めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

がんと言われたら!

2013-08-28 19:39:19 | 日記
妻の友達ががん宣告を受けた。
数か月前までは全くその兆候は無く
誰が見ても健康な中年だった。
夫婦でお祭りを楽しむにこやかな姿に
そんな事態が訪れるとは、思いもしなかった。

日本人のがんによる死亡率が高まるにつれ
早期発見に国も企業も力を入れてきたのだが、
発見されれば喜びよりも死刑判決を受けたような
ショックを感じると言う。

その友達も何ともなかったのに、定期健診で
がんが発見された。
その前の日まで穏やかな毎日を送っていたのに
突然死刑台に立たされたような衝撃は、想像を
絶するほどだったに違いない。

当然医師からは手術を勧められて入院することと
なったのだが、宣告を受けたその日からの
精神的苦痛はどんどん高まり、周囲も本人も
重苦しい気持ちで一杯だったようだ。

ともあれ医者が言うには早く手術すれば復帰も早く
また健康になれるとのこと、この言葉を信じて
我々素人は以前と変わらない生活に戻れると
思い手術に踏み切ることが多いのだ。

そして一か月前妻の友達は手術に踏み切った。

早期発見という事で、半月程で退院できそうだと
明るい報告があった。

今彼は病院のベッドの上だ。
まだ退院が出来ない。

抗がん剤の影響か精神的にも肉体的にも
あの穏やかさは無い。

手術をしないで秋を迎えていたら、前と変わらず
二人の優しい笑顔があったはずだ。
 
もうしばらくすれば退院とのことだが、
その後は再発防止の治療とリハビリが続く。
家族も本人も辛い未来がまだ続く。

がんの病巣は取り除かれたかも知れないが
心に重苦しい病が取りついてしまった。

以前と変わらない生活を信じて誰もが
手術を受けるのに、実際は多くの人が心の
重荷を背負ってしまう。

早期発見早期治療のうたい文句が
空しく聞こえる。

想像をかき立てる後ろ姿

2013-08-26 17:38:13 | 日記
渋谷をいつもの通りぶらついた後、少し涼しかったので
代々木公園の方へ足を向けた。

日曜日はいつも何か出店が出ていて、最近は地方から来た
果物屋さんの美味しい夏ミカンを買って食べた。

今日は、何か目新しい物がないか、公園への坂道を登っていくと
何やら騒がしい。公園の通りを踊る集団が我々の方に向かって
かん高い拍子木の音に合わせて、華やかな衣装を身にまとい
沢山の踊り子さんがやって来きた。

全国から集まった、よさこい祭りの面々だった。
数十人が一グループで踊りを競いながらのパレードは圧巻だ。
もちろんいつもの様にテント村の食べ物ブースが造られていて
この日は全国のうどん祭りだった。

そんな中、祭りを見ていると、最前線で歓声を上げる華やかな人達が
目に飛び込んできた。
仲間を応援しているのだが、その後ろ姿がなかなか面白い。

狐のお面を頭の後ろにしている女の子三人組は少し薄暗い木の下で
何か妖艶な狐の姿に見え、ロングヘアーで応援する子達は
その美しい後ろ髪がより一層美しさを醸し出していた。

帰り道渋谷に下りてくると、何か巨大な人形が髪の毛を前に垂らし
不気味な出で立ちでトラックの上から今にも降りてきそうだった。
近くまで来ると、それはオカルト映画のPRで、主人公の貞子に
似せた巨大な張りぼてだった。

代々木公園の素敵なロングヘアーの後だけに、あまりにも不気味で
カメラにも収めず、足早に帰宅することとなった。




秋のコーラス

2013-08-24 10:27:28 | 日記
急に朝晩が涼しくなり、あんなに暑かったのが嘘みたいだ。
まだまだ日中は酷暑が続くだろうが、何故かホッとする。
我が家の庭の隅で鳴いているコオロギは、秋の到来をその
涼やかな音色で教えてくれる。

