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地場・旬・自給

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見学と研修

2009-08-23 06:14:52 | 自然養鶏
笹村農鶏園は火曜日の午後見学を行っている。ほぼ毎週どなたかが見える。鳥インフルエンザが国内で流行して居る時は、見学を休止したが、小田原に移って10年続けてきた。鶏を飼っている人、飼う予定の人が対象である。自給的生活に関心がある人の体験も行っている。興味半分で来てもらっても、時間の無駄になるからお断りする。美味しい卵が欲しいとか言う人もお断りしている。もちろん、卵を購入している人は、自分の養鶏場なので、いつでも来てもらってかまわない。ときどきは外国からの見学者もいる。韓国、フィリピン、タイ。の方が来てくれている。中国には自然養鶏の指導にも行ったが、見には来ていない。自然養鶏には国境がない。自然に則して養鶏を行えば、世界各国同じことになる。見学より踏み込んだ形で、研修というものも、行ってきた。20名ぐらいだろうか。見学にしろ、研修にしろ、実際に養鶏や農業を私と同じにやる、というのが方針である。

今も、研修に見えているが、なかなか大変そうである。いつも思うのだが、体力が落ちている。江戸時代から見ると、四分の1の体力が私である。その私の半分ぐらいが、今の若者の一般的体力のようだ。体力と言っても、スポーツ能力というのとは違った、農業を実践する体力というものがある。以前、オリザ農園でときどき研修生といっしょに食事をした。食べながら寝てしまう研修生が居た。体力の限界に達しているのだ。オリザの窪川さんは体力があるほうではなかった。その窪川さんがあきれるほど、体力がない人が多かった。農的生活ぐうたらそうで良さそうだけど、体力で躓く人が多いいのが現実である。除草剤を使うなという人には、是否夏の田んぼの草取りをやってもらいたい。「草取りを、1週間出来てからものを言え。」とつい、暴言を吐く。自分が出来ない事を、想像力欠乏のまま、人に要求して欲しくない。下手な農業体験などやると、まるで田んぼをやったような気に成って、かえって農業を誤解することになる。

見学でも出来るだけ、いっしょに働いてもらう。出来ないなりに重い桶を持ってもらう。身体が体験しなければ、見たことにはならない。見ると言う事は、実は難しいものなのだ。絵を描いているとそう言う事は良く分かる。同じ景色を描いても、同じものを見ているわけでもない。見る事の深さがまるで違う。水を見て描く。水に触れたことのないものがみる視覚的水では、見ているのはその実像の僅かな側面に過ぎない。水で泳ぎ、水を飲み、水の存在の自分の命とのつながりを実感し、水の宇宙的意味まで理解した時、水が描けるかも知れない。水を映像として写すことで、自足しているものの見方の浅さ。そう言う事は、絵を見るとすぐ分かる事だ。これは、描く人間の深さと言う事で、深く描けるものは、深く見えているという前提がある。見学も、そうした全てにつながる、深く見ると言う事を知ってもらいたい。

見る難しさは、その人の目で見る。と言う事にならなければならないところにある。私の見方を押し付けることは簡単であるが。私の見方は、あくまで私にとって意味があるので、それを押し付けるのでは既に宗教である。その人が、自分のやり方を発想できるようになることが目的のはずだ。正直、農業のカリスマのほとんどはエセ宗教者という雰囲気がある。自分の個別の体験を真理のごとく、断定する。これでは次にやる人が自分でで考えると言う事にならない。こうした所で、研修している若者を見ると、いかにも視野が狭められている。農業体験は知的なものである。あくまで科学に基づいていなければならない。科学性がなければ、苦行のようなものになる。こちらにしても、説明して意味が通らないのは困る。公開し、見学を受け入れてきて、段々に整理されてきたと思う。出来るだけ長く、見学研修は続けてゆくつもりだ。
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発酵飼料2

2009-08-06 04:39:05 | 自然養鶏
発酵飼料のもう一つの柱が、好気性の発酵を利用したものである。堆肥やぼかし肥料を作る手法と似ている。こちらの発酵は米糠や、ふすま、そばぬか、などが主となる。糠類は水分量を60%にすると、必ず微生物が増殖し発熱する。この発熱した糠に、利用可能な食品廃棄物を加える。そして再度発酵させる。発酵飼料全体の体積比率で言えば、好気性発酵飼料が75%を占めるので、たまごの味の決め手となる。美味しい卵を作る場合、発酵の手法、材料がとても重要になる。発酵を利用する事で、材料の生臭さを取り除くことが出来る。良い堆肥の発酵は1間×一間の量が最善といわれてきた。それは、酸素の混入の程度、温度の逃げ具合などから、畑に良い微生物を増やすには、その体積が重要なものであった。そして切り返しが重要である。何度も切り返し、酸素を送り込み、中で発生した、半嫌気性菌と外に移動し、増殖する好気性菌を入れ替えてやる。一般的には、攪拌機を利用して行う。手で作ることも出来ない訳ではないが、毎日これだけの量を攪拌する事は、労力的に大きな負担になる。

良い発酵はその土地にあったもの出なければ、その場所に菌がいつ居てくれない。地の微生物こそ、その土地土地で一番力を発揮してくれるはずである。微生物を購入して使うと、永遠に買い続けなければならない事になる。良い菌は地域にいくらでも居るものだ。林や竹薮の中に、白いハンペンのような菌の塊がある。こういうものが発生しているような、窪みのような土地を見つけて置く事。その場所は静かで、空気が清浄な感じがするはずである。そこの落ち葉ともども、糠類に混ぜて発酵させる。これを繰り返し増殖して、使ってゆくことが大切である。調子が落ちたならば、又最初から同じように、林から落ち葉と白い菌の塊を持ち込み再出発する。

私の実際の作り方。
米糠150キロ、に対し、くず米、くず粉麦、クズ大豆、クズ蕎麦の実。の穀類を50キロ程度加える。牡蠣ガラ7キロ。海草、杏炭、などを加える。500リットル以上の攪拌機に入れて、水分量が50%程度になるように調整する。攪拌機がなければ手で行う事は出来る。発熱さえすれば、水分量は少ないほど良い発酵になる。冬場は覆いをする、湯たんぽを使うなど工夫をする。水分は良い水がいい。良い水とは、岩清水のような水である。ここに海水20リットルを加える。発熱は60度を越える事を目標にするが、糠だけではそこまで上がらないのが普通である。熱は量と相関関係があり、量が多くなれば内部では、かなり上がる。発熱は上手く行けば24時間後には起きている。糠が古い、あるいは農薬を大量に使っている場合。あるいは水に塩素が大量に入っているなど、発酵には良くない場合、発熱が遅れる。発熱した飼料に、魚のアラ、鰹節のダシカス。など動物性たんぱく質を加える。温度はさらに上がり、60度を超える。この段階で60度を超えないのは良くない。蛋白分をおからで加えることも出来るが、あまりいいものは出来ない。温度を確認しながら、良く攪拌する。一度全体が60度を超えたら、後は徐々に40度程度に下げてゆく。鶏の体温にあわせて進める。

