めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

いよいよ終盤、桜狂騒曲!

2015-03-31 15:39:53 | お花見

今年の桜は、天気にも恵まれ、連日多くの人々を楽しませています。
私も、開花当日から日に日に変わる花景色に、日本の春の楽しさ美しさを
あらためて満喫しています。
ホームグラウンドである目黒川周辺から、都内の桜名所を巡り、暖かい春の風に
身も心も解放され、この素晴らし季節を沢山の人々と一緒に喜ぶ事が出来て
本当に幸せです。

最近では、海外からもこの時期にわざわざ来日し、日本人と大自然に対する

喜びを共に分かち合える方々が多くいらっしゃる事を、心から嬉しく思います。
目黒川周辺も、毎年多くの花見客が訪れる様になり、それに伴い周辺の地域も
賑やかになって、街全体の活気も高まって来ました。

知名度が増すにつれ、花見のみならず、全国から訪れる人々も多くなりました。

商店街も、ここ10年程で新しいお店が次々にオープンし、東京都区内に於いても
住んでみたい街のトップランクにいつも推挙されるまでになって来ました。
私の住んでいる地域も、かつては静かな住宅街だったのですが、この時期ともなると
連日多くの方が訪れ、美しく咲き誇る桜に感動の声が上がっています

しかし、問題も無いわけでは有りません。いえ、増えたと言ってもいいでしょう。

当然、多くの人が突然集まってくると、その受け入れ態勢は不十分と言えます。
昔のお花見は、のんびりと地元の人達が集まって、ゆっくりと眺めたり、花の下で
食事をしたりしたものですが、今では、歩く人々の多さに、原宿の竹下通りを見る様です。
ゆっくり見ると言うより、人の流れに乗ってウォーキングしているみたいです。

そして毎年の事ながら、ゴミの多さには閉口します。

地元の方々の努力により、ゴミが、せっかくいらした方々に不快感を与えない様に
的確に処理されていたのですが、それでも、あまりの量に、至る所で山積していました。

更に困った事は、桜に気を取られたり、写真に夢中で、桜の木の周りや

生垣の植物たちが無残にも踏み付けられて、見るも哀れな状態になっている事です。
確かに目を奪われる程桜は美しいものです。しかし、その美しさを支えているのは
太い幹の下に在る沢山の根であり、柔らかい土壌なのです。

植物は一般に、枝の張りの広さだけ根の広がりが必要と言われます。

しかし、都会において植樹される木々は、根の張りが制限され、
非常に過酷な状態で水分や栄養分を吸収しなければなりません。
限られた土地の中で、様々な方向に根を張り巡らし命を支えています。
私達が何気なく行う行為が、桜達を苦しめている事も知って欲しいのです。

更にもう一つは、目黒川です。

この美しい桜を語る時、必ず、その前に目黒川と言う名称が付きます。
これは単に名前では有りません。命の水が流れる川の名称です。
しかしながら、ご存じの通り、目黒川は、川ではなく、生活排水路です。
美しい桜のバックに黒く濁った目黒川が有り、桜の花をより引き立てています。
でも、これは本来の姿では有りません。川の土手に咲く桜の命を育てる
安全できれいな水が流れていなければならないのです。

確かに、高度成長期に比べれば、多少は綺麗になったのですが、

生命が息づく川としては、いまだ一歩も進んではいないのです。
桜がこれ程にも美しいのに、その下に流れる川の水が命を支えられないとは、
この不自然さをこれから考えて行かなければなりません。

何時か将来、目黒川に、春の魚達が産卵に遡上する様な美しい流れが戻ることを

夢見ているのは私だけではないと思います。
日本中の川が私達の生活により汚れています。
世界から多くの人々をおもてなしするには、日本が本来持っていた
美しい大自然を復活させる事が私達の義務ではないでしょうか。


満開の川面を小舟が遡上します


風に花弁が舞っています


川の水面も桜模様


ピンクのトンネルが夢の国へ


足元にも春の色合


桜を求め都内を歩く

2015-03-30 15:41:26 | お花見

日曜日は、朝から青空が広がり、絶好のお花見日和です。
しかしながら、天気予報によると、午後からは雨が予想されます。
その為、早い時間に、行けるだけのお花見スポットに出かける事にしました。

