めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

目黒川の紅葉

2011-11-30 18:34:27 | 日記
東京の目黒川の近くに住んで、早いもので30年を過ぎました。
目黒川は清流とは言えませんが、私たち住民にとっては春夏秋冬美しい
姿を見せてくれます。

一番有名なのは何と言っても春の桜並木でしょう。三月も下旬ともなると
それまで黒く見えていた並木が次第に淡いピンク色を帯びてきます。
そのスピードは驚くほどで、一週間もしないうちに大きな桜色の帯と
なって上流から下流まで咲き誇ります。

ただ、最近の目黒川は多くのマスコミ報道によって全国区になってしまい、
その混雑ぶりは尋常ではなく、桜を見に来たのに人を見に来たかのような
状態です。

かつてまだ目黒川の護岸が十分に整備されてないときは、川面に向かって
緩やかな草木の斜面が在り、タンポポやツクシが桜の花と共に自然の息吹を
感じさせてくれました。

でも、桜の季節が過ぎるとその光景は一変します。あんなに多かった人の
流れがなくなり、夏に向かってそれまで華やかな桜並木が、黄緑から深い
緑のトンネルへと衣替えしていきます。

夏になると、もう誰も桜を愛でることはなくなります。ただうるさく鳴く
蝉の声にうんざりするだけで、あんなに美しかった目黒川の桜を思い出す
事すら無くなります。
 
しかしながら、一年の内でもう一度華やかな季節がやって来ます。
イチョウやモミジの美しさを求めて各地の行楽地へ人々が出向く頃、
目黒川も新たに華やかな衣装に包まれます。
意外と知られていませんが、桜の紅葉は春の桜に勝るとも劣らない
美しさです。

桜の季節は人ごみにうんざりしますが、まだ秋の紅葉を愛でる人は少なく
その美しさをゆっくりと堪能できます。
朝からしっかりと冷えた秋晴れの日は、目黒川のテラスで熱いコーヒーを
飲みながら赤く色づいた桜の葉を見上げます。
都会の喧騒もなく、ただ冬を前にした晩秋の青空の中に浮き上がる
その華やかな美しさは同じ桜の木とは思えないほどの美しさです。