殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

組長

2009年04月08日 10時13分51秒 | 組長
4月から組長になった。

襲名したのではない。

順番で回ってくる、自治会のやつだ。


問題がひとつ。

近所のオッサンだ。

50半ばの小汚いバカだが、こいつが普通ではない。


3年前に順番で引き受けた自治会長の味が忘れられず

よっぽど気分が良かったのだろう…翌年は立候補しやがった。


昔は田舎の自治会長といえば

ここらへんで言う「旦那氏(だんなし)」…

生活に余裕のある、尊敬に値する人物が

皆に請われて就任するのが一般的だったが

そんな人たちはもう死んでしまった。


近頃は順番で受け持つので、当然変なのも出て来る。

本業で残念な者ほど

にわかに手にした権力をふりかざす傾向にあるようだ。


バカのやることは、たいてい底が知れている。

やはり似たようなバカ数人と組んで

罰金や、無い頭を寄せ合って新しく作った

しょうもない規則で

近隣住民をひたすら縛るのみ。


住み良い自治会を作るのではなく

日頃の自分と真逆の行為…

自分の命令で他人を動かすという

初めて味わう快感に酔いしれているのだ。

薄くなった頭を金髪に染め、やせこけた餓鬼のような顔で

怒鳴り散らすさまは、醜悪このうえない。


反論する者がいれば

チンピラのような口をきいて、その家にねじこむ。

一人暮らしの老人や、女所帯でもお構いなし。


うちのような大男の揃っている

反撃が怖い家には、何も言って来ない。

そのかわり、陰湿な手口で嫌がらせをする。


うちの場合は、息子の趣味方面の車を置くのに

借りている駐車場の持ち主を調べ

「自治会」を名乗って

「貸さないように」と電話をかけられたことがあった。


持ち主は良い人なので、なにごとにもならなかったが

無関係の他人に被害を及ぼすのがいまいましい。

ヤツだとわかっているが、匿名なので逆襲ができない。


ヤツのちょっと頭のおかしい女房が

すれ違いざまにいきなり

「いや~会長夫人は大変です~。おほほほ~」

と自慢げに言うので

「大変なら、やらなきゃいいじゃん。おほほほ~」

と言ったのを根に持っているのだ。


その後、誰も何も言ってないのに

「3年休ませてくれ…」という名言を残し、ひとまず引退。

一同ホッとしたものの、今度は新しい役員の足を引っ張り

連日嫌がらせの嵐。

自分でないとつとまらない…という形に持っていきたいのだ。


今年も色々仕掛けてくるだろう…と踏み、家族会議。

「いい?なんか言って来たら、ハイ、ハイと聞いちゃダメよ!

 ギャーギャー言って追い返すのよっ!」

「ラジャー!」


戦いに向けての切り札はある。

今年は組長のサポート役として会計係になったコが

3人目を生んだばかりなので

会計の仕事も実質私がやることになる。


帳簿を引き継いで目を通したところ

ヤツが会長だった2年間のものに、不明瞭な点を発見。

そこにはヤツの捺印があるから、逃げられない。

大げさに表現すれば「業務上横領」の類いである。


バカは詰めが甘い…

それは、我が結婚生活でいやというほど熟知している。

しかし、バカを追い込むと思わぬ行動に出る…

それも熟知しているので

出来れば関わらずに終わりたいが

春の陽射しの中で、少し楽しみな組長である。 
コメント (14)
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