めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

晩秋の公園と東京の歴史

2014-12-01 16:07:27 | 

11月も最後となる日曜日、過ぎ去る秋を惜しみつつ、
新宿御苑に足を運びました。
早朝は太陽も顔を見せていたものの、少し遅く家を出た為
到着した頃は、どんよりとした今にも降り出しそうな空模様でした。
それでも、千駄ヶ谷口から入園すると、直ぐに、晩秋の落ち着いた
風情のある景色が目に飛び込んで来ました。

多少時期は遅かったものの、まだ紅葉は見られ、園内の至る所で

赤や黄色の色で華やかに彩られ、多くの観光客を楽しませていました。
遊歩道を歩くと、ピークは過ぎたものの、園内の自然は美しく、色あせた
木々や葉もそれなりに風情が在って、大都会の喧騒を忘れさせてくれました。

毎度感じる事、それは、園内の芝生の感触です。

良く整備された広大な広場は、秋とは言え今だ緑一色で、
多くの観光客や都民が寛いで居ます。
コンクリートやアスファルトばかりの都会の道は、いつも硬く跳ね返り
地面を意識する事は殆ど無いのですが、ここの芝生は何センチも靴が
ゆっくりと沈み込み、何か優しく包んでくれるように感じます。

広い芝生の真ん中をのんびり歩いていると、ついに冷たいものが

顔や頭に当り始めました。傘が無いと歩けない程ではないものの
一斉に帰宅の準備をする人達が増えて来ました。
園の出入り口辺りに来ると、帰る人ばかりと思いきや、沢山の人々が
次々に傘も持たず入ってきます。しかも、海外の方が非常に多いです。
せっかくの日本の秋、出来たらいいお天気の日に見て欲しいものです。

その後、地下鉄にって、両国へ行く事となりました。

以前春に行った東京江戸博物館に妻を連れて行こうと思ったのです。
この博物館は、東京と江戸の歴史や文化に関わる資料を収集、保存
展示を行っていて、東京の過去数百年の歴史が一目でわかります。
強大な権力を誇った江戸幕府から明治大正昭和に至る様々な歴史が
多くの資料と共に展示されています。

巨大な博物館の中央には現物大の日本橋が作られていて、その周囲には

各時代の歴史の産物が数多く展示されています。
中でも驚いたのは、江戸から現代までの地層を展示している所でした。
何百年に渡って、幾度となく火事や戦争の惨禍にさらされた東京が
幾重にもなった地層に見る事が出来、東京が今まで様々な苦難の中で
現代に至っているのを知ることが出来ました。

今でこそ、ネット社会として世界が広く繋がっていますが、ほんの少し前は

いかに日本人が衣食住すべてにおいて不便な生活を強いられていたかが
多くの資料から見てとることが出来ました。
私達は、今立っている地面の上で長い間歴史を作りあげてきたと
思いがちですが、各時代に起こった様々な事件や災害が、
地層となって残っているのを見ると、この先、私達の大地に
いかなる歴史が重ねられるか、興味と共に恐れを感じました。



イチョウの葉も落ちて



水辺を彩る艶やかな紅葉



今年最後の華やかさ



東京江戸博物館入り口



実物大の日本橋


錦織りなす目黒川

2014-11-06 13:36:58 | 

バスの時間にぎりぎり間に合わせようと、慌てて家を飛び出ると、
目黒川の方向が華やかです。
いつもは気にしないで出かけるのですが、今日は、思わず引き込まれ、
バッグに入れた小型カメラを片手に、遊歩道に向かいます。

川縁に近づくと、目の前の見慣れた桜並木が、ここ一週間ほどの冷え込みで

1段と色を増していました。
あいにく曇り空でしたが、夏の濃い緑が黄色や赤に色付いてとても綺麗です。
まだ夏の色が残っている枝と、赤や黄色に染められた色葉がお互いに引き立てあい
秋の美しいグラデーションを見せています。

綺麗とは言えない暗青色の目黒川の暗い色合いが、かえって、華やかな桜の紅葉を

浮き上がらせ、思わず何回もシャッターを切ってしまいました。
新年を迎えるころには、殆どの葉が落ちてしまい、その、数か月後には
黒い枝となった桜の木から、見事なピンクの花弁が咲き誇ります。

