めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

社交ダンスに対する世間の誤解

2015-01-23 15:23:01 | 社交ダンス

日本人の社交ダンスに対する見方は、昔から
多くの誤解と思い込みで、習い事の中でも
特殊な存在と思われがちです。

特に古い世代の男性にとって、ダンスと言えば

お酒を飲む場での異性へのアプローチの手段と
認識している場合が多くあり、実際習い始めると
全く異なったスポーツ的芸術に驚くものです。

そもそも、日本の文化に於いて、男女が簡単に

身体を触れ合う事は異常な事であると言う、
長い歴史の中で培われた考えが有ります。
その為、異性に対するコンタクトと言うのは、
余程の事情が無い限り考えられないことでした。

それに対し、ヨーロッパの文化圏に於いては、

男女が日常的に握手やハグをすることは当たり前で
肌を触れ合う事で、お互いのコミュニケーションの
始まりとなっていました。
その為、接触する事の意味は、お互いの人間性や
考え、心の状態を知るうえでとても大きな役割をなし、
相手の身体を通してお互いの存在を認め合う
大切な行為なのです。

日本人の文化は違うからと言うのでは無くて、

触れ合う事により、今相手がどんな思いでいるのか
何をしてほしいのか、自分にどうあって欲しいのかを
身体を通じて教え合っていると言うのを皆さんに
知ってほしいのです。


そのコミュニケーションが踊りとなっているのが

社交ダンスなのです。
踊った事のない日本人からすると、男女が身体を触れ
如何わしいと思う高齢の方もいるかもしれませんが、
何故身体を接触して踊るかと言えば、その時流れている
音楽をいかに感じてどの様に表現をしたいのかを
お互いに知らせ合い、相手の心を読み取っているのが
社交ダンスなのです。

その為、欧米の社会では、情操教育の一環として、

また、社会に出た人たちの社会人としてのマナーを学ぶ為に
社交ダンスが利用されているのです。
日本では、ヒップホップがダンスとして政府からお墨付きをもらい
学校教育の一環として始まりましたが、社交ダンスは
同年代だけでなく、様々な世代間で、誰とでも踊れることにより
高齢者と若者が同時に楽しむことが出来るのです。

お互いに相手を思いやり、マナーを持って踊る事により

誰とでも、年齢、人種、お国柄に関係なく音楽を楽しみ
お互いを理解できるのです。

戦後、酒場で酔った勢いでチークダンスに興じた方には

解りづらいかもしれませんが、社交ダンスは、自分の為ではなく
相手の事を思ってリード、フォローをしないと踊れません。
言葉だけでなく、手と手が、身体と身体が触れ合う事によって
相手の気持ちが手に取る様に解る様になるのです。
お互いを思いやるマナーのないダンスは、社交ダンスでは
有りません。
楽しい音楽を通じて、お互いを理解し合い、より素晴らしい
大人に成長する為に踊る事を知って欲しいものです。