めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

超大型台風がやって来る!

2019-10-12 16:17:45 | 東京

いまや超大型台風が関東を目指して北上しています。
昼の明るい内から庭にある飛散すると危険な様々な物を片付け
道路に通じる扉に浸水を考えてバリケードを築きました。
まだ遠い海上に在ると言うのに、時折吹き付ける風は傘をさす事も
儘ならず、殆どびしょ濡れの状態での作業でした。
十数年前、梅雨時の大雨で床上浸水の経験があり、今回はその時以上の
悪い事態も予想され、いつになく緊張感が漂います。

目の前を流れる目黒川は次第に水位を増して、つい先ごろ避難を促す
スピーカーの声が流れました。
浸水が懸念される降水量の倍が予想され、殆ど間違いなくその時が
やって来ると思われると、妻や娘の不安は高まる一方です。
私の場合は、遠い昔危機一髪で家族全滅を免れた伊勢湾台風の記憶があり
差ほど不安と成る事もない一方、あの時と同じく油断していると
とんでもない事になる事を知っているので、明日になるまで決して
油断は出来ません。
外は時折横殴りの大粒の雨が降って傘も差せない様な風が吹いて来るものの
至って静かであり、本当にこれまで経験したことの無い様な台風が直撃
して来るとは思えません。

伊勢湾台風で甚大なる被害を被った時も、誰もがそれ程大きな被害となるとは
思っても居ませんでした。
あの時は九月の下旬であり、秋の気配が漂っていた頃であり、晴れた日は
秋晴れの真っ青の空の下は黄金色の稲の穂が豊作を期待させていました。
大潮で満潮と重なっていた時も今回と同じであり、夕方暗く成る頃から
猛烈な風と雨が古い田舎の家をきしませていました。

台風が通り過ぎた午後10時頃、辺りが静かになった事も有って、
皆座敷で就寝する事と成りました。
母屋の裏の風下になる平屋の大部屋に近所から避難して来た親戚と共に
2家族が部屋いっぱいに布団を敷き、子供達は明日にまた遊べるからと
早く寝る事を促されました。

寝る前に私と父は手を繋ぎ、母屋までの長い廊下を静かに歩きます。
既に寝ている者達を起こさない様に玄関に置いてある踏み台の上の
百目ロウソクの火を消しに行くのです。
100年以上になる我が家は至る所が老朽化していて、そっと歩いても
廊下の至る所からきしむ音が聞こえます。
玄関に来ると大きなロウソクが半分ほど溶けていましたが、まだ明るく
縁先を照らしています。

ロウソクの火を消そうとしたとその時、父が大声で叫びました。
堤防が切れた!!
自分の下駄が黒い水に浮いてぐるぐる回っています。
玄関の隙間から縦に水が流れ込んでいます。
急いで廊下を走り奥の部屋へ飛び込み、寝ている全員を
叩き起こし階段まで走ります。
廊下のきしむ音や雨戸が押さ膨らみ畳が浮き始める中
何とか全員が二階まで駆け上がると、雨戸が破れ
真っ黒な水が流れ込んできました。

ほんの一分ほどでしょうか、天井ぎりぎりまで
黒い水が押し寄せ、誰もが最後を覚悟しました。
二階に挙げたのは、翌日の為に準備していた電気釜一つ
でした。
全員腰ひもや縄で縛り、流されてもバラバラにならない様に
固まって手を合わせました。

窓の外は漆黒の闇で後30センチほどで自分達の所まで
水が到達しそうな勢いです。
懐中電灯で照らそうも目の前の家はすでになく、まるで
川の中に家が建っている様です。
窓の外に向かって助けを求めようも、流れる川の音しか
聴こえません。

しばらくすると、何処からか助けを求める声がします。
急に目の前に大きな影が現れると、それは屋根の部分で
何人もの人が摑まっています。
助ける事も出来ず下流へ流され屋根が突然水の中に
引き込まれて行きました。

屋根に摑まっている人達がパラパラ落ちて行く様は
今でも思い出されます。
翌日は快晴で抜ける様な青空、何機もの自衛隊のヘリが
周囲を飛んでいるのが見えました。
しかし、それから一か月、地獄の日々が続いたのです。

今でこそそれ程の大災害は起こらないと思いますが、
近年想定外の事が当たり前に起こります。
今回の台風がどれ程の被害をもたらすか、明日に成って
状況が解るにつれてまた悲しいニュースに心が痛むと
思われます。
近年、日本は災害列島とも言える程全国規模で災害が
頻発しています。
傷がいえない内に更なる災害に見舞われている地域も多く
日本国民誰もが被災者と成る可能性も高く成っています。

現在、妻と娘はバッグに最低限の生活必需品を詰め込んで
避難の準備をしています。
その時は刻々と近づいています。
願わくは、何のトラブルも無く被害を受ける事無く
明日が迎えられる事を願わずにいられません。
妻たちが避難した後、出来るだけ家の中を片付けて
避難するつもりです。
庭の入り口と玄関に水止めの土嚢をつくったものの
実際に防げるかは自信がありません。
身の危険を感じる前に避難する様にこれから準備します。