近頃流行りのポケモンGOにとやらに、我が家の連中は
はまっていて、子供達はともかく、妻もいつの間にかに
スマホ片手に、近所を歩く様になりました。
子供たちと言っても、もう立派な社会人で、毎日仕事で
頑張っています。
しかし、彼らは、ゲームで子供時代から育っていて、
何の抵抗もなく、流行に乗って行くのは解るのですが、
妻も同じく、遊んでいるのを見ると、夫婦としてさほど
年齢差が無いのに、なぜか見えない溝を感じるものです。
都内を歩いていても、近所の公園を見ても、いつでも
誰かしらスマホの画面を見ている場面に出くわします。
時折、深夜に、コンビニに出かけて行くと、その道すがら
スマホの画面をのぞき込む若者たちに出くわします。
とは言うものの、私の戸惑いは、周囲の同世代の男性にも
当てはまっていて、長年、企業戦士として働いてきた人に
その傾向が有るようです。
聞けば、やはり、新しい物やゲームに奥さんは反応するも
自分も一緒にと言う方は少ないのです。
40代ぐらいまでの若い夫婦であれば、どちらも同じように
反応して、ゲームに没頭している様ですが、50代を過ぎると
とたんに、男性が置いてけぼりと成っている事が多いです。
理由の多くは、子供たちとの接触の仕方に有るようで、
多くの奥様方は、子育ての過程で、子供たちと一緒にゲームを
して遊んできたようです。
我が家の妻も、高齢とは言え、子供たちを育てる時、一緒に
漫画やゲームを見てきた様で、新しいものに対する反応は
子供たちと同じ様です。
しかしながら、日曜日と成ると、二人で都内を歩いたりする事が
いつものパターンである我が夫婦は、ほとんど共通の話題で
盛り上がっていたのですが、このポケモンGOが現れた途端
一緒に歩いている時、突然、妻が、別の世界へ飛んで行って
しまいます。
のんびりと、ウィンドーショッピングしている時、突然、
ヒトカゲ? ナゾノクサ? コイキング? コダック?が
現れたと色めき立ちます。
時には、今来た道を引き返したり、急ぎ足で先に行ったりと
行動が読めません。
ポケモンGOが、地図上に現れる怪獣をゲットするゲームであると
知ってはいても、二人の話が中断し、訳の分からない怪獣の名を
言われても感動を共有できません。
しかしながら、せっかく二人で歩く楽しい時間と思い、前回は
この怪獣ゲットの散歩道を妻のペースで歩く事と成りました。
渋谷から始まり、原宿、表参道、代々木公園と、歩き回る事4時間、
普段ならば、これくらいの時間は普通に歩くので大したこと無く
妻が楽しめばと思って付いて行ったのですが、この散歩は大変でした。
何しろ、どこに何が出没するか解らず、同じ場所をぐるぐる回ったり
行ったり来たりで、何を目指しているのかが解りません。
妻は、求める怪獣の事で頭が一杯で楽しそうでしたが、それに付き添う
私の身体はグッタリです。
我が家に変えれば、妻はにっこり、私はガタガタ、ポケモンゲットは
本当にハードでした。
何処に行き、何をするかの目的がはっきりしない散歩は本当に疲れます。
ポケモンの種類も名前も解らず、何に喜んでいるのかが全く解りません。
私のつまらない顔を見て、ついに、妻からのお説教、新しい物を前にした時
いつもの妻や子供たちの口癖、やってみないと解らないよ!
そんな訳で、三日前、ついに私のスマホにポケモンGOがインストール
されました。
物凄い種類のポケモンで知っているのはピカチュウ位、ほとんど全部が
未知の怪獣です。
言われるままに操作して、身近なところから、モンスターをゲットしていきます。
こんなものが面白いのか?と思いつつ、三日経ちました。
ゲットしたモンスターは、標本室の様な所で並べられています。
まるで、子供の時昆虫を捕まえて貼り付けた展翅板の様です。
仕事の行き帰り、そして、朝晩の時間の合間に家の周囲を徘徊しての収集です。
今日も、出勤前に近所の散歩道をスマホ片手に怪獣探しです。
とても珍しいと言う怪獣を見つけて、妻に見せに行くと、満面の笑みです。
まるで、カブトムシを捕まえた子供の様です。
シマッタ! さんざん否定していたのに、いつの間にか、ミイラ取りがミイラに!
心の中では、いまだ否定的なのですが、どうにか、家族全員の話題の中に
入れてもらえるようになったのは良かったです。
しかしながら、帰りの電車の中で、人に見られそうで、思わず隠してしまうのは
まだ、何処かに世代の差を感じているからでしょうか。