めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

久し振りの動物園

2015-05-11 16:25:48 | 動物園

日曜日は一日中妻は私用で外出、息子は仕事で、私は予定も無く
都内で時間を潰す事となりました。
早朝から行きつけの床屋に行って、随分伸びて耳まで被さって来た髪を
全体的にすっきりとカットしてもらって帰ってくると、妻は忙しげに外出し
息子も足早に出勤していきました。

今日は何をしようかと考えた時、先日息子に買ってもらったiPadoの

カバーを買う事にしました。
何しろむき出しでは画面を傷付ける心配が有り、バッグに入れて専門店に
出向く事となりました。
他の用事も済ませようと、支店のある上野で買ってみようと、地下鉄を利用し
渋谷から山手線を縦断する事にしました。

上野は、渋谷とは少し趣が違って、何となく昭和の匂いがして落ち着きます。

店に入ると、若者で一杯で、最新式の電子機器に目を輝かせています。
私はカバーを買うだけなので、何種類かのメーカー品を品定めすると
バッグの中の他の電子機器と直ぐに区別がつく様にと少し明るい色の
カバーを選択しました。

店を出ると、また、これから何をしようか迷っていると、目の前の森に向かって

案内指示の絵が描かれています。
歩道で信号が変わるのを待っていると、近くの動物園の絵が目に留まりました。
そういえば、動物園は子供達が小さい頃以来、言った記憶が有りません。
時間もまだ十分あったので、夕方までの時間をここで過ごす事になりました。

確か昔は入場料が100円だったのに、今では600円となって、驚きました。

入ってみると、所々記憶に残っている場所が有り、かつて子供達と手を繋ぎ
沢山の写真を撮り、お弁当を広げたのを思い出しました。
動物たちを広い敷地やオープンエリアで展示する傾向が最近の方法らしく、
広い自然の森や草原に自然に遊ぶように動物たちが飼育されていました。

中でも、やはり人気はパンダでした。

本当に久し振りでしたが、私が見たパンダはすでに亡くなっていて、
今では、新しい何代目かのパンダが人気を博していました。
多くの人達が長蛇の列を成し、パンダ舎の前は、写真を撮ろうと沢山のカメラが
彼らに向けられます。

しかし、なかなかこちらを向いてくれません。

やっと振り向いてササを食べてくれたと思ってカメラを向けると、プイっと
そっぽを向いてしまい、そのたびに観客からため息が漏れます。
それでも、パンダが来日した当初の頃からしたら、本当に短い並び時間で
ゆったりと観察が出来ました。

その後、お決まりのコースを順次見て行くと、人気のゴリラの遊戯場が屋内と

屋外に大きく作られた場所が有りました。
しかし、よく見ても、ゴリラが居ません。目を凝らし探すと、私達から身を隠す様に
岩の隙間に背中だけを見せています。

何とか撮ろうと周囲をぐるっと歩くと、どうにか、ガラスの前にローランドゴリラが

居座って多くの人に愛嬌をふりまいている様です。
私も何とか間に分け入って、カメラのシャッターを切ろうとするのですが、
カメラを向けると背を向け、観客がカメラを構えようとすると、頭を反対に向け
中々いいアングルで撮らせてくれません。

しかしながら、考えてみれば、一日中、ガラスの外には人間がうるさく付きまとい

毎回愛嬌を振りまいている訳にはいかないのでしょう。
人間に好奇心が有る動物は近づいてくるのですが、ほとんどの動物は
全く無視の状態です。
ゴリラの様に知能が人間に近くなってくると、逆に私達を観察したり、からかったりと
人との駆け引きも出来るようになるのでしょう。

数時間園内をくまなく見たのですが、一番多く見たのは、やはり人間でした。

五月の爽やかな休日とあって、沢山の人々が途切れることなく園内に入場していました。
動物たちは、殆ど一度は見た事のある物であったので、差ほど驚く事も無かったのですが、
そこに訪れる人々の種類は千差万別、言葉も仕草も行動も、全てが興味津々です。

人目を気にせず求愛活動をする若い男女、親の静止を無視して園内を走り回る子供達、

やたらとうるさいオジサンオバサンの団体、お気に入りの動物の前でじっと観察する人、
動物よりも、飲み食いが目的の様に思える若者達等、そのどれもが動物より面白いです。

帰り道、アメ横の商店街をぶらつくと、そこには、夕食の品物を買い求める沢山の客が

道幅一杯に溢れ、その姿は、進化した?地球生物の実体を見る様でした。
世界中から集められた動物たちを見る為に動物園が作られたのですが、
今や、動物たちから見れば、私達人間は何処に向かっているのかを、聞かれている様で
本当に観察されているのは私達なのではと思えてなりませんでした。