私はかつて大学のクラブで沖縄に行っていたことがある。
透明度の高い沖縄の海はまるで竜宮城の世界で
色とりどりのサンゴの周りを極彩色の魚たちが
何百匹もお花畑に蝶が舞う様に思えて感動したものだ。
当時は透き通った海が本来の自然な海で、濁った
底も見えない様な日本の多くの沿岸部の海は
汚れてまるで濁った貯水池の様に感じていた。
時は高度成長の真っただ中、日本の沿岸には
多くの工場が建てられ、そこから流れ出る汚染水と
家庭から出る生活排水で汚れきっていた。
その反動からか沖縄の海はまるで天国。海と空が
我々の心を強く引き付けたのは言うまでもない。
その後数十年が経ち、汚染された日本沿岸も
次第に元の様な美しい海に変わって行った。
しかし、今の日本人の多くが感ずる美しい海とは
沖縄や海外の美しいリゾートの海だ。
底までプールの様に透き通った海が理想の
海であると信じている。
汚れた海の汚染物質を取り除くために、下水道の
全国普及を目指し工場排水を著しく規制して
海や川の水質向上を果たしてきた。
努力の甲斐があって海も川も次第に透明度が増し
東京湾内であっても岸から覗くと海の底が綺麗に
見えるようになった地区が多くなってきた。
我が家の前を流れる目黒川も時々底がしっかり
見えるほど透き通っている日も少なくない。
少し足を伸ばして横浜港あたりまで行くと
観光客が多く訪れる山下公園の前の海も
シッカリと底が見えるほどの透明度だ。
しかし、目黒川にしても横浜の海にしても
少しおかしいのが解る。
まるでプールの底を覗いているかの様なのだ。
水の中や底に生命活動を感じられる動きや
姿が全く見えない。
今の子供たちの多くは知らないだろうが、
かつて日本の海川は生命に満ち溢れていた。
水族館で見られるような魚の大きな群れも
ごく普通に見られ、子供の頃に遠浅の海で
泳いでいると周りを小魚に取り囲まれたり
足の裏でカレイを踏みつけたりしたものだ。
そして今の綺麗な海と大きな違いは
四季に応じて海の色が様々に変わることだ。
その原因の多くはプランクトンの発生と
海洋生物の生活形態の違いからくる。
春先の日本の沿岸は多くの動物の産卵と
成長を助ける多くの植物プランクトンと
動物プランクトンの発生で冬の海と違って
様々な色に変わってくる。
沿岸部の浅い海は、水温の上昇と共に
生物に溢れ、まるで揺り籠の様な状態になる。
最近の海も川も護岸で固められ、砂地が無くなり
太陽の光が十分到達する浅瀬も減ってしまった。
プールの様な海や川を美しいと感じる様では
日本の本当に美しい海は帰ってこない。
こんな偽物の海や川を子供達や子孫に残して
良いのだろうか。
全ての生物は繋がっているいる。
それが本当に感じられるフィールドが
日本にはかつてどこにでもあった。
人の都合だけの美しい自然はもういらない。
透明度の高い沖縄の海はまるで竜宮城の世界で
色とりどりのサンゴの周りを極彩色の魚たちが
何百匹もお花畑に蝶が舞う様に思えて感動したものだ。
当時は透き通った海が本来の自然な海で、濁った
底も見えない様な日本の多くの沿岸部の海は
汚れてまるで濁った貯水池の様に感じていた。
時は高度成長の真っただ中、日本の沿岸には
多くの工場が建てられ、そこから流れ出る汚染水と
家庭から出る生活排水で汚れきっていた。
その反動からか沖縄の海はまるで天国。海と空が
我々の心を強く引き付けたのは言うまでもない。
その後数十年が経ち、汚染された日本沿岸も
次第に元の様な美しい海に変わって行った。
しかし、今の日本人の多くが感ずる美しい海とは
沖縄や海外の美しいリゾートの海だ。
底までプールの様に透き通った海が理想の
海であると信じている。
汚れた海の汚染物質を取り除くために、下水道の
全国普及を目指し工場排水を著しく規制して
海や川の水質向上を果たしてきた。
努力の甲斐があって海も川も次第に透明度が増し
東京湾内であっても岸から覗くと海の底が綺麗に
見えるようになった地区が多くなってきた。
我が家の前を流れる目黒川も時々底がしっかり
見えるほど透き通っている日も少なくない。
少し足を伸ばして横浜港あたりまで行くと
観光客が多く訪れる山下公園の前の海も
シッカリと底が見えるほどの透明度だ。
しかし、目黒川にしても横浜の海にしても
少しおかしいのが解る。
まるでプールの底を覗いているかの様なのだ。
水の中や底に生命活動を感じられる動きや
姿が全く見えない。
今の子供たちの多くは知らないだろうが、
かつて日本の海川は生命に満ち溢れていた。
水族館で見られるような魚の大きな群れも
ごく普通に見られ、子供の頃に遠浅の海で
泳いでいると周りを小魚に取り囲まれたり
足の裏でカレイを踏みつけたりしたものだ。
そして今の綺麗な海と大きな違いは
四季に応じて海の色が様々に変わることだ。
その原因の多くはプランクトンの発生と
海洋生物の生活形態の違いからくる。
春先の日本の沿岸は多くの動物の産卵と
成長を助ける多くの植物プランクトンと
動物プランクトンの発生で冬の海と違って
様々な色に変わってくる。
沿岸部の浅い海は、水温の上昇と共に
生物に溢れ、まるで揺り籠の様な状態になる。
最近の海も川も護岸で固められ、砂地が無くなり
太陽の光が十分到達する浅瀬も減ってしまった。
プールの様な海や川を美しいと感じる様では
日本の本当に美しい海は帰ってこない。
こんな偽物の海や川を子供達や子孫に残して
良いのだろうか。
全ての生物は繋がっているいる。
それが本当に感じられるフィールドが
日本にはかつてどこにでもあった。
人の都合だけの美しい自然はもういらない。