まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

鉄分補給~福井へ

2013年03月10日 | 旅行記D・東海北陸

この数日はいろいろとあって心身ともに疲れたところがあった。このブログに手を付けるのも久しぶりで、少しずつリズムを戻さなければというところである。

「疲れているのは鉄分が不足しているから」という記事を見て、「そうかな」と思う。ならばここは鉄分を補給しなければ・・・・。

Dscn9239・・・・ということでやってきたのは早朝の大阪駅。手には青春18きっぷ。ん?鉄分補給というからレバーや納豆やホウレン草なんかを食べたという話ではないのかと。そこはもうベタなアレかもしれないが、鉄道趣味の時間を過ごすことを「鉄分補給」という言い方をする。

天気はよくて暖かいという予報だったから、どの方面に行っても楽しめるだろう。今回は行き先を直前にサイコロを振って決めることとした。サイコロの出目は山陽(岡山)、山陰(城崎、餘部)、四国(徳島、高松)、紀州(白浜)、北陸(福井)、東海(岐阜)の6方向。天王寺駅でエイヤッとサイコロを振って出たのは5。ということでそのまま大阪駅に向かい、北陸方面へ抜けるべく東海道線と湖西線を乗り継ぐ。

Dscn9241その中で湖西線で乗ったのは元新快速の117系である。車内は一部ロングシート化されているものの登場時の塗装がそのまま残されており、鉄分補給としてはポイントが高い。東海道線のJR東海エリアからはこの3月ダイヤ改正で運用から撤退することとなっており、いよいよ西日本での希少価値が高くなるところである。

Dscn9243湖西線は高架橋からの琵琶湖の眺めがいい路線であるが、この日はむしろ雪をかぶった比良山系の山々に目が行く。車内にはスキーやボード、冬のトレッキング姿の人たちが目立つ。全国的に積雪が多かったこの冬であるが、それもぼちぼち峠を過ぎ、ウインタースポーツを楽しむ期間も残り少しである。

近江今津から福井行きに乗り継ぐ。早くも車内でプシュっと発泡酒の缶を開け、タッパに詰めた自家製のおつまみを楽しむ人も。うーん、鉄分補給にはレバーや納豆というが、「呑み鉄」の栄養補給は缶ビールに駅弁・・・てなところか。まあそれはほどほどにしないといけないが。

敦賀に到着。駅舎の改装が行われている最中だが、新しく跨線橋ができたようである。よし、帰りはここで下車して、久しぶりに駅前の海鮮料理「まるさん屋」にでも出かけようか。

Dscn9248北陸トンネルを抜けて若狭から越前に入っても平地に雪はなく、もう春の車窓である。今庄を過ぎて武生で下車する。このまま福井に行ってもいいが、ここは並走する福井鉄道に乗車してみよう。ローカル私鉄というのも鉄分補給としてのポイントは高い。JRの武生駅を降りてアル・プラザの建物に沿って300メートルほど歩くと福井鉄道の越前武生駅である・・・・。

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『沿線風景』

2013年03月03日 | ブログ

「本に導かれ、鉄道で出かけよう。そして、何を食べようか 一冊の本を道標に旅を楽しむ日帰り『書評』エッセイ」

文庫の帯に記されていたコピーである。タイトルからして車窓の旅を楽しむエッセイというのはわかるが、「書評」とはどういうことだろうか。

『沿線風景』原武史著、講談社文庫版。

51tqb3wfiyl__aa300_著者の原武史という人は、肩書でいえば大学教授、政治学者で、近現代の政治思想史が専門分野である。ただ最近では鉄道ファンとしての「活動」のほうが有名であり、鉄道旅行に関する著作も結構出されている。

さて本書、もともとは雑誌で書評の連載を書いていた著者が、とある事情で続けられなくなり中止を申し出たところ、編集者から「どこかに出かけながら書いてもいいじゃないですか」と言われ、それならばと、本に触発される形、あるいは本に描かれたテーマを追って鉄道やバスに乗って出かけ、現地で美味いものを食べるという日帰り紀行エッセイのスタイルになったという。

そういう経緯があるからか、訪れたところはほとんどが関東地区。そして見るものは自身の専門であるところの近現代の天皇・皇室や宗教、そして戦後の「団地」や学生運動に関連する場所である。味付けとしては行く先々で食べる麺類や鰻というもの。

私も著者の存在を知ったのは鉄道に関する著作からである。故・宮脇俊三氏をリスペクトしているとかで、だいぶ以前に宮脇俊三氏に関するトークショーでナマ姿を拝見したこともあるのだが、どうも「その筋」ではアンチも結構多いようである。

確かに「鉄道紀行作家」と名乗るのならば胡散臭いオッサンやなとも言えるのだが、本業は政治思想史の学者である。その視点から見れば、自身の専門である上記のテーマにうまく鉄道を絡めて書くな、ということで、「こういう鉄道旅行のアプローチもあるのか」と感心するところである。かつて宮脇氏の作品に、古代、平安・鎌倉時代、徳川時代の歴史をたどる紀行があったが、本書はその近現代バージョンといってもいい雰囲気が出ている(とはちょっと書きすぎかな)。

もともとの出発点であった「書評」としては、その書をテーマとして出かけることもあれば、自分の思考を展開する過程で一文を引用する形で(半ばこじつけで)登場させたものもある。私は読んだことのないものがほとんどであるが、本書をきっかけにそれらも触れてみるのも面白いかな、と思う・・・・。

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3月に入りました

2013年03月02日 | 旅行記E・関西

早いもので今年も3月。暖かいと思ったら寒かったり、どうも体調が今一つ。疲労もたまっているのかもしれない。

Dscn9119その春を先取りする景色ということで、梅の花。場所は「日本一の梅林」で知られる和歌山・南部。

Dscn9123Dscn9100「梅はゆっくりと咲いて、いつの間にか散っていく。一気に開花して乱舞する桜の激しさとは違い、こちらから気持ちを向けないと気づかない」というのは日本経済新聞の「春秋」欄にあったが、寒さに耐えて一気に花を咲かせたその美しさが集まるとこれだけのものになるとは驚きである。

Dscn9110菜の花の黄色がこれに加わるとまた違った色合いを見せてくれる。

Dscn9134ただ、桜の便りが聞かれる頃には人から愛でられる役割を譲るかのように、ひっそりと去っていく。それもまた奥ゆかしいものである。

Dscn9147訪れた時は結構風も強かったのだが、一足早い春の訪れを感じたものである・・・。

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