あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

映画「剣岳 点の記」を観る

2009-07-01 22:55:33 | 地図
 2009年7月1日(水)

 今日は、6月20日(土)から全国でロードショーを開始した映画
「剣岳 点の記」を、入間市のシネコンで観覧してきました。



 この映画は、新田次郎の同名の作品を映画化したものです。

 日露戦争後の明治40年(1907)、国防のために日本地図の完
成を急ぐ陸軍は、参謀本部陸地測量部の測量手・芝崎芳太郎など
7人を(北アルプス)剣岳へと送り込みました。

 そこは、まだ誰も足跡を残していない国内最後の未踏地。その剣岳
に登頂して三角点を設置するのが、柴崎らの使命でした。

 一方、小島烏水(こじまうすい)率いる、発足間もない日本山岳会も、
初登庁を狙っていました。

 剣・立山連峰の美しいが厳しい自然を舞台に交錯する両者の信念。
そして最初に山頂に立ったものが見たものは……。というものです。



 2年間、のべ200日を超える撮影を行い、オール現地ロケにこだわ
ったという作品です。

 雄大な北アルプスの眺望とともに、猛烈な風雪や豪雨にさらされ、
つねに生命の危険を伴いながらも、歩一歩と山頂に向かい、時には
撤退して別ルートから目指すなど、困難を極めたその様子は、想像
以上の迫力でした。

 私たちがいま、国土地理院の地形図を信頼して使用できるのも、
このような先人の労苦や挑戦を受け継いできたからこそと、これから
地形図を読むときには、思い出さずにはおられないでしょう。

 地形図の愛用者はもとより、地図を利用する多くの方々にご覧いた
だき、地図が出来るまでにどのような苦労があるのか、その一端を
理解してもらうために、ご覧いただけばと思います。

 「山と渓谷」6月号では、この映画と原作者新田次郎のこと、そして
夏の剣岳登山について特集しています。



 映画「剣岳 点の記」の公式ブログは、下記をご覧下さい。
  http://www.tsurugidake.jp/blog/

 〈後記〉
 7月3日(金)に、東京・有楽町駅東口の観光会館地下1階にある、
富山県のアンテナショップ「いきいき富山館」に立ち寄ったら、「剣岳
 点の記」の写真展と測量関係品の展示をしていました。


 映画のシーンを撮ったスティール写真。


 背負い子に三等三角点(模造品)とわらじがくくりつけてありました。

 実は剣岳にも三等三角点を設置する予定だったのですが、急峻な
地形に阻まれ、標石の設置はあきらめたのでした。

 こちらは、ほんものの経緯儀(トランジット)、目標物の高度と方位を
測る器具で、昭和30年代ころまで使用されたもののようです。

 このような器具で測量するシーンもありました。

 後になりましたが、「点の記」とは、三角点の名前や住所、設置年月
日、設置者などを記した国土地理院の永久保存資料(当初は陸軍省の
陸地測量部で作成)で、三等三角点以上(二等、一等)の各々の三角
点ごとに1枚の記録が残っています。
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