4日目辺りが一番いい状態になる。その後は40度を保ちながら、1週間で使えばいい。温度を上げすぎると、飼料としては消耗してしまい、栄養価が下がってしまう。良い状態かどうかは、臭いを記憶して、常に確認をする習慣が必要。そして鶏に与えて、一週間後の産卵率、たまごの状態を見る事。飼料は即座にたまごに影響をする。1週間餌として使い、最後に1割程度を残す。残したものを次の飼料の仕込みの種菌とする。今度はすぐ発熱するので、鰹節ダシカスなどは最初から入れていい。新鮮な魚のアラは最高の素材である。いい卵になる。しかし、養殖魚や、内臓は避けた方が無難である。抗生物質が残留している可能性がある。発酵は魚の生臭さを取り除いてくれる。濃厚な味わいと、白味まで美味しい卵を作る事が出来るが、発酵を失敗すると、魚の生臭い卵になる。製材鋸くずを入れる人がいるが、これは混入の質の悪い油が要注意である。
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発酵飼料

2009-08-05 05:16:02 | 自然養鶏
発酵飼料はとても可能性がある、飼料である。試行錯誤を続けながら、作っている。大きく分けて、「嫌気性の発酵である、サイレージ。」「好気性の発酵であるぼかし肥料」の様な方法の二つがある。鶏において、この二つの組み合わせたのは、私が最初ではないかとおもう。
サイレージは牛では一般に行われている発酵技術である。牧草を青刈りして、サイロにつめて、冬の間の飼料に使う。牧場を特徴付けるおなじみの景観である。今ではロールベール(ラップ)サイロが使われることが多い。サイレージでは、サイロなどに詰められた牧草は、嫌気性菌による発酵がおこり、乳酸や酢酸などの有機酸の成分比率を増やし、pHが低くなる。漬物と同じで、牧草の腐敗の原因となるカビや好気性菌類の活動を抑え長期保存が可能になる。こうした発酵過程を成功させるために、水分量の調整や微生物のエサになる糖蜜や、独自の乳酸菌を加えるなど、添加物を投入する。私は、食品廃棄物のなかから、サイレージできるものを見つけては、利用してきた。現在は、オカラが中心である。

サイレージは水分量を70%を目安にしてつくる。堆肥を作るときよりは湿っていていい。昔の手絞りのオカラで、80%の水分量であった。最近の機械で絞るオカラは、この70%前後の水分量になっている。食品廃棄物で使えるものは、「ジュースの搾りかす」は、大抵のものがとてもいいサイレージが出来る。糖分があるので、水分調整だけすればいい。青汁のしぼりかすはとてもいい。お茶がらも使える。含有水分が多い食品廃棄物が普通であるので、米糠やふすまや蕎麦糠などで水分調整をする。糠には微生物が大量にいるので、微生物資材もかねている。微生物資材として、様々な嫌気性の微生物が売られているが、改めて微生物を加える必要は特にない。サイレージを成功した容器を洗わず、使い続ければ、そのところにある乳酸菌を取り入れたことになり、どこにでも充分な乳酸菌は存在する。

作り方は難しいものではない。酸素を入れなければいいのだが、一端開封すると、酸素と接触する所から、劣化を始めるので、利用法にあった容器が必要である。ステンレスのドラム缶が利用しやすい容器である。蓋の部分はバンドで完全密封できるドラム缶がある。上部から、毎日10センチ以上利用して行けば、腐敗する事はない。ドラム缶への詰め方は、できる限り酸素を抜く事である。材料は先ず水分調整をする。オカラなら、僅かに米糠を混ぜ、糖蜜を加える。ミカンのジュースかすなら、米糠を同量程度混ぜる。お茶がらなら、同量の米ぬかと糖蜜を加える。その材料をしっかりと踏みつけながら、ドラム缶一杯につめる。最上部にはもう一度米糠で覆っておく。蓋は上に乗って、重さをかけながら、きっちりと密閉する。酸素を入れないことが良いサイレージを作る、一番大事な要素である。出来上がりは香りで確認する。乳酸菌の種類で香りは異なる。与えてよく食べること。1週間後のたまごの様子で品質が確認できる。

サイレージ飼料の役割は、鶏の体調管理である。鶏は沢山の汚れた食べ物を食べる。水などもすんだものより、濁り水が好きなものだ。当然、体に悪い病原菌も食べてしまう。その為に、地面と接触した飼い方では一般に病気にかかる。それでケージによる飼い方できたのである。しかし、発酵飼料でも乳酸発酵飼料を毎日食べさせると、身体の中が、乳酸菌で充満することになる。そのために、鶏に害となる、サルモネラ菌や、コクシジューム菌が身体の中で、増殖する事が出来ない。病気になりにくい体質に変わる。上手く発酵飼料を食べさせると、糞自体の臭いが、減少する。下痢をする事がなくなる。暑い夏でも下痢をする鶏が居なくなる。多くの鶏が下痢気味なものである。下痢が減るから、飼料効率もよくなる。たまごも生命力が増して、長く孵化でき、孵化率も高いものになる。
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「養鶏危機突破緊急全国大会」

2009-07-17 05:31:23 | 自然養鶏
「日本鶏卵生産者協会」が去年2月に臨時で開いた「養鶏危機突破緊急全国大会」の開催中止の圧力を、農水省が行った事を認めた。協会側は、自民、民主、両党の議員を招いていたが、事前に自民党側から「民主党議員しか招いていないのではないか」との声が出たことを受け、農水省生産局畜産部の担当課長らが、協会の幹部を省内に呼んで大会の中止を求めた。この時、課長らは自民党議員が怒っているとして、「一般論として、生産者への補助などの予算がつかなくなる可能性もある」などと話したという。

さもありなんの、仰天ニュースが出てきた。卵の事だからこれは他人事ではない。農水省の食肉鶏卵課には何度か行った事がある。トリインフルエンザに関してと、有機畜産についての質問に出かけた。農水の担当部署などと言うと、敷居が高い訳だが、養鶏をやっている以上、一度は顔を見て、直接話を聞きいておきたいと考えての事だ。充分の対応をしてくれたので悪い印象はなかった。今回の事件は内容が興味深い。民主党の筒井信隆氏が昨年の2月の話を、今になって持ち出した。しかも、農水がこの事実を認めている。ここに来ての自民党の凋落が哀れなようだ。自民党と官僚の関係がこれほどはっきりと出た事件も珍しい。官僚の天下り禁止が何故出来ないのかは、持ちつ持たれつだからということ。「養鶏危機突破緊急全国大会」すごい大会を開いたものだ。飼料価格の高騰が起こり、やってられないという焦りからだろう。

「自民党が怒っている。大会を中止しなければ卵価安定基金への助成金を切る」などと協会幹部に迫ったという。同基金は生産者の拠出と国の助成金で積み立てられ、卵の価格が基準価格を下回ると差額分の9割を生産者に補てんする仕組み。農業分野の補助金体質が、まざまざ情けない。当然だが、私の養鶏とは何の関係もない。補助金という物はかくも、人間をダメにする。補助金がなければ成立しない農業分野。卵を国民に安定して供給する義務がある。こう言う事を農水の担当者に言われた事があるが、そんな義務がどこかにあるのだろうか。卵が、今で言えば1個300円ぐらいだった時代もある。それはそれで受け入れれば良いだけだろう。問題は、安い卵が輸入されて、それが安定した食糧の供給とか理由がつけられ、国内の業者を潰してしまう事にある。そのために、日本の卵はありえない水準の低価格で生産されている。それが養鶏業を何でもありの世界にしてしまっている。

