今夜から、NHK教育TV「趣味悠々」の新番組として、「四国八十八
ヶ所 はじめてのお遍路」が始まりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/ea/8ad3df100f6a72e0d6b4503c4ab985fb.jpg)
私も、2年前の2004年2~3月と、11~12月の2回に分けて、
歩いての四国遍路を初めて経験しました。
遍路の動機はというと、特に宗教心とか悩みがあったわけではなく、
自分の今までのウオーキング経験を生かして、少し長い距離を続けて
歩いてみたいという、単純な動機でした。
それまでの長距離ウオーキングというと、中山道や熊野古道伊勢路
を1週間ほど歩いただけでした。
1か月近い日数を、いつもより重い荷を背負って歩けるかどうか、多少
の心配もありましたが、いろいろな面で歩く環境が整っているという、
四国を歩くことにしたのです。
2回にわたって歩いた結果を、それぞれ1冊ずつの記録にまとめました。
それが「四国遍路道ある記」です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/e7/977273fecc024fb2db93e63493d980e9.jpg)
TV番組の開始を機に、私の「はじめてのお遍路」のレポートを、この
冊子をもとにご紹介します。
四国遍路にご興味をもたれ、「趣味悠々」をご覧になりたいという方に、
少しでもご参考になれば幸いです。
なお、地名(市町村名)は、歩いた当時のものです。
=四国遍路道ある記(前編)・徳島その1=
かねてから念願の四国八十八か所の歩き旅。シーズンには早いが、
それだけにどこも空いていて、まだ汗をかかずに歩けるのではないか
と考え、この時期にした。
今回は、43番札所明石寺に3月15~17日頃到着の目標である。
第1日 2004年2月20日(金) 快晴 <1番霊山寺~5番地蔵寺>
=予想外の暖かさ=
前日、30数年前職場が一緒だった岡山市のIさん宅に泊まり、瀬戸
大橋経由、徳島県鳴門市の1番札所霊山寺まで自動車で送ってもらう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/61/177ac042ff09b789cc71d7c6e241e69c.jpg)
Iさんはすでに3年前、四国八十八か所を一人で歩いており、出発前、
何回かメールして、アドバイスをしてもらった。
正午近く、霊山寺前に着き、門前の店で徳島うどんの昼食。通販で
予め購入しておいた白衣(びゃくえ)を着て山谷袋(さんやぶくろ)を掛け、
菅笠をかぶる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/da/71eb04f33e0780cce3d79d2010d6021e.jpg)
格好だけは遍路姿だが、要領はよく分からない。
まず最初にすべき口すすぎと手を洗う手水舎が見あたらない。大師
堂は工事中で、反対側のお堂が仮の大師堂になっていた。
Iさんに教えてもらいながら、本堂と大師堂に参拝し読経したが、
どこかぎごちない。
納経所で納経帳に御朱印をもらい、遍路用品販売所で歩き遍路の
名簿に記帳、Iさんに分かれて、いよいよ一人での歩き遍路が始まる。
天気はよく気温18℃、うららかな陽気で出発には最高の天候だ。
歩き出すと少し風があり、菅笠があおられる。板東谷川を越え、ミカン
やピラカンサの実る里道を2.7km進んで2番極楽寺に着いた。
本堂、大師堂へは数十段の石段を上がる。境内にみごとな大杉が
立っていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/4c/b378a3b5fbf49044a94c4416cd2c3cc6.jpg)
弘法大師が植えたといわれる樹齢千年以上の巨木で、長寿杉と
呼ばれている。
「四国のみち」と記された山すその道を西へ。そちこちの白梅、紅梅、
しだれ梅などが見ごろ。
へんろ道の道標に従い、田のあぜ道を進んで3番金泉寺に入る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/54/3c3707115b5545422d32539546b7e141.jpg)
山門は、塗りかえて間もないのか朱が色鮮やか。本堂裏手にも朱塗り
の二層塔があった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/39/bd6a437ce46c4ba34207f6b55642820f.jpg)
住宅地を経て板野の町並みに入る。狭い通りだが車は少ない。JR高徳
線を越えると家並みも少なくなった。
岡の宮の岡上神社前を通過、県天然記念物で根回り24.5m、高さ35m
というみごとな大楠があり、数本に分かれた太い幹に圧倒される。
へんろ道は木陰が少なく日差しが暑い。徳島自動車道をくぐり、田の
あぜに残るへんろ道を進む。
夏みかんの実る台地下の土の道は歩きやすい。もう一度、徳島自動車