私達日本人が、桜の木に思いを託すのは、1年を通じてドラマチックに美しく変身する

自然界の美しさと生命の喜びを感じるからかも知れません。
昔から日本人は、熱しやすく冷めやすいと言われます。
人によって違うかもしれませんが、日本の四季の中で生きていると、
次々に変わっていく大自然の美しさに、私達の心も変わっていくのではないでしょうか。

特に、桜に関しては、寒い冬にすべての葉を落とし、真っ黒の、命を失ったかのような

枝から、ある日突然、ピンクの可愛い蕾が生まれ、あっという間に、空を覆うかのような
美しい桜色の花弁が私達を包みます。
こんなにもドラマチックな植物は有りません。

確かに、私達日本人は熱しやすく冷めやすいかも知れません。

しかし、どんな苦難が在っても、じっと我慢して頑張っていけば
何時か美しい花が咲くと言う熱い思いが心のどこかにあるのです。

桜が1年を通して様々な色合を見せてくれるように、

私達の人生も、様々な経験を積みながら成長していきます。
時には、真冬の様に辛い事も有るものです。
でも、いつかは桜の様に美しく花が咲くものだと、信じているのが日本人ではないでしょうか。

花が咲いている時も有れば、枯れ枝の様に苦しみに耐えている時期が在るのを

大自然の中から感じているからこそ、私達は誰に対しても優しく思いやりがある国民として
世界の人々から称賛されるのではないでしょうか。

あと、1か月もすればこの華やかな目黒川も冬の装いとなってしまいます。

クリスマスの前に、中目黒でちょっとショッピングや食事をするついでにでも
この秋の鮮やかな大自然の装いを眺めてみるのも素敵です。



桜の花に負けず劣らず美しい



護岸のヘドラも真っ赤に色づく


深まる秋とホットココア

2014-10-30 14:01:09 | 

冬を間近にして、枯れた庭の草花を片付けていると、倉庫の上に残された
ゴーヤのツルに幾つかの実が生っていました。
早くに気が付いていれば、美味しい収穫となったのですが、
その色は、鮮やかな赤に変わり、まるで赤トウガラシを取っている様でした。
当然食べられはしないのですが、今年のゴーヤは数か月に渡って
我家族の食卓を賑わせてくれました。

今日、仕事場に着くと、昼から夕方まで来客は有りません。
不景気の所為か、週にこんな日が一日は有ります。
生活が掛かっているので喜んではいられないのですが、
今日は妻も用事で、別のところに出払っているので、
のんびりとキーボードをたたいています。

来るときに、ココアの粉末を買って来ました。
テレビの情報番組で、ココアの優れた栄養成分が語られ
久し振りに飲んでみようと思いました。
チョコレートとして食べてみるのもいいのですが、
市販のチョコレートには大量の砂糖が添加されていたり、
更には、ビターチョコレートは苦すぎるので、自分の味覚に合う
ホットココアとして味わっています。

いつもはコーヒーなのですが、ややマイルドな感じは
気持がゆったりとしてきます。
味だけでなく、実際に、脳を休める成分や、身体の酸化を
抑えるポリフィノール成分も多いとあって、コーヒーと共に
秋の飲み物としてテーブルに出されることとなりそうです。

今日の目黒川は、一段と紅葉が進み、緑のトンネルが
次第に色を帯びて来ました。
今や、東北の山や里は金糸銀糸で彩られ、沢山の観光客が訪れ
秋の訪れを満喫しています。

東京の秋は、大体一か月遅れです。
山々の紅葉の様にスケールが大きなものでは有りませんが、
各地の公園や散歩道の草木が色付き、無彩色の冬の自然の前に
もう一度艶やかな姿を見せます。

しかしながら、桜の紅葉は意外と知られていません。
桜で有名な中目黒周辺も、次第に色づいてきました。
緑の中に次第に色付く色模様を探しながら、
ゆっくりと川面も見ながらの散歩も素敵ですよ。


秋の夜長に想う

2014-10-10 17:41:15 | 

最近、良く眠れません。
夜更かしが過ぎるのかも知れませんが、
夜中の2時を過ぎても、全く眠気が襲って来ません。
秋の夜長、気温が適度で、本を読んだり、ビデオを見たり、
時間がゆっくり流れて行くのを感じます。