9時前には家を出て、まずは、新宿御苑に向かいます。
恵比寿からJRに乗って、千駄ヶ谷で下車します。
多くの方が新宿側から入場しますが、真反対の千駄ヶ谷から入ると、
シーズンとは言え、のんびりとお花見を楽しめます。
最近、園内にアルコールを無断で持ち込む人が増え、入り口では
飛行機に乗る時のようなチェックを受けます。

園内にはいると、西側の森は、沢山の木々が生い茂っていて、とても静かで

これが大都会の一角とは思えない程です。
様々な桜の種類が有り、色合から木の形まで、その美しさに思わずため息が出ます。
風が吹くと、四方八方から舞い降りてくるピンクの花弁が、朝日に光って
この世のものとは思えない程の異空間を作りあげます。

そんな神秘的な森を抜けると、明るい空間に、ピンクのカーテンを身に纏った

枝垂桜が目に飛び込んで来ます。
ちょうど満開で、どの角度から見ても、美しいベールが青い空にユラユラと揺れて
喜びの春を演出している様です。

しばらく立ち止まって、何枚ものショットを撮った後、緩やかな斜面を登って行くと

広々とした芝部の庭園が目の前にパノラマの様に広がります。
遠景で見えるこんもりとした桜の木々が、公園に集う多くの人達を囲むように植えられ
自然の美しさのみならず、平和な春の一日を心行くまで感じさせてくれます。

新宿御苑を後にして、今度は浅草まで地下鉄に乗り足を伸ばします。

目的はスカイツリーをバックにした桜を見る為です。
30分程で隅田川の流域に広がる公園に到着しました。
やはり、都内の桜の名称は凄い人ごみです。

ここは、私達日本人のみならず、日本の春を楽しみに訪れた多くの外国人で賑わいます。

桜の咲く河畔を歩いていても、聞こえてくるのは海外の言葉ばかりです。
公園の一角には、成田から直接バスで乗り込んできたと思える観光客が溢れています。

浅草寺までやって来ると、歩く事すら大変です。

途中で脇道からエスケープをして、早々と帰る事となりました。
すでに午後一時を過ぎています。予報ではもうすぐ雨になります。
浅草から銀座線に乗って渋谷まで向かいます。

朝から動きづめで、妻も私も渋谷まで電車の中でぐっすりと眠ってしまいました。

渋谷からは自宅までバスで20分かからない程です。
空も少し灰色がかって来ました。何やら怪しげな風も吹いてきました。
中目黒近くまで進むと、次第に歩道に人があふれ始めました。

バスの窓から外を見ると、目黒川の上を覆い尽くすほどの桜が見えます。

後10分もすれば我が家に帰れるのですが、気が付いたらもう降りていました。
昨日早朝から歩いた同じ道を下流に向かったゆっくりと歩きます。
しかし、一日違うだけで、しかも午後という事もあるのでしょう。
歩道は人の川が永遠と続いています。

もし桜が無かったらうんざりと言うところですが、川を覆わんばかりの美しい桜が

そんな思いを全く抱かせません。沢山の屋台が並び、どの顔も桜の様に笑顔です。
日一日と変わっていく桜に、美しさと共にはかなさを感じるのが日本人なのでしょうか。
満開の桜に酔いしれながらも、直ぐに消え去るこの喜びを惜しむかのように
誰もがこの一日を満喫しようとしてる様でした。

幾つも掛る橋の上からシャッターを切り、時間をかけて中目黒駅に向かいます。

後数日すればまた新しい季節へと自然は移り変わって行くのでしょうが、
この刹那な幸せが人々の心に安らぎと喜びを与えているのは明らかです。

中目黒駅に近づくと、何やら雲行きが怪しく、暗くなってきました。

そう思った数分後、大粒の雨が無情にも桜の花に落ちてきました。
一斉に雨宿りをしたり、持ってきた傘を広げたり、それまでのんびりと楽しんでいた
夢の時間に水が差されました。

私達も足早に帰宅、一日中歩いていたため、いささかぐったりの状態です。

夕飯の準備もままならないと思い、帰り際スーパーで買った花見弁当を頬張ります。
ちょっとおしゃれに、ピンク色の可愛いワインを開けて、今日一日を振り返ります。
しばらくすると、疲れと酔いで心地よく、夢の世界を漂っている様でした。

