転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



土曜日、会社が終わって夕方6時頃、
「明日のパンを買おう」
と思って本通り商店街のアンデルセン本店に行ったら、
なんだか物凄い人出で、一体何があったのかと戸惑ったのだが、
買い物をしているうちに思い出した。
その翌日の17日(日曜日)が、現店舗での最後の営業日だったのだ。

広島アンデルセン 思い出の店に別れ 被爆外壁残し建て替え/広島(毎日新聞)
『中区の本通商店街にあるパン製造販売の広島アンデルセンは17日、建て替えのため現店舗での最後の営業を終えた。思い出の店舗を記憶にとどめようと多くの人が駆けつけ、記念撮影をするなどして別れを惜しんだ。』『現店舗は広島原爆で被爆した旧帝国銀行広島支店を活用し、1967年にオープン。増改築を重ねてきたが、耐震面や設備の老朽化から現在地で建て替えし、2020年度以降に再オープンする。被爆した外壁部分は可能な限り、残す方針。』

建て替えの件は以前から報道され、私も知っていたのだが、
日にちまでは正確に記憶しておらず、
全くの思いつきから16日に立ち寄ったお蔭で、
期せずして現アンデルセンとのお別れに間に合った。
この日は、レジの場所を臨時にいつもより増やしていたにも関わらず、
どこも長蛇の列が出来ており、店内でも写真撮影する人が大勢いた。
建て替えの後にどういうかたちになるかは、
まだ詳しいことが決定されていない(少なくとも発表されていない)ので
中も外も、どの部分も今回が見納めになる可能性があり、
誰しも、できる限り写真に収めておきたい気持ちだったのだろう。

 

アンデルセンのパンは札幌から福岡まで全国各地で買えるが、
本店は広島市中区の本通り商店街にあって、1階から6階までの
各種フロアから成る建物全体が『広島アンデルセン』である。
1階ではパンやケーキ、焼き菓子、ジャム、コーヒー、ワイン、
等々のほか、生花の販売やブーケ等のデザインも扱っており、
更に、カフェと、サラダ・ハム・総菜・お弁当などのコーナーがある。
2階はフロア全体が、アンデルセンキッチンという名のレストラン、
3階が食器やカトラリー、キッチングッズなどを扱うデザインショップ、
そして4階から6階までがパーティーフロアで、各種宴会場がある。
併せて、ベーキング講座、ワイン講座、フラワーデザイン講座等も
定期的に募集され行われている。

広島市に住んでいれば、アンデルセン本店を知らない者はなく、
地元の人は昔から、ここで買い物のみならず様々な形式の会食をしており、
まとまった催しには、積極的にアンデルセンを利用してきた。
私自身、宴会場でピアノの発表会の打ち上げをやったこともあったし、
大学同窓会広島支部の皆でレストランに集合!という機会もあった。
「どうしてパン屋で結婚するのか!?」
と、いつぞや東京の人に呆れられたことがあるが、
広島アンデルセンは、単なる製パン業者ではなく(^_^;、
宴会場での披露宴だろうがレストラン・ウェディングだろうが、
そりゃもう、以前から思いのままだったのだ。
本店建物には、これまでの日々の小さな思い出に留まらず、
人生の節目となったイベントの記憶を持っていた人も、
決して少なくはなかったことだろう。
かくも多くの人々から熱く惜しまれたことは、道理であったのだ。

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