食糧は他の生産物と違う。WHOもそのことに気付く必要がある。食糧とか、水とか言う資源を、輸出入の対象にしてはならない。人間が生きる最低限のものは、本来そこで生きる事の可能な、人間の数と連動させるべきだ。「ヨーロッパの水を購入すると、アフリカに水が援助される。」こう言うコマーシャルがある。いかにも人道的なことのように流されるが、とんでもない話である。日本人は日本の水で充分である。延々と水を運び、何と馬鹿な事をしているのか。水は出来る限り暮らしている所のものを飲む。よほど悪い水でない限り、それが一番である。私は養鶏場の井戸水を運んで飲んでいる。10年この水で生きているが、大丈夫である。なかなか美味しい水だ。もし使いたい人がいたら、久野の人なら、お分けする。話はそれたが、卵も同じ。出来る限り近場が良い。身土不二とはそう言う事だろう。民主党議員を呼んだのは、時代の流れの先を見据えた養鶏協会の方策。農水事務次官は民主党の農業政策を、否定している。これも言わされたと言う事か。深い深い、癒着関係。しかし、それもそろそろ見切り時と言う事のようだ。

昨日の自給作業:麦の始末、草刈1時間 累計時間:16時間
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アマランサスの播種

2009-05-22 04:44:26 | 自然養鶏
夏場の青草に一番役立つのが、アマランサス。ヒユ菜。本当はひゆ菜の名前が好きなのだが。最近は健康食の一つとして、アマランサスの方が名の通りが良い。インカの主用食物であった。ジャガイモ、トオモロコシとアマランサス。ひゆ菜の方は江戸時代から栽培されていたようだ。多分日本では江戸時代に野生化したひゆ菜が存在すると思われる。背丈が2メートルまで伸びて、先に白い穂をつける。山北の家には蒔いたのでもないのに、自然に増えていた。小田原でも養鶏場にはいくらかは生えて来る。人間も食べられることは確かだが、別に美味しいというほどのものではない。夏場、葉物が乏しくなった時には重宝なものだ。夏元気なエンサイと同様に扱える。エンサイは水が好きなので、ひゆ菜の方が乾いた土地には適している。モロヘイヤというのも夏に強いので、人気がある。残念ながら味的に合わない。

アマランサスとひゆ菜はかなり違う。ハゲイトウも同類らしいので、大きく言えば似ているが、実の付け方が違う。アマランサスも大きくなって、大きな房状の実をつける。熟した種子を食用にするのが、アマランサスである。当然育種されて、身の量の多いい、品種が作られている。鶏の餌に使うのは葉っぱのほうである。小鳥のえさなら、アマランサスは悪くないと思うが、鶏に食べさせるほど作るのは容易ではない。エンサイモロヘイヤもそうなのだが、夏場に葉が虫に食べられない。夏場に繁茂する雑草は、虫が好まない何かが葉にあって、苦くて食べられるものは少ない。小松菜だって、例え虫が食べないように殺虫剤をまきながら、育てたとしても、人間が食べすぎるとよくないような成分を葉に溜め込む。春先なら、どんな草でも食べられるのに、植物も自然界に対応している。それが外来の植物の中には日本の虫をうまく避けてくれる葉ものがあるのではないか。

人が食べられるような草を鶏だって好きだ。当然野菜とよばれる様な物なら、飛びついて食べてくれる。春の草なら、葛などでも盛んに食べるが、夏の葛は喜んでは食べない。そこで夏はアマランサスを栽培して、与える。7月までは何かと、草はある。特にカラムシという草はとても好きだ。どこにでもある雑草だから、これをしばらく集めて与える。豚も好きだというが、人が食べられるものではない。これは少し不思議に思う。カラムシ織というのがあるそうで、茎の繊維は長くて強い。いずれ近隣のカラムシは採り尽すので、その次が栽培のアマランサスである。栽培と言っても、ただあたりに撒き散らすだけなのだが。草の中に蒔くのがコツである。カラシナが実が付いて終わりになった、今頃翌日は雨だというタイミングで、蒔いて歩く。種はじか採取すれば簡単に済む。1反で2キロもあれば良いだろう。

鶏のおこぼれを人間が戴く。バイアムというのが、葉物としてのひゆ菜の名前で、みんな似てはいるが、少しづつ違うようだ。人が食べやすいように、野菜に育種したのが、バイアムであろう。バイアムはそう大きくなるものでない。鶏にやるにはアマランサスの方が、葉が沢山あって良い。下葉からむしりとって与えれば、相当の量採れる。1反に蒔けばほとんどとり放題という感じになる。しかしこれが上手く出揃うかどうかは、毎年気掛かりなことだ。少し手をかけて、種が埋まる程度にしてやれば発芽が良くなるのだろうが、そこまで手をかける事が出来ない。こまめにそう言う事が出来ない。それで、一か八か、昨日蒔いて歩いた。今晩は雨の予定だった。しかし振りそうもないので、無駄になったかもしれない。倒れたカラシナの下は湿っていたので、何とかなることを期待する。
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玄米卵の募集

2009-05-05 05:18:59 | 自然養鶏
笹村農鶏園は規模を縮小しましたが、一定の安定をしてきました。6軒限定で新規宅配先を募集いたします。6個330円か、10個550円です。火曜日の農の会宅配と、金曜日の久野周辺の方に限定させて頂きます。玄米卵の特徴は、地域循環です。地域の飼料を利用し、地域の方に食べていただきたいと考えています。

規模を縮小し、主に一人で行う養鶏を続けている。卵詰めは頼んでいる。ひよこの世話は半分頼んでいる。居ない時の世話も頼んでいる。一人では無理だと言う気持ちがあったが、結局気持ちの問題が多分にある。楽しんで続けられる間は、やってみようと思っている。最近、農の会の宅配も独立して単独で始める人が相次いでいる。玄米卵を配ることが出来なくなった宅配先もある。そこで、金曜日は自分で久野周辺で自分で届けることにした。周辺と言っても、コースがあり、小田原駅の方面には行っている。このあたりで、希望の方がありましたら、是非この機会に注文よろしくお願い致します。火曜日は農の会の集荷場から、農の会の宅配の皆さんに運んでもらっている。宅配の関係の方で、新たな希望の方がいましたら、火曜でありましたらお届けすることが出来ます。今回のこちらの勝手な都合で、宅配をやめざる得ない方もありましたことは、申し訳ありませんでした。

引き際というのは、なかなか難しい。結局は仲間に迷惑をかける事になっている。食べ物を買ってもらうと言う事は、自給をすると言う事と全く違う。全ての責任を持たなければ成らない。出来ないことだと思いながら、ドキドキしながら続けてきた。それは絵を描いているものが、絵を売らないでも良いと思うことと似ている。売らなければならないと言う事は、まな板の鯉で、それは大変なことだ。たいていの人はそのことで潰れてしまう。売れる絵を描いてしまう。卵で言えば、美味しい卵を作る事に似ている。おいしいを追及すれば、人気が出る。美味しいは大体は判る。簡単に言えば、濃度を濃くすればいい。油の味である。新鮮な魚のアラを、上手く好気発酵させて使うと、大抵の人が美味しいという卵に成る。しかし、これではまだ、いい卵とは言えない。いい卵とは、生命力の強い卵だ。7週間保管しても孵化できる卵だ。いい絵が売れているわけでもないことと同じだ。

生命力が強い卵は、むしろ草食にさせなければならない。新鮮な草を沢山食べさせなければならない。出来れば100グラム食べさせたい。これは食べるように育てなければ食べてくれない。結構難しい技術となる。例えば、鶏を外に放せば生えている笹の葉だって普通に食べつくす。中に笹を放り込んでもなかなか食べやしない。第一、1000羽飼えば、毎日100キロの草を与えることになる。相当に困難なことになる。まして、工場養鶏では不可能である。草を与えると病気に成るといって、全く与えないのが普通である。頑張って草を大量に与えたからと言って、おいしくなる訳ではない。グルメに喜ばれる卵にはならない。しかし、この味こそ、卵本来の味であると考えてやってきた。