今朝早く起きると、外はとても良いお天気です。

散歩がてら遊歩道に出てみると、早朝から多くの方が、空を仰ぎ、笑顔で一杯です。
まだ数日間はこんな状態でしょうが、人々の幸せそうな表情がいつも見られる日本が
何時までも続く事を願いたいものです。


新宿御苑の垂れ桜


ひと際鮮やかな桜、陽光


少し曇り気味の浅草


満開の中目黒の桜


お花見弁当で夕飯

 


中目黒の桜並木

2015-03-28 16:56:18 | お花見

桜のシーズンもいよいよ本番です。
今日は週末の土曜とあって、しかも、明日はと天気が悪くなる予報です。
外に出てみると、少し曇りがちとは言え、まずまずの無風状態です。
昨日に引き続き、今朝は、中目黒まで足を伸ばしてみました。
朝食の前に、早い時間からバスに乗って出かけました。

バスに乗らなくても歩ける距離なのですが、今日は、大混雑が予想されます。

目黒川の上流にあるバス停で降りると、ゆっくりとカメラ片手に下って行きます。
いつもの赤い橋のところまで来ると、まだ早朝なのに、沢山の人がカメラを覗いています。
この場所は、昔からお気に入りで、赤く染められた橋と桜が華やかな春を演出し、
絶好の撮影ポイントです。
何とか人が移り込まない様に考えるのですが、今日は、どの方向からファインダーを覗いても
誰か写り込んでしまいます。
それでも10枚程心が動いた景色を写し撮ると、下流に向かって歩き始めます。

まだ朝の早い時間である事も有って、屋台も川の周辺のお店も、準備中です。

それでも、早くから数件の屋台が並んでいます。
桜色したワインが飛ぶように売れています。
ピンクのワインを片手に、ブラブラと歩く人々に幸せな時間を感じます。
最近では国際色も豊かになり、桜を愛でる人たちの中に、多くの海外の方が見られます。
様々な言語が飛び交っていますが、どの顔も同じで、桜の美しさにとても幸せそうです。

30分程下ると、そこは中目黒の駅の高架橋です。

ここまで来ると、少し歩きづらくなる程の人ごみです。
まだ、お昼前の時間であり、まだ、出勤中の人達も多いのに、この人ごみは驚きです。
夜になればどれ程の人々が訪れるかと思うと、とても暗くなって出かけようとは思いません。

中目黒駅からバスに乗って我が家に帰ってくると、すでに、河畔を歩く多くの花見客が

遠くから伺えます。
毎年の事ながら、中目黒周辺と変わらない程の人の流れになっていました。
朝食の前に、毎日写真をアップしている周辺の桜を撮りに行ってきました。
ほんの数日前までの光景と比べて、驚くほどの変化です。
桜も日々開花して変わっていますが、人々の数に驚きます。

明日は、午後からあまり天気が良くないと予報に有りました。

しかし、雨が降っている時、傘をさしながら濡れた桜を眺めていると、
不思議と話が弾み、花の美しさに気を取られている晴天の時と違った
しっとりとした風情が感じられるものです。


赤い橋を桜のトンネルが覆います


川に沿って華やかな提灯が並びます


川面を覆い尽くさんばかりの桜の花


明日にも満開


目黒川の桜に降り注ぐ春の光

2015-03-27 15:32:16 | お花見

今日は朝からとても暖かくて、昨日までの寒さが嘘の様です。
昨晩仕事から帰ってくると、恒例のピンクの提灯が点灯されていて、
咲き始めた桜の花を美しく演出しています。

急いで玄関先に荷物を置いて、カメラ片手に目黒川に行こうと
道路に飛び出ると、先ほどまで幻想的な光を放っていた提灯が消えて
暗闇の中にわずかに咲き始めた桜を白い電灯の光が照らしているだけでした。

ほんの数分の事でしたが、消灯時間ちょっと前に帰宅したみたいです。
がっくり肩を落として帰宅すると、私を見るなり妻はいつもの笑顔で
また明日ね!と微笑みました。

翌日八時過ぎに目を覚ますと、幸い非常に良いお天気です。
少し気温が高くなっている様で、窓を開けても寒さを感じません。
家族はいまだ夢の中の様なので、そっと準備をして足早に遊歩道に向かいます。

