「手のひらこそ魔法の調味料」
って、なんのことだと思われますか?。
おむすびのことです。
作家の小川 糸さんも、「塩むすびを作るのが好きだ」、
と書かれています。
作ってから少し時間がたち、しっとりとして落ちついた塩結びは、
しみじみと味わい深い。
口に入れた瞬間、ふわりと肩の力が抜けて、頬が緩む。
コツは、お米を炊く時に、昆布と日本酒少々を加えること。
そして、熱くても我慢して炊き立てのご飯を握ること。
私が塩むすびに使っているのは、能登の塩で、手水にも昆布水を使う。
けれど、なんといっても一番の隠し味は、「手のひら」だ。
人それぞれ持つ乳酸菌が違うから、手で握るだけで、
その人の味になると、何かの本にあった。
手のひらこそ、魔法の調味料だ。
*** 朝日新聞より、抜粋にて ***
小川 糸さん
昨年デビューした、新人作家
デビュー作「食道かたつむり」、が大ベストセラーになる
*****************************************************
おむすびを作るにも、主婦の私は、普通に炊いたご飯で握るだけ。
昆布と日本酒を少々加えて炊いて、能登の塩で、手水には昆布水を
使うという方法に、おむすびに対する愛情を、感じてしまいます。
阿川佐和子さんの父君・阿川弘之氏も、
手で握るおむすびが美味しいのは、「にぎる人の体内から出る汗と
分泌物が、手のひらにほどこした塩と混ざりあって、複雑な化学反応を
起こすと、ご飯のなかにしみこんで、あの味をかもし出す」・・・と。
「ホルモン化学反応が、おにぎりを美味しくするらしい」
と、佐和子さんのエッセイに、書かれていました。
小説家の考える、物事の定義?の深さに、素人の私は驚きです。
でも、おむすびは、たしかに美味しいですね!!。