もう一つの重要な要素は二つの発酵の組み合わせにある。好気発酵と嫌気発酵で飼料を作る。これで鶏の体の中を微生物で充満させる。微生物のお陰で病気にならない。一切の薬剤を使用しないでも、鶏を飼う事が出来る。今日もお二人の新しく始められる方が見学に見える。少しでもお役に立てるといい。本当は見学だけでなく、しばらく泊り込ん研修してもらう必要がある。それも受け入れる体制を作りたい。大規模の畜産は、止めるべきことだ。その代替方法を示したいと考えて、やってきた養鶏である。しかし、残念なことに、そうした主張はむしろ遠のいている。安く、安くが今の世の中の流れである。食べ物は安ければどこかに矛盾がある。その矛盾は必ず食べる者に帰ってくる。玄米卵1個55円が高いだろうか。

昨日の自給作業:苗の植え穴準備1時間、キュウリネット1時間 累計時間:8時間
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鳥インフルエンザ3例目確認

2009-03-10 04:52:18 | 自然養鶏
豊橋のうずらの事例では、情報が少し混乱している。はっきり判るのはウイルスの確認は、今回の発見で3例目に成ると言う事だ。2例は既にうずらの淘汰は終わっている。最初に発見された養鶏場から、出荷された雛からの発見と言うから、可能性の高い感染の広がりで、今後の広がりにつながるような事例ではない。この他に3例の養鶏場で抗体の発見があったと言う情報の方はどうなっただろう。その後この情報の確認はできない。抗体があったと言う事と、ウイルスが見つかったと言う事とはだいぶ違う。もしかすると、簡易キットのようなものでの確認で、間違えたと言う事か。あるいは、抗体の発見では淘汰という訳には行かないが、風評被害の方を恐れて、情報を押さえているのかも知れない。いずれハッキリしているのは、発見された三つのうずら養鶏場では、日常と状態は変化がないという事だ。何10万羽と成れば、毎日死ぬ鶏はいくらかは居る筈だ。その数に変化がなかったと言う事だ。

変化がないのだから、血液検査をしなければ気がつかなかったことだ。いまに全ての養鶏農家の鶏を血液検査すると言う事になり兼ねない。状態の報告が義務付けられているが、強毒で無い場合意味がない訳だ。問題は、弱毒ウイルスの感染そのものではなく、ウイルスの突然変異の方にある。強毒化する可能性である。何故強毒化するのか。この原因はまだ明確には解明されてはいない。免疫と言う事は、実に不思議な自然界の仕組みで、そう簡単に理解できないぐらい複雑である。今研究が進み始めている最先端の学問分野である。私などに理解できないのは当然であるが、自然界をよくよく見てみれば、その大枠は違わないはずだ。つまり太古から生き物がどう生存してきたかの姿だ。もし自然界で強毒化する仕組みが存在すれば、その種の生き物は絶滅したはずだ。その繰り返しの中で、生き残ると言う事はそのウイルスと折り合いがついた種が生き残ったと言う事だろう。自然界に今存在すると言う、弱毒のトリインフルエンザウイルスは、その結果なのだろう。

鳥が一箇所に大量に存在する。水鳥が餌場に大量に集まる姿はそんな状態である。いずれ人間が自然界を撹乱していることで、その種を絶滅に追い込むような、ウイルスは強毒の変異を起こす。このように推測することはできる。7回の感染の連鎖で、強毒化したという研究結果が出ているが、これはその状態を現していないか。弱毒のウイルスが、徐々に毒性を高める。自然界であれば、7回の感染を繰り返す前に、その機会自体が無くなる。鳥の群れそのものが死滅することもあるだろう。又そうしたリスクのある巨大な群れの種は存在が出来ない仕組み。鳥インフルエンザの強毒化のリスクのある鳥の種は死滅したはずだ。今人間が起こしていることは、自然界では在り得ないことをしている。そのことを原因として、強毒化が起きている。そう考えれば、一番の問題点は100万羽とかの鳥類を一箇所に飼う事と考えていいだろう。

餌に加えている合成化学物質も影響があるかも知れない。消毒そのものが影響する可能性もある。自然の姿から、あまりに隔絶した方法は、どこかでリスクを高めてゆく。問題は人間への感染をする変異の原因。これも実は良く判っていない。良く判らないが、茨城の事例では、かかわった職員に抗体ができていた。しかも、直接養鶏場に行かなかった職員まで抗体が発見された。これは、再調査でも同じ結果がでている。理由は全く不明。この事例も弱毒だった。強毒のウイルスが、人間に感染するメカニズムもまだわからない。非常に少ない感染しか起きていない。人間の側にタイプが存在する可能性もある。若年層への感染が圧倒的に多い。パンデミックが怖いからと言って、思考停止のパニックは一番良くない。冷静にインドネシアの状態を分析する必要がある。1万羽以上の一箇所での養鶏を禁止する。これだけでもだいぶリスクが減少するはずだ。
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ひよこがやってきた。

2009-03-07 05:05:30 | 自然養鶏
3月3日雛祭りに53羽のひよこが到着した。雛祭りとは縁起が良い。そういう訳でもないが、雌のひよこばかりだ。久方ぶりに雛を購入した。松本にある、小松種鶏場という雛の生産会社から送られてきた。50羽お願いして、3羽がおまけ。50羽が送れる最小単位。品種は「岡崎おうはん」プリマスロックとロードアイランドレッドの交配種。つまりネラと同じか。現代農業の品種紹介の記事で興味を持った。今年自分で孵化することは、辞めにした。一年辞めても、来年笹鶏を孵せば、種の保存は問題がないので、一年孵化を休むことにした。あれこれの事が集中しているので、無理をするのを止めにした。雛の孵化は集中して行わないと、命を扱うことだから許されない。雛を孵化して育てると言う事だけなら、雛を購入するのと、それほどは違いがないが、雄鶏が半分生まれる。これを育てて肉にすることまで考えると、ちょっと今年は手が出せないと思った。今年に入ってから、基本養鶏は1人で行っている。1人で行う限界のようなものがあるから、それを見定めてと言う事もある。

ひよこはいつでもかわいい。黒い色のひよこで、頭に白いベレー帽をかぶったような姿だ。これを見るとネラと同系の交配種だと言う事がよく判る。鶏の品種という物は混ぜこぜが普通で、一代交配ならなおさらの事、姿の乱れは当然。到着した時にすでに初生雛の割には大きかった。笹鶏の大きさに慣れているからかもしれない。握った感じもがっしりしている。とてもいい雛だ。目の色は独特の茶色がかった透明のグレー。特徴がある。えさ食いも始めから良い。最初は黄味だけを与える。良く最初は固いもの、玄米だけと書いてあるものもあるが、私は黄味から始めて、徐々に親と同じえさに移行する。それが私には一番育てやすい。親と同じえさを与えると、結構粒餌から食べる。こう言う所が面白い。だから成鶏の餌に小米を混ぜることになる。緑餌も1週間目からは与える。生れてすぐはやらない。下痢をさせるのは恐い。お尻に糞が固まり死んでしまうことがある。そういう時はぬるま湯でゆっくり溶かしてやる。