本当に暖かい朝です。
今日は一日でかなりの蕾が開花しそうです。
いつものカメラポジションに来て、ファインダーを覗きこむと、
昨日よりも一層白い花びらが多くなっています。
蕾の頃は殆ど見られなかったカメラをもった人たちが沢山歩いています。

昨日は少し風が有って、揺れる花弁にピントが合いにくかったのですが、
今朝は殆ど無風状態です。

青い空と、少し緑がかった目黒川が桜の花の色合を引き立たせます。
30分程ブラブラと歩きながら、思いつくがままにシャッターを切ります。
川の対岸の遊歩道まで足を伸ばし、のんびりと朝の空気を味わっていると、
近くの川に架かる陸橋の下のトンネルに春の光が一杯差し込んでいました。

冬場は光の角度が浅いため、弱弱しく感じたのですが、季節の移り変わりと共に
太陽の光も高く力強くなっていました。
同じ作品なのに、季節によって感じ方が随分変わって感じます。
光に浮かび上がる少女の姿が、軽やかな春の光を楽しんでいるかのようでした。


明日はこの風景が一変しそう


日当たりのよい場所は早くも五分咲


明るい春の光が眩しい


寒空に一分咲き

2015-03-26 13:25:46 | お花見

開花宣言があると、毎年、一気に数日で花数が増していたのですが、
今年は、開花宣言から四日目と言うのに、一向に色合が変わりません。
枝に一杯付いた蕾は、やや濃いピンクである事も有って、蕾とはいえ
遠くから見ると桜の花が咲いている様にも見えます。
良く見ると幾つも白っぽい花が咲いてはいるのですが、全体的には
まだ一分咲きと言った所でしょう。

それにしても、私を含めて、日本人は桜が好きな民族です。

しかし、その桜好きも、多くが咲くまでの思いであって、散ってしまった後は
手のひらを返したかの様に無関心になっていしまう人たちが多いです。

しかも、桜と言えば、定番のソメイヨシノしか桜のイメージが無くて、

その前後に多く咲き誇る、何十種類もの桜の花には興味を示しません。
ソメイヨシノは、全体から見ると、非常に華やかに見えるのですが、
桜としては、花弁の数も少なく、大きさも差ほどでなく、一輪の花としては
どちらかと言えば可憐で大人しいものです。

二月に成れば、沖縄から始まる冬桜前線は、ソメイヨシノのシーズンまで

伊豆の河津桜に至るまで華やかな色と姿で春を彩るのですが、
ニュースになっても、誰もが駆けつけると言う程では有りません。

ソメイヨシノはその様な桜達の中でも特異な存在です。

多くの桜が花と共に、または花より先に若葉が出始めるのですが、
ソメイヨシノは、花が咲くまで緑が殆ど見られません。
それ故、黒い枝から、ピンクの蕾が膨らんできて、ある日突然花となる
このサプライズ的開花は日本人の心に大きな感動を与えるのです。

そんなにも美しく可憐な姿を見せてくれるのならば、その後も関心を持って

次のシーズンまで見守って行くのが普通と思われますが、ソメイヨシノの感動は
人々の心に、春の一時の感動として残るだけなのです。

しかしながら、ソメイヨシノの咲くときだけでなく、その後も4月下旬まで

様々な桜が咲いている事を知ってほしいです。
特に関山、普賢象といった大きな八重桜の仲間は、桜自体のボリュームもあり
ソメイヨシノとは違った感動が有るのです。

更には、花弁が緑色をしたギョイコウ、ウコンといった珍しい種類も有ります。

桜の名所には、ソメイヨシノだけでなく沢山の桜の種類が植えられている所が
探すと結構見つかるものです。
ソメイヨシノを見るのも素敵ですが、ほとんどの人が関心を持たなくなった頃
大輪の花を咲かせる桜を愛でるのも、静かで落ち着いたお花見として
素晴らしい思い出の一ページとなるものです。


一見満開、でも、残りは殆ど蕾


遠くから見ればピンクのベール