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旧奈良監獄特別公開

2018-11-26 | 建築巡り・街歩き【その他】

三連休の初日、旧奈良監獄の特別公開へ行ってきた。

以前、まだ監獄として使用されてた時に塀の外からは見たことあったが、内部へは足を踏み入れたことはなく、

今回は日本初の監獄ホテルとして生まれ変わる前に、竣工当時の姿を見れる最後の機会ということで楽しみにしてた。

  

 

初日の初回の1時からの予約で、少し過ぎてからやってきたらこの長蛇の列・・

門から建物までのアプローチが思ったより長い。

旧奈良監獄は明治41年に山下啓次郎設計により、監獄の国際標準化を目指して建てられた5大監獄の一つ。

 

 

建物は赤れんが造りのロマネスク様式で建てられていて、一見お城か別荘か?というような

雰囲気でとても監獄とは思えない。

 

 

最初の部屋で見た映像では、旧奈良監獄の鳥瞰写真が見られ、思ったより規模の大きな建物と敷地に驚いた。

重要文化財となってるこれらの建物は日本のれんが建築の文化財の中では最大だそう。

 

 

 

 

看守が立つ中央の監視所から放射状に伸びる収容棟は、少ない職員で、監視の目が行き届く仕組みとなっている。

旧奈良監獄をはじめ、明治五大監獄の建物はこのようなハビランドシステムという欧米で取り入れられていたシステムで

建てられているそう。

 

  

そして、その中心の監視所へ。

 

 

監視所から放射状に伸びる収容施設は第一寮から第五寮までの5棟からなる。

 

 

2階の監視所周りは、1階への見渡しと、採光、落下防止のために床には格子が。

 

  

独居房が並ぶ棟。

 

 

独居房の内部はトイレと手洗い、そして窓が一つ。

広さは4.7㎡あるそう。現在の単独室では7.5㎡のスペースがとられてるという。

プライバシーの観点や複数の犯罪者を同室に収容することの悪影響の懸念から単独室が採用されていた。

 

 

独居房の扉。

上の格子が入った監視用の扉と、下の扉は食事などの出し入れ用

 

  

重厚感のある鍵。

 

 

食事の受け取り口。

厚みのある扉。

  

 

独居房が並ぶ廊下は所々に天窓が入れられていて、とても明るい。

 

 

廊下にあった掃除道具などを置くコーナーと左は階段室。

 

 

地下へ下りると、細かく仕切られた部屋にはお風呂の浴槽が並んでいた。

コンクリートに囲まれ、寒そう・・

 

 

地下のボイラー室。

 

 

放射状に伸びる棟と棟の間を外側から。

 

 

壁面をれんがで積み上げた建物は開口部を造ると、強度が弱まるので

縦長の窓が多くなっているとか。

  

 

1階へ。

2階の廊下の天井についていた天窓からの光が届くように、2階の廊下も真ん中は塞がず格子が入っていて、十分光が届いていた。

  

 

そしてこちらは雑居房。

雑居房は3人部屋で9.6㎡。現在は6人部屋で25㎡だそう。

短所は受刑者同士が悪影響を及ぼし合うという悪風感染が起こりやすいことだという。

 

 

マル房と呼ばれる規律や秩序に違反する行為をした受刑者に対する懲罰として収容する部屋へも実際に入らせてもらった。

寝具は与えられず、7日以内という期限が決められていたとか。

今は蛍光灯が取り付けられているが、豆電球一つの暗く小さな円筒形の部屋で、壁はラバーぽいものに覆われていて

その壁には爪で描いたのかあちこちにある落書きが生々しかった。

ガイドさんが言われるには、この中では3日ももたないと言われてた。

心身を著しく害するおそれがあるので現在は行われていないそう。

 

 

 

 

 

こんな池のある庭園もあった。

 

 

こちらは独立して建っていた隔離病棟。

精神病患者が大声出したり、暴れたりする場合に隔離するのに使用されたのだとか。

 

 

奈良奉行所の屋内にあった牢舎で、資料保存のため、移築されたもの。

キリギリスを入れておく虫かごに似ていることから、通称「ギス監」と呼ばれたそう。

 

  

こちらは放射状に伸びる収容棟の先端部分。

この更地になっているところには既に取り壊されているが、当初はそれぞれの棟の先端に、さまざまな工場がつくられていて、

受刑者の刑務作業が行われていたという。

 

 

敷地を囲む長いれんが塀。

れんがは小口積みと長手積みを交互に段違いに積むイギリス積みが採用されていて、

旧奈良監獄での工事は刑務作業の一環として、受刑者がれんが職人と共に、れんがを製造して作り上げたという。

受刑者の労働力を活用するというのは設計者山下啓次郎の意向でもあったとか。

 

 

別棟には妙に明るく、カラフルな扉のつく部屋が並んでいたので伺ってみると、

こちらは選ばれた優秀な受刑者の中で、日中は監獄外の一般の工場などで働くことができるようになった受刑者の

部屋だそうで、独居房や雑居房で使われていたような分厚い扉でなく、

鍵もかかってない普通の扉のついた部屋が並んでいた。

 

 

他にも刑務所作業製品展示即売会や、少年院・少年鑑別所コーナーでは収容されてる少年たちが作った作品の展示なども。

この手前のお茶碗?なんて、すごい斬新なセンス・・

少年矯正にも使用されている性格検査を簡単にした性格テスト体験などもやってみた。

 

 

独居房を利用して、飲食スペースとしてレンタルなんかもやってた・・

独居房でちょっと飲食する気にはなれないなあ。

旧奈良監獄、2021年のホテルオープンが楽しみ。この日は旧監獄を満喫できた!

 

 

 


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