床の発酵の準備は1ヶ月前から、3回発酵させて置いた。床が発酵していないといけない。病気が出る。ヒヨコ電球で補助的に温度を加える。床の発酵熱だけで育てるのが一番よいが、管理的に安定しない。温度は別にしても、床が発酵していれば、ひよこは丈夫に育つ。踏み込み温床で育てる苗と同じことである。何故かは分析できないが、この育て方が、一番健康的な鶏が育つ。免疫力が向上すると考えている。餌の方は栄養価が低いためか、いつもヒヨコの試験データーより初卵が遅れる。遅れてもかまわないと思っている。あまり促成に育てるより、健康な鶏になって長く産んでくれる気がする。岡崎おうはんの産卵率でーたーは、いかにも高すぎる。こんなに産む訳がない。63週目で80%を超えた産卵。この辺りは小松種鶏場でも、ちょっと信じられないと正直に言われていた。ネラでよく言われるのが、卵が美味しい。これは黄味の大きさが大きいからというのが理由。以前飼った経験では、笹鶏と較べては、そうした変化はなかった。到着、3日目だが、先ず一番大変な第一段階は超えた。

今年は、鳥インフルエンザの最中の育雛になる。3軒目の抗体の見つかったうずら養鶏場では、ウイルスは見つからない。要するに、最初の2軒もしばらくすれば、何の影響もなく、抗体だけ残し収束したのだ。つまりこれはワクチンをして抗体ができたの以上に素晴しい、自然抗体ができたと言う事。これが何故いけないというのだろう。つまり、感染の連鎖のリスクだ。32万羽では7回の感染の連鎖のリスクがある。その感染の繰り返しの間に、強毒化する可能性がある。だから、鶏を何10万羽もまとめて飼う事はいけないことなのだ。これが私の養鶏場であれば、1回の感染で終わりだ。こうして生き物は生きてきたのだ。人間を考えてみれば、良く判る。どれほどインフルエンザを防御した所で、ワクチンを摂取した所で、感染する可能性はある。インフルエンザを完全に防ごうという発想が間違っている。ヒヨコは1週間が経過し、親の免疫を失い、自らの免疫を徐々に確保する。この際、一切外界と接触させない状態では、健康な鶏にはならない。自然の姿を普通に考えれば分かることだ。
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養鶏の変更

2009-02-10 05:20:54 | 自然養鶏
今年から隠居だ。なかなかやることがある。隠居仕事は自分で完結しないとならない。去年までは養鶏は家業だったので、夫婦でやっていた。ほぼ半々にやろうと言う事で、曜日を決めて一日置きとか、2人で行く日とかでやってきた。それも去年までのこと。今年からは、全てを1人でやることにした。鶏を飼うのはその範囲の事にしたいと考えている。私は絵を描く事を充分にやりたい。それぞれにやりたいことはあるだろうが、生計を自分の力で、立ち上げてから、やりたいことをやる。そうしなければ絵は描けない。始めからそう考えてきた。描いた絵を売って生計を立てる。というのもあるのだろうが。これが出来なかった。出来なかった理由はある。それは改めて書く。それはここでは別にして、絵を描くと言う事は、自分の足で立っていないと、出来ないことだと思う。絵が芸術であるなら、そう言う事になる。

1人で全部をやると言うのは、現状ではなかなか大変である。方針としての日常作業は11時ころ養鶏場に行く。餌を作る。卵をとる。掃除をする。草を取る。ほぼ一時間の仕事になる。12時に、鶏を外に出して、一度家にかえる。夕方5時頃、もう一度養鶏場に行き、餌を与えて鶏を小屋に入れる。このときは散歩を兼ねて、犬を連れてゆく。週に1日火曜は一日中養鶏の日にする。餌集めや、卵の配達。前日に卵の準備。金曜日は近場の人への卵の配達。週で言うと、19時間ぐらいの仕事になる。つまり一日2時間30分、養鶏にかかると言う事になる。食糧自給の方に1時間。一日8時間働けるなら、あと4時間は絵を描いていられる。正月から1ヶ月少し、こんな暮らしに変えた。少々大変になるかと思いきや、さしたることはない。「水彩人展」の間は、だいぶ手伝ってもらったが、後は何とかやってきた。やれそうだ。4月には水彩連盟展があるから、又手伝ってもらわなければ成らない。そういう意味では完全ではないが。何とか納まりそうである。

1人でやると言うのは、当たり前の事だった。にもかかわらず、鶏を飼い始めて始めての事だ。つまり、子供の頃は兄と2人でやっていた。いつもケンカしながらやっていた。山北で始めた頃は、母が結構手伝ってくれた。隠居になって、一人で初めてやるというのも、これはこれでいいものである。全てを自分流で徹底できる。今になっても新鮮な発見がある。鶏と言うのは、おもしろいものだ。そこで急に、元気が出て、プリマスロックを導入することにした。しばらく雛の購入はしていなかったが、今年は家で雛を孵化せず、松本の小松種鶏場に雛の注文をした。現代農業に良さそうな記事がでていた。そんな上手い話があるまいと思うのだが、ともかく飼ってみて、比較してみたくなった。以前から、色の違う鶏を3年周期で入れると言う考えは持っている。そうすれば、あの年寄りの白い鶏は6年目だ。4年目の鶏は随分数が減ったとか。一目でわかる。

自分で孵化しながら、色変わりに挑戦したが、これは実現不可能だった。それでも購入の雛を3年に1度入れれば、家の白。赤。プリマス。こう言う形になる。内心ではこれも難しいとは思っているが、やってみる。実は今まで導入した鶏は、笹鶏のようには飼えない。雛の成長が悪い。思うような性格でない。飼いづらいのだ。当然の事で、笹鶏は20年も交配を重ねて、自分やこの土地に適合する鶏にしてきた。家で孵化を繰り返せば、丈夫な鶏しか孵化しないのだから、系統そのものが強健なものにもなる。卵の産卵率は減少する。減少してもその分、羽数を増やせばいい、と言う事でやってきた。今年は笹鶏の孵化をしない。一年空けても、種の保存は問題ない。雛は3月3日に到着予定だ。1羽250円50羽だ。雛の床は発酵床にする。もう1度目の発酵の積み直しをした。いい床にしてあげれば、いい雛が育つ。
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インフルエンザ

2009-01-24 05:55:58 | 自然養鶏
インフルエンザというと、鶏の方と人の方の二つある。両方で気になる情報が出ている。鶏の方は幸いなことで、韓国でも、もちろん日本でも発生がこの冬はまだない。中国では山西省、湖南省で今年始めに3人の感染が確認されている。これで中国の感染確認は34人目で、死亡者が22人と言う事である。現在ネパールで鶏の集団感染が起きている。しかし中国では鶏の感染は発表されていない。にもかかわらず、1月6日7日と人感染が起きている。どこから来たのか気に成る所である。鳥インフルエンザについて、今後どんな展開があるかは先進事例がある。インドネシアや中国である。中国ではここ1年なぜか鶏の集団感染がないままに、人の感染が起きている。もちろん正確な所など誰にもわからないが、世界では騒ぎになっていら6年間397例が確認されている。徐々に減少してきている。しかし中国の問題は気になる。

それは鶏の発生がないにもかかわらず、人の感染が起きている背景は何か。中国では鶏に対するインフルエンザワクチンがある。一年ほど前にカラスへの感染が香港であった。その後も鶏への感染は報告がない。ワクチンを使い始めると、どうなるかも中国について、正確な追跡調査の必要がある。そうした環境下で人の感染が続いて見つかて居る理由は。何が起きているのか。ワクチン由来と言う事は無いか。可能性もないか。もし、これがワクチン由来であると、大変複雑な厄介なことになる。自然というものには、厄介な病気でも吸収してしまう力がある。ウイルスの突然変異と言う事は、繰り返し起きてきたことで、生命の発生以来何百万回も起きていることであろう。それを自然が様々な、例えばその感染する宿主とも言える種類の生命が絶滅するなどという形で、収束を繰り返してきた。

