また、あの日がやって来ます。
7年の月日は、新たなる時代を生み、人々の歴史を生むはずなのに、
その時は止まったまま、悪魔が成せるような瞬間から、全く
時が止まったかのように、苦悩の日々が続いています。
遠い過去の様に思えて、全く同じ恐怖が消えていない苦しさは
ニュースでしか知らされない多く人々にとっては、想像もできない
悲しみの連続と言えます。
私たち人間は、長い歴史の中で、自分達の脅威となるもの、私達に
被害を及ぼすものと思われる物には、様々な方法を講じて対処して
来たのですが、近年の人類に対する脅威は、益々、目に見えない、
想像し得ないものとなって来ました。
文明社会の急激な進歩は、公害という形で人々を苦しめるだけでなく
その被害は、地球規模となり、今では、地球の気象を変えてしまう程と
なってしまいました。
地球温暖化と言っても、私達は、単に、地球の気温が暖かくなった
位にしか感じる事が出来ないのですが、ほんの数度、地球全体の
平均気温が上昇しただけで、多くの穀物が採れなくなり、一段と
砂漠化が進行すると言われています。
生活していく上では、何の問題の無い様に思える気温上昇が
私達が生きて行く為の食料を激減させると言う事実を、
豊かな先進国は、自覚する事が出来ません。
目の前に、世界中を巻き込む食糧危機が近づいていると言うのに
明日も明後日も、食べたいものは間違いなく手に入ると思っている
現代人はとても多いのです。
所で、人類の必要とする電気エネルギーを得る為に造られた
原子力発電所は、人類にとって、救世主といえる程の存在です。
化石燃料を使うよりも遥かに効率よく莫大なる電力を生む
原子力発電は、いまでは、世界中の国々の電力を大きく賄い
危険な核廃棄物を生むとしても、私達の環境に直接買被害を
及ぼさないとあって、人類の発展に大きく貢献すると
考えられてきました。
しかしながら、アメリカのスリーマイル島の原子力発電所事故
ロシアのチェルノブイリ原発事故、そして、福島第二原発の事故と
一度、原子力発電所が持つ危険なパンドラの箱を開けた時、
人類にとっては、もっとも攻略しにくい難敵を抱える事と成るのです。
これまで、原子力の負の力を封印する事で、人類に大きく貢献
して来たのですが、もし原子力発電所が人類の手を離れて暴走した時
果たして私達人類は太刀打ちできるのか、その明確な答えが出せず
事故の周辺の地域は、いまだに目に見えない恐怖に怯えているのです。
日本には、稼働している原子炉よりも遥かに多くの停止した原子炉が
全国に在ります。
止まっているから、何の問題も無いと思われがちですが、原子炉を
安全に停止させておくだけで、何兆円ものお金が必要であると
報じられています。
もし、何だかの異常が生じて、原子炉の温度が上昇する事で
核分裂反応が異常に高く成ったら、福島の二の舞と成ってしまい
またもや未曽有うの被害をもたらしてしまうのです。
しかしながら、原子力発電所が恐怖となる原因は、これだけでは
有りません。
今や、隣国からのミサイルの脅威に、我が国だけでなく、遠く
アメリカであっても戦々恐々としているのです。
ICBMの開発は、世界中を核戦争に巻き込む可能性が有り、
今後如何なる状況が生まれるか、南北の対話が有ったとは言え
何だ解決する保証はないのです。
最悪の事態が生じた時、ミサイルは、多くの人が生活する
都市部や軍事基地に向けられると思われる方が多いのですが、
最も恐ろしいのは、核ミサイルの標的が、原子力発電所に成る事です。
多くの原子力発電所は、メルトダウンによる内部からの破壊には
弱いのですが、外部からの攻撃には、極めて頑強に作られていて
通常兵器で原子炉が破壊されることは無いと言われています。
しかし、核攻撃を受けた時、果たして、原子炉を損傷しないかとは
言えないのです。
核爆発が起こると、その中心部の温度は、建造物を蒸発させる程高く
実際にその様な事態が覆った事が無い為、大丈夫だろうと言う想定で
世界中に多くの原子力発電所が作られているのですが、もし、
原子力発電所を核ミサイルで狙われた時、核爆発がメルトダウンを起こし
大きく環境を汚染してしまう可能性が有るのです。
福島第二原発が爆発して、広範囲に降り注いだ大量の放射能物質は、
除染されていない地域では相変わらずの高い線量であり、多くの
野生動物や植物は、高濃度の放射能物質を取り込み、生態系に
大きな問題を生んでいます。
除染が済んで安全と言われる地域は、居住地域のごく限られた場所で
殆どの土地はあの時のままの汚染状態に変わりは有りません。
多くの災害は、たとえ大地震の後であっても、月日が過ぎるにつれ
次第に復興し、新たなる街が作られ、人々も元の様な生活が出来る
可能性が高いのですが、この原子力関係の事故は、何年も復興せず
放射能によっては、数千年数万年もの半減期が必要である事も有ります。
つまり、私達人間の生活尺度では測れない、途方もない行く末まで
人間を含めあらゆる生き物に影響を与える可能性が高いのです。
我が国に於いても、原子力発電所の数だけ、核爆弾を持っているとも言え
正に、両刃の剣の様に、私達日本人を苦しめる結果となりかねません。
私達人類が、経済的に豊かになる為に、地球上のあらゆる食料と資源を
利用して来た事が、近年、次々に裏目に出てきていて、生活が豊かになる
その代償は、私達の未来を失う事になるかもしれないのです。
私たち人類は、地球の支配者になったとは言え、自分達の幸せだけを
考えて経済成長して来た事が、地球上のあらゆる生き物達を苦しめ
絶滅に追いやっている事を深く考える必要が有ります。
どんなに文明が進歩しても、私達は、地球の生き物の1つとして、
他の生き物を命の糧として利用しなければなりません。
しかし、その私達の命の綱を自ら切り捨てる行為は、自分達の未来を
閉じる事と成るのです。
目先の利益しか考えない人は、今が幸せであれば良いと思うかもしれませんが、
人類繁栄の影響は、年々顕著になり、私達の生活を苦しめている事を
理解しなければなりません。
多くの発展途上国の食料不足、世界で頻発するテロ、経済格差、戦争
その全ての根源は、私たち人類が、太古の昔から守って来た、
食物連鎖を無視して、一方的に食料と資源を搾取した事に有ります。
世界の人々に、大きな経済格差を作り、一部の人達が大多数の人々を
支配し、食料と資源を独占している事が、人間同士の諍いを多くし
地球環境を更に悪化させていると言えるのです。