魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

美味い話

2013年07月06日 | 日記・エッセイ・コラム

ヒッチコックのドラマで、食通の秘密クラブが、時々、特別に美味しい料理を出すことがあり、中でも特に美味しい部分は永久会員しか食べられず、永久会員に昇進する人が出るのを記念して、その特別料理が提供される。

主人公もついに永久会員に昇進する日が来た。
狂喜乱舞しながら、昇進の儀式のため特別室に行くと、シェフが大きな包丁を持って待っていた。
ラストシーンでは、会員が特別料理を食べながら、早く永久会員になりたいと語り合い、永久会員に昇進した主人公の写真を見ている。

言うまでもないが、特別料理は人肉料理だった。
過剰な欲望は身を滅ぼす。この世にうまい話はない。

原発は夢のエネルギーのように言われてきた。いい話ばかりが並べられ、終いには神話にまでなった。
自治体は交付金欲しさに、企業と国民は安い電力欲しさに、みなイイ夢ばかり見ていた。
そして最後に食べられたのは、当の国民だったが、包丁を見せられるまでは、恐るべき実態を誰も信じなかった。

ちょっと常識で考えれば解ることを、誰も考えようとしなかった。
廃棄物処理法が未解決であることなど、肛門のない食道楽であり、テロの危険は戦場のトップレスであり、災害防御はダンボールのクルーズ船だ。

刃物で刺されると、それを抜く時、大量出血で絶命する・・・そうだ。(見たことはない)
刃物で刺されたから早く抜いてくれと、泣き叫ぶ気持ちはわかるが、
そうは行かないのが、日本の原発の現状だ。

慌てず騒がず、周到な手配をすれば、何とか抜けるかも知れない。
もちろん、代替エネルギーも手配して。

大包丁を見て、叫んでばかりいても始まらない、ここにいる自分を反省し、先ずは冷静になることだ。