もう一つの気に成ることは人のインフルエンザウイルスの変化での、タミフル耐性インフルエンザウイルスの登場である。これはたまたまの事でなく、必然の事と考えた方がいい。突然変異と言う事で、変異の理由はあらゆる所にあるだろうが、ウイルスというものは結構変異をするものらしい。わずかづつ変化をしているので、どこから感染が始まりどこに到ったか、などという追跡も後からできるらしい。この変異をしやすいという正確からすると、変異して、タミフルに耐性のものが、増える。こう言う事が一番推測できる。所が即座に「タミフルに由来する、変異ではない。」と言う事だけが根拠なく発表された。何かではないと確定するのは、変異の原因を探ることと同じくらい難しい。変異というものがなぜ起こるのか。このことがまだ解明されていない。

以前からタミフルはさしたる効果はない。効果があるとしても感染から、2日以内に服用した時とされている。10代の患者には基本的に使わないことになっている。現在、政府はこのタミフルを備蓄している。これに対する批判も強いこともあり、タミフルの耐性ウイルスの登場には神経質なのだろう。鳥インフルエンザが日と人感染に繋がるかどうかは、まったく不明である。今自然が吸収できるか。ウイルスがさらに変異して人感染に繋がるか。勝負が続いているのだろう。少なくともWHOが予測した、感染拡大の経路には進んでいない。まったくの予防措置すら取らない、インドネシアでも感染例は急速に減少していた。この理由も難しいのだが、タミフルを備蓄させようという、強い力が働いていることは確かだ。
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鶏飼い小言

2008-12-31 05:35:55 | 自然養鶏
鶏は元気はつらつで、眠そうな鶏はいない。寒さにもめげず、やっと卵を増やしてきた。自然そのままに飼っていれば、冬至を過ぎて1週間、毎年おなじように卵の数を戻してくる。暮れから正月と宅配が休みなので、卵を持ってお世話になった人にお礼に伺う。
やれやれ、昔の数え方ならば、年が明けて、いよいよ還暦の60歳。隠居として、あれこれやかましく小言を語らなくてはならない。孔子によれば子曰、吾十有五而志乎學、三十而立、四十而不惑、五十而知天命、六十而耳順、七十而從心所欲、不踰矩。60歳に成ると耳にしたがうとある。私のような無学のものにはとても無理なことである。孔子様が言うことは大体逆でも成り立つ。どうも論語と言うのは中国人の性格に困り果てた結果できたような、逆も真なりの不思議なものだ。歳をとればたいていは、頑固になり聞く耳を持たなく成るというのが普通だ。だからあえて、耳順ということだろう。15で学に志せれば良かったのになぁーと、70過ぎてからの発言は残念感覚が響く。

「稲作小言」と言う、ざれ唄のようなものがある。明治二十年、船津伝次平と言う人が作ったものらしい。まったく今の現状を予測したような文章で、古くて新しい。今年最後に写させてもらう。船津氏は駒場農学校に奉職し、日本と西洋の農業技術を比較研究していたらしい。所が案の定、政府は西洋式の大型農業を提唱する。しかし船津氏はそれは日本の気候風土に適合しない農業であると主張する。職を辞して、自分の研究する自然に従う小農主義を主張することになる。それが稲作小言に集約された思想。いつの時代も小泉元総理のように、一見筋が通ったように聞こえる自説が声高々の農業改革。現場を見ていない。いよいよ持って、日本農業の成立基盤を崩壊させるような人がいる。大きければ合理性がある、大量生産ならコスト削減になる。そうとは限らないのが日本農業の複雑な現場だ。大きくすれば、生産コストが下がるような農地は少ない。

今年の稲作の作況指数は102だそうだ。この生産量は過去2番目だそうだ。減反政策を2年前政府主導は止めたが、又今年になって復活した。JAと政府のすりあわせがおかしい。そもそも減反は一時しのぎの政策のはずだった。米を援助物資にしたらどうだろうか。日本は自動車を売るための道路建設に援助したりする。日本の工場を作るためのインフラ整備にダムを作る。その工事を日本の企業が受け持つ。これを米に転換する。世界には食べる物にも困る人達が何億人も居る。日本の援助は全て、米にする。この先の世界の食糧事情を考えれば、アメリカでも文句が言えなくなるはずだ。日本円は米本位制に変えたらいいぐらいだ。江戸時代のように、公務員の賃金は米にする。大体に食糧価格が安すぎる。農家が買ったほうが安いというくらいお米の価格は変だ。

稲作小言は世界を肉食から、米食にするよう進めている。さすが先見の明がある。米ほど環境に負荷の少ない作物はない。アメリカがパン食を援助にかこつけて、日本の子供を洗脳したように、米食の世界普及に頑張る必要がある。日本人が米作りから学んだ、村社会の暮し方の知恵で、穏かな協働の暮らしを再生する必要がある。いよいよ小農の出番が来る。経済格差はこれから、恐いほど極端なことになるだろう。世の中益々不穏が予想される。ありえないような悲惨が起こりそうだ。何とかそうならないためにも、肉食を止めて、お米を食べましょう。この歌「稲作小言」が出来た明治22年。日本の人口は3800万人。新潟県が1位で166万人。人口は3,5倍、農業生産性は3倍にはなっていない。苦しい所である。

「稲作小言」
ヤレヤレ皆様   しばらくお耳を拝借しますよ
 私と申すは ずうっと昔の その また昔の神代の時代に 
豊葦原より現れ出ましてそれより日本に広まりましたる お米であります

 飯にはもちろん 酒でも寿司でも 菓子でも味噌でも お米で作れば
 味わいよろしく 紙すく糊にも 布はる糊にも 調法いたして 無類のものなり 
とげる時分に 出たる粉糠は 牛馬の食料
 風呂場に有用 肥料に要用  沢庵漬けには最も必要 
 糠味噌にも これまた同様

その茎わら 飢饉の食料 製紙の材料
 縄・みの・むしろに俵に叺に 草鞋に脚半に 農家のふき草
 垣壁なんどに 添えるはもちろん 貯蓄のたねもの 包んでおくなら
 温気は通さず 湿気も犯さず 焚きてはその灰 種々に必要
 腐敗しますりゃ 肥料に適当 そのほか効用 枚挙はつきせず

然るにこのごろ お米を廃して 肉食世界に 改良しなさる
 お説も聞いたが 肉食世界を 拒むじゃなけれど 獣類なにほど
 繁殖なすとも 値段が高くちゃ 下等の人民 食うことかなわず
米なら三銭 四銭でたくさん
 穀類作れば一反二反の 僅かな田地の 収穫ものでも一戸の家内の
 四人や五人は 年中食して余りがあります
 牛馬を一頭育ててみなさい ある人申すに数年原野に 
放牧するには一頭飼育に 六,七町余りの 地面を要すと
ヤレヤレ皆様 よく聞きなされよ
 六,七町余に 一頭ぐらいを 飼うよなことでは 三千八百余万の人民
匂いをかぐには 足りるであろうが
食うには足るまい 足らざるときには肉類輸入し つまりは必ず お国の損耗
 