今日も仕事から帰って来ると、我が家から数十メートル先から
その声で迎えてくれる。
しかしながら今晩は様子が違う。
家に近づくにつれその声は大きくなる。

玄関から入ってそのままベランダの方に歩みを進めると、
いつもの片隅から5メートル程離れた草むらから、少し力強い
リズムで同じ種類の音色が耳に入ってくる。

左右の場所で少し音質が違っているが、真ん中から一歩右に
身体を寄せると、不思議、ステレオのようにコーラスが聴こえる。

しばらくその声に耳を傾いていると、今度は十日程前から鳴いている
カンタンのリズミックな音色がコオロギの歌声と重なる。

ああ!なんて素敵な歌声なんだろう。
しばらく暗い庭の片隅に耳を傾けながら着替えるのも忘れていた。

秋の気配

2013-08-21 23:46:28 | 日記
不思議なことに、今週になって夜中までうるさく鳴いていたセミの声が
全くしない。先週はテレビから流れる世界陸上の歓声に負けない程だった。
しかし、今だに猛暑が続いているのだが、真夜中の静けさを余計に感じる
涼やかな声が聞こえて来た。

騒音の様なセミの声と違い、庭の方から遠慮気味にささやいて来る。
耳をそば立てて聞いてみると、その声の主は秋の代表的な虫であるコオロギの
澄んだ鳴き声だった。

今年の夏はまるで永遠に続くのではと思う程の暑さだが、この忘れていた声は
日本の四季を思いだたせてくれた。
セミの声は蒸し暑さだけを呼び込むが、少し物悲しいコオロギの声は
涼しさだけでなく、もうすぐもう少しすれば秋がやって来るのを教えている。

我々日本人は昔から四季の移り変わりと共に生きて来た。
豊かな自然の移り変わりに日本人独特の繊細な心が育ったともいえる。
しかし、最近の荒っぽい日本の天気は、確実に日本人の心と体に多大なる
ストレスを与えている。多少暑くても寒くてもしばらく我慢すれば
必ず次の季節がやって来て我々の心をいやしてくれたのに。
その自然の優しさが我々の心の優しさを育ててきたとも言える。

こんなにも荒っぽい気候か続くと、日本人の心も荒っぽくなって
自然にも人にも優しくなれない人達が多くなりそうで心配になってくる。




桜島の灰

2013-08-20 03:23:16 | 日記
鹿児島の桜島が最近にない大きな噴煙を上げて
今や市内は灰色一色の世界になっている。
大正年間に大隅半島と島を繋ぐ大噴火があったが
近年はさほど驚くほどの規模ではなかった。
しかも、ここ数年は一年を通して降灰があり
その風向きによって鹿児島県の全域に被害が
及んでいる。

つい先月私用で鹿児島に行った時には、幸い
美しい錦江湾に浮かぶ男性的な凛々しい桜島に
思わず見とれてしまったが、ここ数日の変貌には
非常に驚いている。

先月二日ほど滞在したときに、鹿児島の市内にある
県立博物観に行ってきた。
ちょうど桜島の大噴火から100周年を記念して、館内は
当時の写真から火山弾や溶岩の現物が展示されていた。
大噴火が起こる数日前からの前兆から、収まるまでの
火山の噴火の恐ろしさを知る貴重な資料が多く展示され
改めて火山が噴火したときの凄さを体感した。

一時間ほど見学した後博物館から出ようとすると、
アンケートを書いて小さなビニールの袋を渡された。
県外からの観光客という事で手渡されたのは
黒い砂が入った記念品だった。

五センチ四方のビニール袋に入った黒い砂粒は
見た目サラサラして、これがあのゴツゴツした桜島から
飛んできたようには思えなかったが、今回の噴火を見ると
とても記念品として提供するものではないと思えた。

しかしながら、この厄介な火山灰を噴き上げる桜島も
噴火しない時は青い錦江湾に浮かんで、東洋のナポリと
言われるだけのことはある。海に浮かぶ男性的な姿は
観光地としては一級品である。

今回はスクープとして各マスコミはこの惨状を伝えたが
噴火しても市内まで灰が降ることはそんなに多くなく
観光にはほとんど差し支えない。素晴らしい南九州の
自然を同時に放映していただけると、地元としても
嬉しいのではないだろうか。