殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

こんな時だから

2020年04月09日 15時42分30秒 | みりこんぐらし
東京を始めとする大都市に、緊急事態宣言が出された。

こちら広島県でも、ポツリポツリと患者が増え続けている。

うちは大人ばかりの家族なので、多少気楽な面があるが

お子さんのいらっしゃるご家庭は、どれほど不安だろう。

どうか、心が折れないようにと願うばかりだ。


それにしてもテレビのニュース。

不安を煽るようなことばかり言うじゃないか。

不安になることを放送したら

視聴者が見続けるというカラクリがあるのは知っているが

ひどすぎるように思う。


例えば先日、非常事態宣言が出た日のニュース。

通行人の女性をつかまえ

首から下だけ映してインタビューしている。

「明日の仕事のことで、職場からの連絡を待っていたんですが

結論が出るのがもう少し遅くなりそうなので、帰るところです」

「どんな連絡ですか?」

「明日からも全員が出勤するのか、交代制にするのかといった

人員調整についてです」

そんなやり取りだったが、下に出るテロップは

「人員整理についてです」


人員調整と人員整理では、与える印象が全然違う。

かたやシフト変更、かたや解雇だ。

わざとテロップを間違えて、不安を煽っている。

近年のニュースやワイドショーは

嘘いつわりや誤誘導が多いので

もう滅多に見ないが、あれでも訂正するかと思って

いつになく終わりまで見た。

しかし、やはり訂正は無かった。

確信犯、決定。


さりげなく不安を煽る卑怯な手口。

こんなのが、ホント多い。

だからマスゴミなんて言われる。



それにしても、若い頃は漠然と憧れていたものだ。

「仕事でも旅行でも何でもいいから

国内外を飛び回ってみたい…」

それが今、憧れは恐怖に変わった。


こんなことも言っていたっけ。

「商売するなら飲食店。

まかり間違って何か発案して、行列のできる店になったら

儲かって笑いが止まらんだろうな」

それが今、行列どころの騒ぎじゃない。

いつ、何がどう変わるか、わからないものだ。


そんな中、我々が話し合っているのは

夫の姉カンジワ・ルイーゼのこと。

彼女の日課である毎日の里帰りに

自粛要請をしたいというものである。


なぜなら彼女の仕事は、老人ホームの給食調理員。

人の多い施設である。

もしも実家で、我々との接触によって感染したら

老人ホームはひとたまりもないではないか。


そしてまた、逆もしかり。

彼女が知らずに感染し、我が家へ持ち込む恐れもある。

娘イノチの義母ヨシコは、それで死が訪れても本望だろうが

我々は嫌だ。

老人ホームでもらった、タチの悪い風邪をうつされた時は

怒りに燃えたものである。


で、機会を見て、それとなくヤンワリと言ってみようか…

などと話していたら、敵の方がウワテだった。

ヨシコとルイーゼがいつものように居間へこもり

韓国ドラマを見ている時のこと。

普段ならそっとしておくのだが

この日はヨシコに用があって、居間へ行く必要にかられた。


私が部屋に入り、ヨシコと話し始めたら

急に座る位置を変えるルイーゼ。

耳が遠くなってきたヨシコが聞き返すので

一歩近づくと、さらに遠くへ座り直すルイーゼ。

あれ?と思い、もう一歩近づいてみると

これ以上は無理という位置まで遠のくルイーゼ。


私は彼女が来訪を自粛するべきだと思っていたが

彼女のほうは

私が接近するのを自粛するべきだと思っているらしい。

それで、あからさまに嫌がる仕草をしていたのだ。

完全に負けた。



さて、仲良しの同級生女子5人で結成する

通称5人会も、会わずにラインのやり取りのみ。

その内容には「コロナ鬱」という新語が…。

息子が今春から東京勤務になったマミちゃんや

娘が東京住まいのけいちゃんは

心配で生きた心地がしないと言うのだ。


そこで2人は、布製マスクの製作に打ち込むことにした。

励まし合いながら作ったあかつきには

我が子の元へ送れるではないか。

手作りマスクのキットや布

ゴムを入手するための情報交換に余念が無い。


私も手作りマスク、欲しいなと思っていたら

親戚のお姉さんがお手製をたくさん送ってくれた。

柄のついた、可愛いものばかりだ。

柔らかい布の手触りと思いやりに、癒された。
コメント (6)
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