近年お米が 豊作続きで 安値であれども 安値であるとて捨ててはいけない
 十分はげんで 智力をつくして光沢味わい 最もよろしき 上等種類を多分に作りて 
どしどし輸出し外国一般 その良き味わい 十分知らしめ
肉食世界を 米食世界に 変ずるようにと 尽力するこそ 農家の職分
 皆様はげんで勉強しなされ 勉強なさればお金はどっさり 日本に充満 日本に充満

  明治二十年 船津伝次平 作

2008年自給作業累計:302時間
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鳥インフルエンザ

2008-12-21 06:47:21 | 自然養鶏
今年も、鳥インフルエンザ感染の要注意の季節に入った。中国では香港や、江蘇省で発生している。発生を1ヶ月隠していたと言う情報も流れている。100羽以上の養鶏場は、県に状況報告の義務がある。昨年は韓国での発生があり、日本も危険状態になった。案の定日本に飛来する白鳥には感染があった。見つかったのはだいぶ後の事だが、感染が起こるタイミングとしては、やはり冬の間がリスクが高まる。今年の春の白鳥感染は色々の事を表している。今でも、自然界の野鳥の状態については、ほとんど分かっていない。あの時も慌てて周辺の野鳥を調べたが、何も分からなかった。ウイルス感染鳥は見つからなかったが、何億羽と言う野鳥の内、100羽程度を調べても、何かがわかると期待することがおかしい。自然界で鳥インフルエンザがどのように存在するのか、もっと地道な、深い研究を重ねる以外にない。当面は起きてしまった結果的な事象を、繋ぎ合わせ推理してみる他ない。渡り鳥の移動状態すらまだ解明されていない。その冬韓国で強毒の鳥インフルエンザがかなりの広がりがおきて、春になって白鳥の移動期に青森で起きたことである。私はこのつながりを推理するが、国の調査委員会はそう判断していない。

最近又ぞろ、テレビや映画で、人間に対する鳥インフルエンザの流行が始まることが、不安感を煽るような形で、騒がれ始めた。これは医薬品会社の思惑が反映している。と睨んでいる。養鶏業の家禽や自然界の野鳥での流行と、人間のインフルエンザとは、直接は関係のないことである。この辺の情報が抜け落ちて騒がれるために、そのたびに養鶏業が嫌われる職種になって行く。この点をもう少し科学的な視点で、この病気を見るようにして欲しい。テレビで人間への感染が報道される時は、「シングルマザーの、弟を病気で亡くして医師を目指した、若い女医」のWHOの担当官として、世界をリスク覚悟で飛び回っている、なんとも頭の下がる姿が報道される。ちょっとズルクナイカ。確かに立派な方だとは思うが、人間への感染爆発は、この方の言われたようにはおきていない。もう7年近く経ったがこのことの理由を説明をして欲しい。

この病気は、ウイルスの変異が原因している。鳥に感染が広がるタイプのウイルスは今のところ、人間には感染しない。まったく感染しないという事ではないが、1年に死ぬ人が、全世界で40人である。これは本当に少ない数字だ。珍しい病気ではあるが、原因が解明されている病気と考えた方がいい。日本人のリスクなど、当面まったくない。インドネシアの状況を考えればよくわかる。まったく感染対策が取られていない。それでも感染爆発などおきない。対策を取らない国は幾らでもある。その上そうした国は、動物と暮らしがとても近い。それで何故感染爆発が起きないか。そちらを考えてみる。今のところウイルスが特殊な人にしか、感染しないタイプなのだ。そうでなければ既に、感染爆発が起きている。

では人人感染が起こる、タイプに何時変異するか。これはまったくそのシステムも、原因もわからない。判らないから怖いと言う事はあるのだが、このまま変異しないかもしれない。ともかく、インドネシアで起こる事を注意深く見ておくことだ。インドネシアで起きないことは、日本ではおきない。絶対をつけてもいい。丸で明日にでも日本で発生するかのように、防疫体制の訓練の必要を騒いでいるが、空が落ちてくる、不安で悩む人は悩む。又、何にたいしても体制を整えておくことは大切だが、空が落ちてくる対策はお金がかかる。リスクの程度を冷静に見る目も必要だ。私なら、インドネシアに007諜報員を送って、情報を流してもらう。一方、ウイルス変異の原因を学問的に究明する。そしてその元を断つ。元を断つことができないような原因であるなら、諦める。
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香港の生卵からメラミン

2008-10-27 06:41:57 | 自然養鶏
もう今更食の安全と言っても、空しいくらいに連日食の事件が頻発している。「卵からメラミン」はあると思っていた。起こるべくして起こった。以前アメリカで中国製ペットフード問題が起きた時に、問題にすべきことだったのだ。あの事件ではメードインチャイナ表示が、リスクの印とされていた。それでも中国政府は強弁して、なんら改善を図らなかった。ペットフードが汚染されているぐらいだから、鶏や豚の餌はおかしいと思わなければならなかった。あの食糧生産国アメリカが、中国から、鶏のえさを買い入れている。こうした食糧の輸出入構造が変じゃないかとは思うが、現実こう言う事になっている。中国からのトウモロコシ輸入の一番がアメリカだった。現在ではもう中国ではトオモロコシ輸出は出来なくなっている。それくらい国内の畜産規模が拡大している。

しかし、日本に中国製畜産飼料は沢山入っている。間違いなく既に食べてしまっただろう。何故飼料にメラミンを加えるかといえば、蛋白値が上がるからだ。配合飼料は、メラミン以外でも本来食糧とは言えない様な物が、禁止されていないというだけで、幾らでも添加されている。メラミンは氷山の一角と考えておいた方がいい。例えば毛皮用動物の飼料など、どんな物を食べさせられているか、考えても怖ろしい。中国ではタヌキの大量死が報道されている。そういうところから、飼料の汚染は広がったのだろう。あれも入れても大丈夫、これを入れても大丈夫と、 飼料添加物は広がる。防かび剤、抗酸化剤、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、抗生物質、抗菌剤、150を超える種類が指定されている。入れて大丈夫だからと言って、科学合成物質を餌に加えるなど、危険と紙一重だ。もうメラミンを加える、一歩手前は許されているといって良い。

こんな怖ろしい畜産に何故なったかといえば、安全は費用がかかるからだ。安くなければ売れない。経営するためにはよりやすい飼料を入れる。老舗の和菓子屋さんが、汚染米を購入していたような社会構造。例えば安全な、卵を生産すると1個230円になる。昔は卵というのは普通にこういう価格の物だった。実際に250円の卵は売られている。買う人がいれば、誰だってこうした卵を作りたいのが本音だろう。理想はともかく現実には売れない。売れなければ継続できない。妥協線がある。妥協の程度が危ういのだ。とことん妥協して、法を犯してメラミンまで行く人もいる。人間の信義が失われた社会では、何が起きても不思議でない。中国の飼料会社が、アメリカのペットの事まで心配しないのも無理がない。

世界が価格競争をしている。まともなことをやっていたのでは競争に負けて消えてゆく。これがグローバリズム。金融崩壊といわれるが、マネーゲームも飼料生産も儲けた者が勝者。遅れて来た中国が逆転をするためには、危うい橋を平気で渡る。もちろん日本国内でも日々起きている。実態を知ったら怖ろしくて何も食べれないような、事態だと私は思っている。今その一端が見えてきただけだ。汚染された井戸水を、わかっていて食品に使い続ける背景。井戸水が汚染される背景。暮らし全体を変えない限り、もう限界に来ている。先ず原点に戻る。自分が食べる物は自分が作る。これは毎日1時間の労働で可能なことだ。家事の一部だと、考えればいい。そこからやらなければ、食の安全はない。

