めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

私達の周りは、毒がいっぱい!

2014-09-24 17:39:42 | お彼岸

暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったもので、
あんなにも暑かった夏の日を忘れてしまう涼しさです。
長く都会に住んでいると、季節のみならず、お彼岸や
お盆と言った昔からの日本の行事を忘れがちで、
私も長く故郷のお墓から遠ざかっているのが気がかりです。

この時期、多くの方がお墓参りに出向き、ご先祖様との

心の交流をするのですが、爽やかな秋の一日、
お墓に出向く人々を導く様に真っ赤に染まった彼岸花が
印象的です。都会のお墓では少なくなったものの、
田舎の墓地に出向くと、この時期、田んぼのあぜ道や
寺院の周囲に鮮やかな花の列が見られます。

小さい頃は、この花を摘んで叱られた経験が有りますが、

ご存じの通り、彼岸花は毒草です。
かつて、飢きんの時に、毒が含まれる球根を、水でさらして
食べたと言う歴史もありますが、間違っても食べてはいけません。

また、お寺の周囲にはシキミという常緑樹がよく植えられています。

お葬式や供花などでよく使用されますが、この植物も非常に
毒性が強く、我が国の植物の中で唯一毒物及び劇物取締り法により
劇物として指定されている程です。

かつて日本では土葬が行なわれることが多かったのですが、

当時、埋められた死体を山犬や野犬に掘り起こされない様に
この木を植えたと言われます。
お花屋さんに行くと、普通に仏様用の花として一緒にまとめられて
売られていますが、この木の毒性は非常に強く、間違って摂取すると
命に関わります。

私達はお墓に参ると、ご先祖様や亡き人々との関わりを深く感じます。

お彼岸の向こうには黄泉の世界があると言われます。
もしかして、あの世と関わる時、私達は、そこへ導く花や植物に死への道を
託しているのかも知れません。

それにしても、私達の身の回りには、死へと導くものが多いのでしょう。

一般に、寿命でなければ何だかのアクシデントを考えますが、
自分の周囲を見渡すと、沢山の死への切符が用意されています。
生活をしていく間に起こるアクシデントはもちろん、生きる為に食べる物にも
様々な毒が溢れています。

お彼岸が過ぎると次第に寒くなり、10月になると、花屋さんに沢山の

シクラメンが並びます。その美しさに思わず見とれて、一鉢買い求める方も
多いですが、この花も、もちろん毒草です。
更には、年末ともなると、ポインセチアがクリスマスに色どりを添えます。
クリスマスの花として有名ですが、もちろん、この花も毒草です。

綺麗な花には毒がある、と言うのは本当で、美しい花や美味しい食べ物

更には、美しい女性には毒がある、と言うのはいささか嘘とは言えないのかも
知れません。

とは言うものの、危険な植物や動物、更には食品には注意するにしても、
美しく優しい笑みで、あっという間に危機感を失ってしまう私達男は、
やっぱり救いようが無いのかもしれませんね。