。水を含めばぐちゃぐちゃになり、乾けば日干しレンガのように堅くなる。

 土を掘っていると岩盤のような層が出てくることがある。これが出てくると水漏れもして行くようだ。余り深く掘ると言うより、1m位の深さで広く作る方が良いようだ。深いと岩盤の底を壊して水漏れになる可能性が出てくる。



 ユンボ作業をしていると、すぐにカンムリワシが来る。特別天然記念物の二百羽ぐらいしか居ない鳥である。人を余り怖がることはない。トラックターの神輿の上に止まるくらい慣れている。機械作業をしていれば、大抵はやってくる。来ない日があると、何かあったのかと心配になる。
 
 溜め池は掘る順序が重要である。掘っている場所に入るときにはユンボの出る道を確保して掘り進め、最後に出た後を掘る。堤防になる場所に土もりをする場合はそこには草が混ざらないようにしなければならない。土羽で固めるのだから、あまり高い土盛りはできない。

 さすがに石垣島の土壌でも水はわずかずつ減水していく。そこで水牛を中に入れて、ゴロゴロさせておけば、水は漏らなくなる。水牛は水の中に尿や糞をしたがる。それが溜まって水が漏らなくなる。泥を身体になすりつけたがる。またそうした汚れた水をわざわざ飲む。きれいな水よりも汚い水の方を選んで飲む。

 それは糞や尿に混ざっている微生物をもう一度身体に戻そうとしているように見える。それで反芻をするのだから、十分に草を消化できるのではないだろうか。草だけを食べて、あれだけしっかりした身体が出来るのだ。下痢をするような事はまず無い。

 糞もほとんど匂わない。たぶん牛などよりも消化能力が高いのだろう。草の好みもかなり幅広い。その原因があの自分の糞尿を混ぜた水を飲むためとみられる。人間も学ぶ必要があるのかも知れない。汚いがきれい、きれいが汚い。微生物の有効利用だ。

 溜め池に糞尿をして、それが水田に入ってくる。これが肥料になれば言うことが無い。溜め池を利用した、肥料の上手い循環を考えなければならない。そういう意味では草を食べ尽くさないくらいの頭数を飼うのであれば、土壌が窒素過多になるようなことはない。

 
 
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