道をくぐり、北側の山懐に向かって進むと、4番大日寺があった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/9b/1d467b8d4c2263000e8625db824c3c42.jpg)
朱塗りの山門上が鐘楼になっている。本堂と大師堂を結ぶ木造の回廊
内に、西国三十三カ所の木彫千手観音像が並んでいた。
幅広い車道を南へ。徳島自動車道近くに、へんろ用の新しい東屋が
あった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/75/2bcb4e46bf3d620de22919aebef446b3.jpg)
こういう設備が、へんろ道の各地にあるとよいのだが…。
自動車道をくぐり、火の見やぐら横の細道を進んで、五百羅漢堂の
横に出た。5番地蔵寺の奥の院である。
羅漢さんの参拝は省略して南側に下り、梅の咲く参道を回って本堂
と大師堂で読経をする。
参道で、病身の家族のためにたびたび参拝に来るという近在の奥様
が話しかけてきた。歩き遍路と見てのことだが、にわか遍路にはどう
慰めてよいか分からず、ただ聞いてあげるだけであった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/65/c681b9f1a46e2cac97c73890688f40ae.jpg)
本堂前に樹齢800年という大イチョウがある。庫裡(くり)は改築中、
庫裡の前に水琴窟(すいきんくつ)があり、耳を澄ますと澄んだ音が
聞こえた。
初日の予定はここまで。地名も「羅漢」の町並みを抜け、へんろ道を
西に向かう。入り日が菅笠下の顔に差し込みまぶしい。
17時過ぎ、宿泊地の民宿寿食堂に入る。この日の宿泊者は私だけ
だった。まず入浴して汗を流す。夕食は18時から。
そのあと洗濯をして第1日を終える。おだやかな日よりで普通の
ウオーク気分、お遍路をしているという感じは少ない。
出発前に計ったザックの荷物は7.5㎏強だった。
ほかにロウソク、線香、納札、納経帳、小銭などを入れた山谷袋、
カントリーウオークで愛用の地図ケース、それにデジカメ、携帯電話
などを入れたウエストポーチを着け、確かに普段より重いが、平地
だったこともあり、とても重くてたまらぬという感じではなかった。
〈コースタイム〉1番霊山寺12:00~30ー2番極楽寺12:45~13:08ー
3番金泉寺13:38~14:05ー4番大日寺15:13~37ー5番地蔵寺16:04
~25ー民宿寿食堂17:07
(距離 14.2㎞、歩行地 徳島県鳴門市、板野町、上板町、
歩数 28,700)
ヶ所 はじめてのお遍路」が始まりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/ea/8ad3df100f6a72e0d6b4503c4ab985fb.jpg)
私も、2年前の2004年2~3月と、11~12月の2回に分けて、
歩いての四国遍路を初めて経験しました。
遍路の動機はというと、特に宗教心とか悩みがあったわけではなく、
自分の今までのウオーキング経験を生かして、少し長い距離を続けて
歩いてみたいという、単純な動機でした。
それまでの長距離ウオーキングというと、中山道や熊野古道伊勢路
を1週間ほど歩いただけでした。
1か月近い日数を、いつもより重い荷を背負って歩けるかどうか、多少
の心配もありましたが、いろいろな面で歩く環境が整っているという、
四国を歩くことにしたのです。
2回にわたって歩いた結果を、それぞれ1冊ずつの記録にまとめました。
それが「四国遍路道ある記」です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/e7/977273fecc024fb2db93e63493d980e9.jpg)
TV番組の開始を機に、私の「はじめてのお遍路」のレポートを、この
冊子をもとにご紹介します。
四国遍路にご興味をもたれ、「趣味悠々」をご覧になりたいという方に、
少しでもご参考になれば幸いです。
なお、地名(市町村名)は、歩いた当時のものです。
=四国遍路道ある記(前編)・徳島その1=
かねてから念願の四国八十八か所の歩き旅。シーズンには早いが、
それだけにどこも空いていて、まだ汗をかかずに歩けるのではないか
と考え、この時期にした。
今回は、43番札所明石寺に3月15~17日頃到着の目標である。
第1日 2004年2月20日(金) 快晴 <1番霊山寺~5番地蔵寺>
=予想外の暖かさ=
前日、30数年前職場が一緒だった岡山市のIさん宅に泊まり、瀬戸
大橋経由、徳島県鳴門市の1番札所霊山寺まで自動車で送ってもらう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/61/177ac042ff09b789cc71d7c6e241e69c.jpg)
Iさんはすでに3年前、四国八十八か所を一人で歩いており、出発前、
何回かメールして、アドバイスをしてもらった。
正午近く、霊山寺前に着き、門前の店で徳島うどんの昼食。通販で
予め購入しておいた白衣(びゃくえ)を着て山谷袋(さんやぶくろ)を掛け、
