めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

金正恩、トランプの対談が意味するもの

2018-03-10 14:17:55 | 政治

ようやく金正恩とトランプの両首脳による直接対談が実現しようとしています。
いずれ何処かで相見合わなければならない事は解っていた事なのですが、
この歴史的対談が、今後の世界に、吉と出るか凶と出るかは解りません。
これまでの、両国の交渉の歴史は、決して、好ましい結果を生んだとは言えず、
殆どの場合、裏切りに依る、一方的な破棄に終わっています。
何度も煮え湯を飲まされて来たとあって、決して、今度こそは世界が望む様に
会談が行われるとは言えず、またもや、北朝鮮の術中にはまってしまうのではと
案ずる有識者も多い様です。

しかしながら、全く交渉の糸口すら見い出せないより、例え、数パーセントの
可能性であっても、周辺国のみならず、世界の多くの国々が望む方向に進めば
という微かな望みを繋ぐ一手となってくれればと思います。
とは言っても、世界中の人々が愁う、最悪の方向に行かないとも限りません。
これまでの交渉も、その後何度も核開発を進め、ミサイル実験が終わる事は
一向に無かったのですから。

この新たなる事態に対して、我が国は、一体、どの様な立場をとれば良いのでしょう。
これまで通り、アメリカの傘の下で、唯、成り行きを見守る事しか出来ないのしょうか。
我が国の未来と安全を、他国の、しかも、お互いに、自分の事しか考えられない
リーダー達に託して良いのでしょうか。
戦争に成ったとすれば、国土と国民に大きな犠牲を生み、平和になったとしても
相変らずアメリカの防衛戦線の盾となり、軍事的な意味合いでしかない立場を
取り続けなければならないのでしょうか。

戦後、本土復帰したと言うのは、建前であり、現実は、アメリカの最前線基地での
植民地に過ぎない沖縄の悲劇は、一体誰が拭い去るのでしょう。
本来ならば、大切な日本国の一部として、そして、大切な日本国民として守る事が
日本政府の成すべき義務と言えるのですが、その大切な役割を棄てて、アメリカの
言い成りになっているのは、単に、軍事的に我が国が弱いと言うだけの事ではなく、
アメリカが支配する事で、多くの見返りを得ている方々が日本に居ると言う事です。

しかも、戦後半世紀以上、日本中の土地を、アメリカの基地に提供する見返りに
様々な恩恵を被っているのです。
この事は、アメリカに対する直接的な貿易に関しても、戦後の復興支援にしても
アメリカ軍を常駐させる事で、莫大なる支援を受けて来た人達が多くいるからです。
その殆どが、戦後、アメリカの保護の元、日本の中核の企業として、更には
政界に於いても大きな力を担って来た事は明らかな事実なのです。

戦後の高度成長も、単に、日本国民の力というより、戦勝国であるアメリカから
多大なる支援を受けた方々が大きな力を持っていた事も事実です。
ただ戦争に負けただけならば、日本はこれ程にも早く経済発展をする事は出来ず、
日本が短期間で、先進国の仲間入りを出来たのは、アメリカ等の戦勝国による
膨大なる援助が陰にあったのです。

しかしながら、日本をこれ程にも発展させたアメリカの考えは、明らかに、
日本を自分達の国を守る為の防衛国としておきたかったと言えます。
この事は、韓国に於いても言える事であり、独立をさせ、経済発展をさせる
見返りとして、多くのアメリカ軍基地の常駐を認めさせたのです。

しかし、この事が、周辺国に大きな反発を生みました。
中国、ロシア等、世界経済に大きな影響を与える国々の近くに
アメリカの軍事基地が存在する事は、それだけで脅威であり、日本も韓国も
事実上、アメリカの一部とみなされるのです。

私たち日本人は、例え、国内の多くの場所にアメリカ軍の基地が在ったとしても
それ程脅威を感じません。むしろ、有事の時は、我が国を守ってくれるものと
思っている人の方が多いのです。
しかし、大国の思いは、全く違っているのです。
どんなにアメリカ軍関係者が友好な態度を取ろうと、ロシア、アメリカ、北朝鮮は
常に身近な所から、ミサイルを始め、様々な軍事兵器で狙われていると思うのです。
この、我が国と、東アジアの国々の考え方の温度差が、日本人が、いつまで経っても
独り立ちできない原因ともいえるのです。
経済的な友好国として日本を位置付けていると強調するアメリカの本音は、
いざという時は、日本は、アメリカの最前線の基地の役割をすると考えるのです。

私たち日本人は、人を見たら泥棒と思えと言うより、まず、友好的な態度を示し
相手を善人と考えがちです。
誠意をもって接すれば、相手は解ってくれるとする考えを持つ人が多く、
この事は、長い歴史の中で、他国からの侵略を受けて来なかった事や
様々な自然災害に対して、共同して対処して来た歴史がある為、
与えられた条件や環境をそのまま受け入れる傾向が多いのです。

簡単に言えば、騙されやすくてお人よしと言えるのです。
この日本人の性格は、人としては、多くの人々と平和に生きて行ける
とても素晴らしい生き方と言え、多数の海外からの旅行者が
口をそろえて、日本人の心の優しさを称える事からも解ります

しかしながら、長く侵略略奪の歴史を重ねて来た隣国に於いては、
如何にして、求める物を奪い取るかが重要でした。
少しでも気を許せば、侵略者に絶滅させられてしまう事も有ったのです。
その歴史の背景が、日本と近隣諸国の考え方の違いであり、
日本人の考えがなかなか受け入れられない理由でも有るのです。