夜は長いものの、一週間が非常に短く感じます。

ついこの前、日曜日だったのに、もう週末です。
大雨、台風、火山の噴火、地震と、次々に過ぎ去って
何か、時の流れをボーっ!と眺めているだけの様です。
秋は感傷的になり、夏の暑さの後の為か、祭りの後の
裏寂しさを感じます。

生きるか死ぬかの大騒ぎをして入院した父が、

今日、退院しました。
これで大丈夫とは言えないものの、とりあえず一安心です。

家族の中の一大事も、世界の大きな流れも、全て

凄いスピードで流れて行きます。
年を重ねると、月日の経つスピードは加速します。

客観的には同じでしょうが、心が変わって行きます。

どんなに楽しい事も苦しい事も、一様に過ぎ去って
過去のものになっていく事に、言い知れない無常を感じ
生きる事のはかなさ、やるせなさを感じるのも
秋の成せるわざなのかもしれません。

子供の頃、20代の大人は、子供が絶対敵わない

とても大きな存在に思えましたが、今思う私の20代は
人として半人前で、大人に成りえない、中途半端な人間でした。

その頃、40代の人達は、人生の勝者の様に貫禄が有り

社会的に安定した、国を支えてい要る様な力強さを感じました。
しかし、40代になると、今度はまるで敗者のように
自分の無力と挫折感を感じる様になったのです。

いったい、何時に成ったら満足できる日がやって来るのでしょうか。

かつて、90にならんとする国会議員が、60を過ぎた議員を捕まえて
この、青二才が!と叫ぶのを見ました。
人生の後半を迎えた人に向かって、青二才と叫ぶ大御所の議員は
自分が60代の時、一体どのように思っていたのでしょうか。

何時まで経っても不完全だから人間は努力して地球上のトップに

上り詰めたと言う人もいます。
でも、そうならば、私達の安らぎの時間は一生得られないのでしょうか。
秋の夜長、深く考えれば考える程、深い螺旋階段を降りていく様です。

 


 


秋の便り

2014-09-29 16:55:21 | 

少しずつ寒くなってるとは言え、お天気の良い日には
まだまだ半袖で歩いている人が目立ちます。
この時期、何を着て行ったらいいか、迷う方が多く
夏と秋の両方のファッションが見られます。
しかしながら、確実に朝晩の寒さは増していて、
就寝時に窓を開け放つことも無くなりました。

蝉の声が聞こえなくなった目黒河畔は、急に静かになり

木々の間を流れる風も、思いのほかヒンヤリとしています。
春夏秋冬楽しませてくれる桜並木は、ちらほらと黄色い色が
緑の中に目立ち始めてきました。

ギラギラとした夏の日を反射していた濃い緑の並木道が

ことのほか少し色褪せて、黄緑色の様に見えます。
河畔の手すりにもたれて、ぼんやりと川面を眺めると
みどりの中に、秋の便りが見えます。

しばらく歩いていると、突然、鼻の奥をくすぐる、甘ったるい

蜜の様な香りが漂って来ました。
小学校の校庭の周りに植えられたキンモクセイの花です。

近づくと、私の周囲を包むように、甘くまとわりつきます。

春先に咲く花に黄色が目立つように、この時期、桜の葉と
キンモクセイが秋の訪れを目と鼻から感じさせてくれます。

少し坂道を登って行くと、真夏の焼けるような日差しに

ユラユラと砂漠の炎の様に見えて、突然汗が噴き出した
揺れるマンションのが、季節が変わると、何故か弱弱しく
枯れて行く夏草の様に映っています。

同じものでも、四季の移り変わりは、私達の気持ちを

いつの間にか変えてしまう様です。
これから秋も深まれば、黄色が目立っていた桜も、
赤く紅葉してきます。
更には、より気温が下がると、その変化を教えてくれる
様々な花や木々が私達の目を楽しませてくれます。

毎日飛び込んで来る様々なニュースに気持が沈みがちです。

少なくとも、気持ち休まる日本の四季は無くならない様
美しい自然を守って行きたいものです。



濃い緑が、やや黄緑色に



黄色い秋の手紙

甘く香るキンモクセイ



揺れるマンション群