昨日の自給作業:お茶の刈り込み3時間 累計時間:40時間
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笹村農鶏園のあらまし

2008-10-06 07:25:34 | 自然養鶏
1、餌は地域で出る物を使う。
○さなご、米糠、そばぬか、オカラ、海草カス、野菜クズ、カボチャ。
2、笹鶏という作出鶏を、自家繁殖している。
○比内鶏とロードアイランドレットと言うものから作出した。
○春だけ鶏は孵化する。
3、卵や鶏肉は地域でのみ販売する。
○食べ物は地産地消を、原則とする。
○あしがら農の会という組織の野菜と併せて宅配している。
4、一切の薬剤を使わない。
○消毒薬、飼料添加物、ワクチンなど使わない。
○自然免疫力を高める飼育。強健系統作出。
5、4つの遊び場を、茂み状態にして、放し飼いをする。
○放し飼いを有効にするため、遊び場は自然状態の創出をする。
6、鶏舎の床は、堆肥置き場と考えて、発酵をさせる。
○発酵状態にすることで、悪い微生物の偏りが起きない。
○育雛も、発酵床で行い免疫力を高める。
7、餌は好気発酵と、嫌気発酵を組み合わせた発酵飼料である。
○好気発酵は卵の味。嫌気発酵は乳酸菌を鶏に食べさせる目的。
8、有機農業と組み合わせた小さな養鶏である。
○畑の肥料と循環することで、土づくりに一助になる。
9、青草を出来れば毎日1羽100グラム与える。
○鶏本来の食性から、青草の多給を行う。
10、水は100メートルの深井戸を利用。
○水の性質は重要な要素。箱根からのきわめて良質な水

近く、小田原市の成人学級の農場見学がある。30人くらいだそうだ。その説明に簡単に養鶏場の事を整理して見た。Kさんという以前から、私の養鶏場の考え方に、とても興味を持ってくださる人がいる。その方の関係で、みんなで見に来てくれることになった。有難い事だ。地域での理解が無ければできないのが、養鶏業。Kさんは以前、東大の池本教授も紹介してくれた。その後東大の研究室の方々が、あしがら農の会の活動に興味をもたれることに繋がった。その関係が色々調査をしてくれることにも成った。私たちにとっても、外からの目で分析してもらえたことは、とても良いきっかけになったと思う。自然発生的な、第1期が終わり、第2期が始まる経過になった。

農鶏園の見学は火曜の午後だ。開設以来、一貫して公開している。毎週見える人がいる。わざわざ見てもらうほどのものではない。ごく小規模の当たり前の鶏の飼い方だ。普通に鶏を飼うと言う事が、どんなことか知ってもらうことは、大切だと思っている。何百万羽も一箇所に集めて、狭いケージに閉じ込めて鶏を飼うと言う事が、どれほど異常なことか。知っておく必要がある。それには、家畜を飼う普通と言う事がどういうことなのか。この感覚が重要である。農村においても、近所に鶏がいることを、嫌うような人が現れている時代だ。一目に付かない工場の中で、卵や鶏肉が生産されている方が、いいと思っている人が、増えてきている。こうした畜産の大規模化は、必ず人間にしっぺ返しが来る。手に負えない病気の発生源になる。鳥インフルエンザのウイルスの強毒化も、こうした大規模養鶏場での感染の連鎖から、発生した可能性が高い。

畑でも、田んぼでも、それは農業だけでなく、漁業でもそうなのだろうが、生産の現場が、普通の暮らしから遠のく一方。その逆なのか、普通の暮らしの方が生産現場からドンドン離れていった。生産を暮らしに引き戻したい。食べ物はお金とは違うものだと言う事を知ってもらいたい。これから世界に於ける日本の立場は、急速に変わってゆく。日本人が原点を失わないためにも、方向を誤らないためにも、生産と言う基本を抑えることは大切である。

昨日の自給作業:草刈など1時間 累計時間:3時間
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鶏糞

2008-08-23 08:00:20 | 自然養鶏
明日お茶畑に鶏糞を入れる予定だ。私の担当は養鶏場から30袋鶏糞を掘り出し、袋詰めして、お茶畑まで運ぶ事だ。17日に5袋だけ詰めた。これが原因で体調がおかしくなった。翌18日の朝は少し変だったが、草刈などした。所が、19日になって、集荷場にいけない感じになった。その後熱が出てきて、38、8度まで上がった。20日はそんな状態が続いた。21日から体温が下がり。何とか養鶏ができるようになった。しかし、体重も3キロ減って。体が今日になってもまだふらつく。実は鶏糞掘りをして、熱を出したのは4回目ぐらいだ。気を付けなければいけないのに、又やってしまった。結核をやったことなどもあり、肺が弱い事は分かっている。鶏糞がもう少し湿気ていればいいのだが、どうしても埃っぽい所がある。霧状の水が、昼間は時間ごとに出るようになっているので、それなりに湿気ているのだが、風向きもあって乾くところがある。

発酵床をいい状態に保つのはなかなか難しいものだが、今は中出来ぐらいだろうか。掘れば一層下は熱は何処でも出ている。この熱が出ていないのでは気に入らない。熱は出ているが、床が固い。そんな感じだ。この床を鶏糞と読んではいるが、本当の所は鶏糞と言うようなものではない。鶏糞堆肥と呼んだ方が近い。私は鶏糞だけを肥料としてきた。岡山の、赤木歳通さんも鶏糞だけで田んぼも畑も出来ると書かれている。それを目指してやっている。自然卵養鶏の大先輩中島正氏も最近出版された「自給農業の始め方」の中で、鶏糞だけの農業を実践的にかかれている。農業はこうじゃなければ出来ない、と言う事はない。何でも出来ると考えた方がいい。そのやり方を極めるだけの工夫があるかだ。もちろん農業の目的によって、方法も違ってくるだろう。鶏糞はどちらかと言えば自給的農業向きではないだろうか。

販売されている鶏糞は工場養鶏の鶏糞が多い。所謂鶏糞と本などに記載されて、利用法が書かれているものと、私のところのものでは、丸で内容が違うだろう。あまりに違うから、同じ鶏糞と名乗って使い勝手が違っても困ると思い、「鶏土」トリツチはどうかなと考える。窒素分は熱が出ているのだから、相当に飛んでいるのだろう。一般に鶏糞は化学肥料のような使い方をするようだが、むしろ堆肥との中間に位置するだろう。赤城氏や中島氏のような実践の大家が、実践的に切り開いているような、自分なりの「鶏土」の使い方を探りたいと思う。体調がもう少し戻ったら、畑を再開したい。この時にはかなり計画的に、入れてみたい。牛糞の敷き料の事を先日国原氏は言われていた。炭素量の多い鋸クズの混ざったようなものは、窒素を吸収して、使えない。これはヒントだと思った。

針葉樹の鋸クズと、コーヒーカスと、選定枝のチップと、敷き料の違いで牛糞の使い勝手が違うと言う事。選定枝のチップも、荒いものと細かいものでは、畑では意味がだいぶ異なる。しかし、炭素循環農法の論理では糸状菌を回らせてやれば、どんな炭素でも、使えると言う事らしい。鶏糞の場合。落ち葉や、稲藁や、草のくキなどが、充分に混ざり込み、空気が送り込まれる状態で、水分もしっとりとあって、当然発熱している床であれば、いい状態になっているだろう。いい床を作ることと、いい肥料を作ることは同じことだ。頑張って床作りをすることが、いい循環する農業の、基本になる。
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