めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

若い人への憧れとやっかみ

2015-09-24 14:46:43 | ときめき

夜遅く、山手線の外回りに乗って、渋谷方面に向かっていると、
五反田の駅で、若い男女が乗って来ました。
車内は空いていて、二人は、私の目の前に座ると、身体を着け合い
片手の指を深く絡めて、じっと見つめ合っています。

男が一言二言話すと、うなずく様に顔を傾けた女の頬が、男の肩と

胸の間にゆっくりともたれます。
殆ど何を言っているのか聞こえませんが、二人の動く口元と表情に、
単なる友達ではない関係がうかがえます。

じろじろ見ている訳ではないのですが、やはり、男女の関係となると、

にわかに好奇心が沸いてくるものです。
若いペアを観るのが趣味ではないのですが、時折、公共の乗り物の中でも
かなり濃厚な仕草が周囲の注目を集める事が有るのです。

年を重ねると、男女の仲は、たとえ夫婦であっても、次第に距離が

出来るものです。
気持は通じ合っているのですが、直接的に触れる事は、公共の場では
殆どし無くなるものです。

彼らの様な時期も、もちろん有ったのですが、数十年の年月は、

冷めたとは言わないものの、冷静な判断で、周囲に溶け込む事を
考えるものです。

思い出してみると、いつも近くにいても、相手に触れる事によって

確かめ合っていた様です。
五感を通じて、今、目の前にいる相手の存在を感じる事の喜びが
若き日の心の躍動でもあったのです。

しかし、年を重ねると、何事にも、時めかなくなっていくのは

残念であり、辛いものです。
頭の中で思っていても、直ぐに反応して実践に移れるのは、十の内
一つです。

それが、後悔と言う心の重みになって溜まって行くのが老化です。

若さの素晴らしさ、それは、思ったことを直ぐに確かめる事です。
恋も仕事も、何でも直ぐに反応できるのが若さなのでしょう。

もちろん年を重ねている人でも、非常にアクティブで、なんでも

活発にやり遂げて行く人もいますが、そんな人は稀です。
思ったことを直ぐに実行する者は子供で、じっくりと熟考して、
充分に考えた後実行するのが大人の様に思われますが、
考えすぎて何もしないのも大人なのです。

その考えすぎが多くなるのが高齢者の特性でもあるのです。

考えすぎて上手くいかなかった事を後悔する内は若いのですが、
年を重ねてくると、後悔すらしなくなって、全てを年齢の所為に
したがる傾向が高齢者に有ります。

目の前の若者の熱き行いに眉を顰めないで、ごく自然に感ずれば

まだまだ若いと言えるのかも知れませんが、同じように、思ったら
直ぐに確かめようとすれば、大丈夫??と言われたりして
笑って相手にされないのが落ちなのが、私達高齢者の現状では
ないでしょうか、と思い、また何もしないでいるのが現状です。