めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

高級料亭で食べる魚を、自らの手で

2015-10-06 15:08:27 | 食欲の秋

秋になると、美味しそうな食べ物が巷に溢れ、
何でも食べたくなり、ちょっと油断すると、ベルトを止める
穴の位置が一つずれてしまいます。

とはいうものの、街を歩けば、何処を見ても美味しそうな

レストランや商店が並び、一つ一つ気に留めていたら、
全部に手を出してしまいそうです。

特に、デパ地下の食品コーナーを見れば、その美味しそうな

色合や並べ方に、思わず身体が引き込まれてしまいます。
しかしながら、どれも美味しそうですが、やはり、本当に美味しく
素材が良いものは、伸びた手がためらってしまいます。

ところで、私達庶民は、本当に新鮮な物には、中々出会えないものです。

特に、新鮮な魚となると、流通システムの発達でかなり良質な物が
手に入るようにはなりましたが、それでも、本当の味と言うのには
そう簡単に、お目に掛れないものです。

中でも、高級料亭などに入荷する新鮮な魚は、ただ新しいだけでなく

獲れた時にしっかりとした処理をして、鮮度とうま味が保たれています。
その為、食べると美味しいだけでなく、私達が家庭で食べる魚とは
一味違った美味しさが有ります。

しかし、一般庶民は、いつもそんな高級料理が食べられる訳では

有りません。
同じ魚が、何でこんなに味が違うのかと言うと、ただプロの料理人が
料理したからだけではないのです。
でも、そんな魚を食べたいと思うのは人の常です。

懐具合が良い方は、何時でも食べられるかもしれませんが、

一般庶民が、食べたいときに味わう方法が一つあります。
それは、釣りに行く事です。
日本は、周囲が海に囲まれていて、その気になればどこに居ても
近くの海に行く事が出来ます。

私は東京に住んでいるので、海と言えば東京湾ですが、

日本全国、様々な地で、その土地には必ず釣りになる場所が有ります。
東京湾の場合は、船で釣ったり、釣り公園に行ったりしますが、
護岸からのんびりと釣る事も出来、結構大物も釣れるものです。

私が出かけるポイントは、近くに工業地帯が広がる、沿岸ですが、

そんな所にも、料亭で頂く様な魚がやって来るのです。
東京湾は、全国でも有数の漁獲を誇り、江戸前として大量の魚が
築地に上げられています。

私達釣り人が、釣れる魚は、スズキやメバルと言った、いわゆる高級魚から

アジ、イワシ、サバと行った大衆魚まで多岐に渡ります。
東京湾も、一日釣れば、結構獲物が釣れて、釣り公園などは連日
入場制限が出る程の盛況です。

ところで、釣りで大切な事は、釣った魚を持ち帰れば新鮮だと思わない事です。

これは、その日に釣れた物なので新鮮で美味しいと思うのは大間違いで、
釣った魚は不味くて臭くて美味しくないと言う人の食べ方です。

東京湾の魚が、都内の高級料理店で引っ張りだこなのは、獲った後の

処理がしっかりとしているからです。
それは、釣れたらすぐに、エラと脊椎を切断ししっかりと血を抜いているからです。
つまり、不味かったり、臭かったりする魚は、生きている時にすぐ血抜きをせず
そのまま、バケツや網に入れて保管しているからです。

包丁やナイフを持って行って、釣ったら直ぐに鰓に刃を差し込み、脊椎も切断し

そのまま海水の入ったバケツに入れて血を抜き、その後、クーラーに入れて
保存して持ち帰れば、あなたも料亭の味を味わえるのです。

しっかりと血抜きした魚の身は、白く透き通っていて、臭みは全く有りません。

血が抜けているので、内臓処理をして置けば、2~3日は全く大丈夫で
一日冷蔵庫に寝かせれば、筋肉の中のアミノ酸が更に美味しさを増します。

赤坂や銀座で、一皿一万円を超える様な江戸前の御作りが味わえるのです。

お店に売っている食品は、流通機構の進歩で、かなり新鮮となっていますが、
間を通さず、自ら獲って処理した魚は、カルチャーショックを受ける美味しさです。
釣りは、釣る事だけの趣味の方も多いですが、料理を目的として楽しむと
その満足度は数段上がります。