早朝に目黒河畔を歩いていると、様々な風景に出くわし、
都会の中にも多くの生き物が息づいているのに気が付きます。
先日、いつもの様に遊歩道で足を進めていると、川に浮かぶ
鴨たちが、盛んに水の中に頭を突っ込んでいます。
何気なく見下すと、水面に、灰色の影が無数蠢いています。
ちょうど満潮を迎える時刻とあって、目黒川の水位が上がっていて
薄緑色の川面に、数羽のカモが頻繁に動き回っています。
よく見ると、どうやら数百匹のボラの子が群れています。
それを狙って鴨たちが追いかける姿だったのです。
最近、生命反応を感じない目黒川ですが、こういった光景を見ると
少し安心すると共に、本当ならば、もっとたくさんの生き物が
生活しているのが当たり前な事を思い、複雑な気持ちと成りました。
お天気が良い事も有って、都会であっても、更に自然が豊かな
新宿御苑に出かける事と成りました。
ちょうど晩秋と成り、イチョウをはじめとして様々な落葉樹の色が
より一層増している事と思いました。、
渋谷から山手線に乗り、3つ目が新宿駅です。
日本一乗降客が有るとあって、日曜と言えど物凄い人並です。
改札を出ると、地上に出る階段は人で溢れています。
地上を進もうと思ったのですが、急きょ地下街にエスケープ、
少しでも人の少ない所を歩きたいものです。
土地勘は十分なので、地下を歩いていても、地上の情景は
頭の中を進んで行きます。
ちょうど伊勢丹の所で地上に上がると、新宿御苑はもうすぐです。
すると、デパートの側面に何やら面白い絵が沢山描いてあります。
その後をたどって行くと、どうやらビルの中も外もそのシリーズで
埋め尽くされています。
新宿御苑とは全く逆のコースです。
しばらく進むと、大きな通りに出ました。
すると、正面に神社らしきものが目に飛び込んで来ました
名前こそ知っていましたが、東京では有名な花園神社です。
この日は、三の酉のお祭りが行なわれていました。
入り口はとても狭いのですが、中に入って行くと四方に参道が広がり
どの道筋にもご利益を約束する熊手が多く売られていて、沢山の人が
幸せを求めて大小買い求めています。
昼間の状態でもかなりの参拝客ですが、これが夜ともなると、
動く事もままならない程の混み様となるそうです。
せっかくなので参拝を済まし、夜の準備に忙しい屋台を見学です。
私の住む近くにある大鳥神社も、この日は三の酉で賑わうのですが、
最近屋台の数もぐっと減り、寂しいものが有ったのですが、
この神社の規模は、遥かに凌いで活気が有ります。
ブラブラと屋台を覗き込み、幼い頃よく遊んだ金魚すくいに
懐かしい思い出が浮かんで来ます。
いつもよりゆっくりとした足取りで一軒一軒回って行くと、
懐かしい唐辛子の量り売りのお店が在りました。
今でこそ、唐辛子や山椒といった薬味は、何処のスーパーでも
簡単に手に入るのですが、昔は、お祭りの屋台で買ったものです。
七味、一味、と言った基本的な薬味に、様々な薬味を加えて
オリジナルの唐辛子を作ってもらいます。
小さく刻んだミカンの皮を入れると少し甘みが増し、山椒を入れると
ピリリと辛さが増します。
最近では、ユズの皮を入れるのが好まれる様で、次から次へと
懐かしさもあって、何人もの参拝客が並びました。
一時間ほど楽しんだ後、すっかりお腹が空いてしまい、
何を食べようかお店を探すも、あまりにも多すぎて決まりません。
ふと見上げると、ビルの一角に、いつも行くカラオケのチェーン店の
大きな看板が目に付きました。
どうせ決まらないなら、カラオケついでに食事という事と成り
新宿御苑に行くのもすっかり忘れ、3時間も歌ってしまいました。
何やら当初の計画とは全く違ったこの日のぶらり旅?
渋谷まで帰って来ると、夕飯までまだ時間が有る事も有って
先日ネットで見つけた美味しいパン屋さんに立ち寄る事と成りました。
今流行のパンを幾つか買って家に帰りつくと、この日は休みという事で
息子がテレビの前で大の字で寛いでいました。
早速、私が買い求めたパンが彼のおやつに消えて行きました。
朝のウォーキングから始まったこの日の何でもない都内散歩。
日本がいかに幸せな国であるか、失ってから気が付かない様に
しっかりと未来を見据えて生きて行きたいと思います。