今回の、金正恩とトランプの対談も、私たち日本人が考える
お互いが平和の為に交渉するとは考えにくいのです。
どちらも、お互いに、利益が無ければ、対談は成立せず、
戦争回避というより、この機を利用して、どれだけ多くの利益を
得られるかが一番の論点と言えるのです。

その証拠に、どちらも交渉にあたって、軍事的圧力を弱める考えは
全く無いと言ってよく、例え、交渉が成立したとしても、現在の
軍事的脅威は無くならないのです。
日本人が考える、両国の対談により、お互いの軍事力を
削減する考えは全くなく、交渉術として、其々の条件を提言するだけ
と言えるのです。

北朝鮮にしてみれば、経済制裁が国民に対して与える影響が強く成れば
現政権の力を疑う可能性が出て来たり、政権交代の内乱が起こらない
とも限らないのです。
アメリカとの交渉で、北朝鮮の力を示した事に依り、多くの援助を
勝ち得たと、声高らかに国民に誇示するのが目的であり、
国民の生活が良くならないにしても、統率者達の存在価値と意味を
知らしめるに使われるのは明らかと言えます。

これまで、何度も条約を破棄し、すぐさま軍事行動や核開発に
取り組んだのは、条約が、だだ、国民をなだめる為だけに使われ
世界が期待する核兵器放棄には何だ繋がらないのです。

今や、北朝鮮国民は、極寒の中で、食料、エネルギー不足に苦しみ
地獄の様な生活を送っています。
度重なる、日本への小舟での渡航は、彼らの生活が、如何に困窮し
国も命も捨てても脱出したいと思わせる事態となっているのです。

当然、金正恩を始めとする北朝鮮執行部の体制に不満を持つ人も多く
これまでも、投獄されたり強制労働に数多くの人達が弾圧されました。
しかし、生きる事で精一杯の国民に、現政権を強く支持させるには、
少しでも、生きる糧を与えなければなりません。
これまでのアメリカとの交渉は、周辺国やアメリカからすると、
核の放棄や軍事力縮小につながるのではと期待するのですが、
残念ながら、そんな気持ちは全く無いといえるのです。
アメリカとの交渉は、国民の不平不満を抑える事が第一なのです

ただ、今や、北朝鮮国内は、アメリカとの交渉に応じ無ければ
ならない程貧窮しているのです。
直ぐにでも、アメリカ本土や近隣のアメリカ軍基地にミサイルを
発射したいと思っているのですが、背に腹は代えられないと言う事です。

本当に厄介にな隣国を持ったと言えますが、はたして、私達にとって
脅威となり、戦争をしかねないこのような国を、抹殺してしまったり
国としての機能を無くしてしまう事が正しい方法なのでしょうか。

戦争は、お互いの主張が合い入れなくなり、力をもって相手の考えを
ねじ伏せ、自分達の言い成りにさせる事ですが、その様な方法で
果たして、世界は平和になると言えるのでしょうか。

アメリカ社会を見ても、自分たちの脅威となるものに対しては、
相手を殺しても構わないとする銃の保持がみとめられています。
それこそ、人を見たら泥棒と思え、と言った社会なのです。
しかし、この事で、アメリカ社会は平和になったと言えるので
しょうか。

自分達を守る為とした銃で、どれだけ多くの悲しい事件が毎年
繰り返されているでしょう。
この事は、世界の国々の間に置いても、同じ事が言えます。
銃の代わりに、多くの国が、巨大軍事施設を持ち、常に戦争を
想定した軍事訓練が行われています

しかし、世界から、戦争は無くならず、今では、世界中でテロが
頻発しています。
銃も武器も、自分達を守ると言うより、自分と異なる考えの人を
力でねじ伏すために使われています。
我が国周辺の緊張は、正に、この自分の考えを押し付ける為の
軍事行動なのです。

歴史が示す様に、力で相手を思い通りにすれば、同じように力で
報復されます。
何度となく政権が変わり、多くの血が流され、長い時間、憎しみと
悲しみが人々の心を支配します。

私達人間は、他の動物と同じく、この小さな地球で生きて行かなければならす、
全ての生き物は、互いに食物連鎖によって生かされています。
人間社会に於いても、例え貧富の差が有ろうとも、互いに助け合い協力し合う事で
平和な未来を築いて行けるのです。

一方的にに、一部の人達や国が、世界の富を独占する事は、いずれ多くの不満を生み
諍いの種が生れるのです。
今や、先進国と言われる一部の国が、世界の富を独占しているとも言われます。
あらゆる食料を手に入れ、経済的に豊かな生活をする国が有るものの、
多くの国が、国民の食料を得る事すら苦慮しているのです。

北朝鮮にしても、国民が飢餓に苦しんでいる国の1つと言えます。
ただ、その苦境を、軍事力を持って解決しようとした事に問題が有り
現在に至る世界の緊張を生む事と成っているのです。

今や、地球温暖化により、世界中の食料不足が現実のものと成っています。
豊かな国はより豊かに、貧しい国は、より貧しくと言うのが現状です。
このことは、日本に於いても、同じ社会現象が見られます。
如何なる生活をしようと、いかなる階層に居ようと、戦争が起これば
全ての人々が地獄の苦しみを担う事と成るのです。
戦争は避けなければなりません。しかし、貧富の差が有る限り
人々は、争いから逃れられないのです。
人類が争わずに平和に生きて行くには、一体どうしたら良いのか。
国際問題のみならず、個人の問題としても大きな命題と言えます。