菅笠をかぶる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/da/71eb04f33e0780cce3d79d2010d6021e.jpg)
格好だけは遍路姿だが、要領はよく分からない。
まず最初にすべき口すすぎと手を洗う手水舎が見あたらない。大師
堂は工事中で、反対側のお堂が仮の大師堂になっていた。
Iさんに教えてもらいながら、本堂と大師堂に参拝し読経したが、
どこかぎごちない。
納経所で納経帳に御朱印をもらい、遍路用品販売所で歩き遍路の
名簿に記帳、Iさんに分かれて、いよいよ一人での歩き遍路が始まる。
天気はよく気温18℃、うららかな陽気で出発には最高の天候だ。
歩き出すと少し風があり、菅笠があおられる。板東谷川を越え、ミカン
やピラカンサの実る里道を2.7km進んで2番極楽寺に着いた。
本堂、大師堂へは数十段の石段を上がる。境内にみごとな大杉が
立っていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/4c/b378a3b5fbf49044a94c4416cd2c3cc6.jpg)
弘法大師が植えたといわれる樹齢千年以上の巨木で、長寿杉と
呼ばれている。
「四国のみち」と記された山すその道を西へ。そちこちの白梅、紅梅、
しだれ梅などが見ごろ。
へんろ道の道標に従い、田のあぜ道を進んで3番金泉寺に入る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/54/3c3707115b5545422d32539546b7e141.jpg)
山門は、塗りかえて間もないのか朱が色鮮やか。本堂裏手にも朱塗り
の二層塔があった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/39/bd6a437ce46c4ba34207f6b55642820f.jpg)
住宅地を経て板野の町並みに入る。狭い通りだが車は少ない。JR高徳
線を越えると家並みも少なくなった。
岡の宮の岡上神社前を通過、県天然記念物で根回り24.5m、高さ35m
というみごとな大楠があり、数本に分かれた太い幹に圧倒される。
へんろ道は木陰が少なく日差しが暑い。徳島自動車道をくぐり、田の
あぜに残るへんろ道を進む。
夏みかんの実る台地下の土の道は歩きやすい。もう一度、徳島自動車
道をくぐり、北側の山懐に向かって進むと、4番大日寺があった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/9b/1d467b8d4c2263000e8625db824c3c42.jpg)
朱塗りの山門上が鐘楼になっている。本堂と大師堂を結ぶ木造の回廊
内に、西国三十三カ所の木彫千手観音像が並んでいた。
幅広い車道を南へ。徳島自動車道近くに、へんろ用の新しい東屋が
あった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/75/2bcb4e46bf3d620de22919aebef446b3.jpg)
こういう設備が、へんろ道の各地にあるとよいのだが…。
自動車道をくぐり、火の見やぐら横の細道を進んで、五百羅漢堂の
横に出た。5番地蔵寺の奥の院である。
羅漢さんの参拝は省略して南側に下り、梅の咲く参道を回って本堂
と大師堂で読経をする。
参道で、病身の家族のためにたびたび参拝に来るという近在の奥様
が話しかけてきた。歩き遍路と見てのことだが、にわか遍路にはどう
慰めてよいか分からず、ただ聞いてあげるだけであった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/65/c681b9f1a46e2cac97c73890688f40ae.jpg)
本堂前に樹齢800年という大イチョウがある。庫裡(くり)は改築中、
庫裡の前に水琴窟(すいきんくつ)があり、耳を澄ますと澄んだ音が
聞こえた。
初日の予定はここまで。地名も「羅漢」の町並みを抜け、へんろ道を
西に向かう。入り日が菅笠下の顔に差し込みまぶしい。
17時過ぎ、宿泊地の民宿寿食堂に入る。この日の宿泊者は私だけ
だった。まず入浴して汗を流す。夕食は18時から。
そのあと洗濯をして第1日を終える。おだやかな日よりで普通の
ウオーク気分、お遍路をしているという感じは少ない。
出発前に計ったザックの荷物は7.5㎏強だった。
ほかにロウソク、線香、納札、納経帳、小銭などを入れた山谷袋、
カントリーウオークで愛用の地図ケース、それにデジカメ、携帯電話
などを入れたウエストポーチを着け、確かに普段より重いが、平地
だったこともあり、とても重くてたまらぬという感じではなかった。
〈コースタイム〉1番霊山寺12:00~30ー2番極楽寺12:45~13:08ー
3番金泉寺13:38~14:05ー4番大日寺15:13~37ー5番地蔵寺16:04
~25ー民宿寿食堂17:07
(距離 14.2㎞、歩行地 徳島県鳴門市、板野町、上板町、
歩数 28,700)
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