真夜中のミサイル発射が、世界に与える恐怖は、単に戦争が起こる可能性が
日増しに高くなって来たというだけでなく、またしても、人類の苦しみ憎しみが生れ、
これから、どれ程多くの未来の人々が人としての喜び幸せを感じる事無く、
代々に渡って怒りや憎しみを伝えて行く不幸が続くのだろうと思ってしまいます。
私達日本人が、いまだに近隣諸国から強い反日運動を受けるのは、如何に戦争が
多くの人々の心を傷つけ、その悲しみと怒りは、何代にも渡って受け継がれて行くかが
解ります。
我が国は、世界で唯一、原爆を体験した国で在り、その悲しみ苦しみ怒り憤りは、
半世紀以上過ぎても人々の心に深く刻まれています。
多くの戦争体験者がこの世を去り、日本がアメリカと戦争をしたと言う事すら知らない
若者達も増えていて、近代的な大都市の下に、いまだ焼け焦げた焦土が埋まっている事すら
人々からは忘れられています。
殆どの国民が、戦争に対する実感がわかず、知識としては解っていても、本当の恐怖は
現実のものと成らない限り理解できないのです。
しかし、その悪夢は、ほんの少しミサイルの照準が変えられることで、すぐさま現実と成り
未曽有うの大惨事と成るのは明らかなのです。
当然、目には目にと、戦争は、お互いにどちらがが白旗を上げるまで続けられるものであり、
その間、傷つき殺されるだけでなく、生と死の狭間を逃げ惑う恐怖は、地獄と言えます。
いつの世も、一番の犠牲と成るのは、一般の庶民と言えます。
何も戦う術の無い人々は、ただ虫けらのように殺され、何の罪もないのに、不幸のどん底に
落とされるのです。
中東で行われている悲惨な戦争が、日本で行われる可能性は有るのです。
更には、核戦争とも成れば、これまでの戦争とは比べ物にならない程の犠牲者が想像され、
その影響は、遠い未来まで続くかもしれないのです。
時の権力者の勇み足が、敵国の人々を傷つけるだけでなく、報復を受け、自国民をも多く
犠牲と成る事は明らかなのです。
しかし、一体私達国民は、どう対処したら良いのでしょうか。
戦争と成れば、身近な人たちが犠牲になる可能性が高く、もちろん、自分の命すら
保証が無いのです。
逃げるにも、一体どへ逃げて良いものか、例え、戦争に巻き込まれ無いで生き残っても
その後の生活は、正に生き地獄と言えます。
戦争は、常に庶民を置き去りにし、権力者たちの身勝手な考えで始まりますが、
彼らは、常に、自分達の命の保証が有るからこそ、その危険な渦中の栗を拾います。
より殺傷力の高い武器を多く持てば、勝者と成る可能性が高く、戦争程、指導者の
醜い欲望が露わになるものは有りません。
例え、自国民が犠牲になろうと、勝つことの喜びに優る物は無いのです。
この事が、ミサイル実験を強行し、世界中を恐怖に陥れても構わないとする
聞く耳を持たない権力者を生んでいるのです。
これまで人類は、どれ程多くの独裁者や殺戮者を生んで来たでしょう。
数知れない悲しみを国民に抱かせようと、彼らの欲望は無くなる事は有りません。
とは言え、今回に緊張の焦点は、ミサイル実験を強行しているだけで無く、
そのミサイルの到達点が、アメリカ合衆国にまで至ると言う事になった事です。
これまで、世界中に派兵し、様々な地域の戦争に首を突っ込んできたアメリカですが、
その強硬な手段は、いずれも、戦地がアメリカとは遠く離れた国で在り、直接本土に
被害が及ばなかった事に依ります。
膨大なる兵器を使用する事で得られる利益は、国民の犠牲を考えないで行われ、
アメリカが世界のポリスとして存在できる理由でもありました。
しかしながら、最近では、多くの戦地で、アメリカ軍の犠牲も増大する事で、
次第に、その規模を縮小して来たのですが、今回は、戦えば、アメリカ本土に
甚大なる被害が及ぶ可能性もあるのです。
自国を戦地にした事のないアメリカにとって、アメリカ本土までミサイルが届く
と言う事は、戦えば、アメリカ市民の犠牲を考えなければならないのです。
アメリカにとって、市民が巻き添えになると言う事は、在ってはならないのです。
どんな争いも、国外で戦って来た事で、国民の支持を得て来た事も有り、
現政権の判断は、極めて難しく、アメリカの歴史をも変えかねないのです。
挑発的な北朝鮮の態度に、アメリカがいかなるカードを出すかによって、
我が国の将来も決まりかねない緊急事態と言えるのです。
もし、かつて日本軍が、ハワイを奇襲したように、北朝鮮が、日本国内の
アメリカ軍基地を攻撃した途端、あっと言う間に全面戦争と成り、
日本にとっても、近隣諸国にとっても、もちろんアメリカにとっても、多くの犠牲が
予想されるのです。
核爆弾を装着できるミサイルと成れば、一発でも都市部に着弾すれば、それこそ
これまでのどの戦争よりも多くの犠牲者が生まれると考えられます。
ともかく、近代戦争は、軍事力が高くなれば成程、犠牲者の数は多くなり、
人類全体の不幸へと発展してしまうのです。
この事態を、どちらにせよ、戦争へと発展させた時点で、極東の平和は失われ、
泥沼の悲しみと憎しみが渦巻く暗黒の未来がやってくるのです。
リーダー達の感情に任せた戦争へのスイッチが押されない事を願うばかりです。