本日23日は「野球知識検定」の大阪開催日。8月にツィッター上でこういう検定があるのを知り、申し込んだ次第。この手の趣味に絡んだ検定を受験するのは昨年限りとなった「時刻表検定試験」以来のことである。
今年が第1回となるこの検定、すでに今月11日には東京・千葉、20日には東京・福岡、そして本日が名古屋・大阪での開催となる。おそらく受験者のブログ記事なんてのも結構出ているのではないだろうか。
さて大阪会場は地下鉄本町駅すぐの大阪開館。雨の降る中150人くらいはいただろうか、20~50代くらいの男性が多かったが、後でわかったところでは最年少は8歳の男の子、最年長は78歳。女性も10数名参加。
この検定は事前に「公式問題集」が発売されており、問題はその中から100問出される。70%以上正解で6級、90%以上正解で5級が認定される。私も事前に購入して目を通したのだが、野球のルールに関すること、プロ野球の選手名、記録、歴史、エピソードなど結構幅が広い。また高校野球や社会人野球、少年野球に独立リーグにメジャーリーグなど、NPB以外の問題も結構あり、文字通り「野球」に関する知識を問う検定となっている。
そしてもう一つのこの検定の「売り」が、現在は試合興行を休止しているプロ野球マスターズリーグでも活動しているNPBのOBたちが「監督官」を務めるというもの。この大阪会場に姿を見せたのは、長池徳士、村田辰美、南牟礼豊蔵、山崎慎太郎、野田浩司の5氏。ホームページでは今月初めに告知されていたようだが当日初めて参加者を知った私は「おおっ」とうなる。いずれも阪急、近鉄、オリックスと在阪パ・リーグ球団で活躍した経験の方たちばかりで、パのファンとしてはうれしい限り。
まあ「監督官」といっても実際の問題配布や受験票のチェックは事務局の方が行い、OB5氏は前の机に座ってのゲスト出演である。ただ同じように問題用紙をもらって回答していたように見えた。
試験時間50分で100問。結構ハードなようだがそれこそ「知っているか知らないか」を問われる内容なのでサクサクと進む。中には公式問題集そのものの形式では出題されなかったが、問題集の間のコラムの記事から出題されたものもある。やはり教科書は隅から隅まで見ておかないとね。ただ若い世代の人たちにとっては昭和のプロ野球など遠い昔のことで、「勉強」も結構いったんではないかな。
試験終了後は「監督官」たちとのトークショー。参加者からの質問に答えるというもので、現役時代の思い出や裏話などを結構笑いも入れながら話してくれる。特に南牟礼氏などは選手時代もムードメーカー的なところもあったせいか笑いも多かった。
中で「おっ」と思ったのが、「長池さんに質問します」ということで出た質問。1978年の日本シリーズ、ヤクルト・大杉のホームランをめぐる阪急・上田監督の抗議について、「あの時の采配や抗議について、選手としてどう見られてましたか」というもの。
そこでの長池氏の答えは「第4戦のヒルトンの逆転ホームランが伏線にあった」というもの。阪急の2勝1敗で迎えた第4戦、8回まで5対4と阪急リード。最終回、阪急の先発今井雄太郎がランナーを許し、打者にヒルトンを迎える。ブルペンには山田久志が準備していつでもいける状態だった。ここで上田監督がマウンドへ。通常の上田采配なら、「下手投げの山田をヒルトンは打てない」と見てここで交代である。山田もそのつもりでマウンドに向かおうとした。
ところがここで上田監督が発したのは「今井、行けるか?」という言葉。
長池氏は「ピッチャーの心理として、監督に『行けるか?』と聞かれれば『もうダメです』とは言えないでしょ?」と他の村田氏、山崎氏、野田氏に振る。3人とも「そりゃ、『まだ行けます』と言いますよ」と答える。
ここで上田監督は情を出して今井を続投させ、それがヒルトンの逆転本塁打につながる。これでシリーズの流れが変わり、そして第7戦で後がなくなってのあの抗議につながったのだと。
「だから、非情な人が情を出しちゃったところがね」と長池氏が結ぶ。ただどうだろう、何事も非情で行くのが成功への道なのか、それでも情が出てしまうのが人間の難しさ、面白さというものだろうか。ビジネスでも同じようなことは言えないだろうか。そんなことを私の中でもいろいろ思い巡らせる。OBのナマの声というのは結構重いなあ。
ただそんな私の思いも「お時間の都合なので最後の質問で」という司会の声に張り切って手を挙げたおっちゃんの「今年は阪神と中日のどっちが優勝しますか?」という質問にガクっときてしまった。・・・・おいおい、もう今さらそんなことを、何もこの場で聞かんでもええやろ・・・。
果たして「もう中日でしょう」「今日(23日)の試合で負けたら阪神はだめでしょう」という答えが並ぶ。その中でやはり一味違う長池氏。「勝負というのは、最後にゲタをはくまでわからないんです。全部終わったらわかるでしょう」・・・なるほど。
そしてこの後は5氏のサインボールが当たるクイズやジャンケン大会。そこで「本日女性の参加者の方」「最年長の方」などのお題があり、上記の参加者層の中身がわかった。ここでのクイズが結構難しく、おそらく今後の上級となればこの手の問題が結構出てくるんだろうなあ。
残念ながらサインボールが当たることはなかったが、検定終了後に残っていた5氏一人一人から公式問題集にサインをいただいた。いやこれだけでも記念に残る。最初は4000円の受験料、1500円の問題集は「高い」と思っていたが、OBと触れ合ったりマスターズリーグ復活への一助となるということであればこんなものかなという気になった。
結果は10月下旬に合格であれば認定証と共に送られてくる。今後上級試験の予定もあるとかで、次はどんな「監督官」が登場するのかも合わせて楽しみ。他地区への「遠征」も考えてもいいかな・・・・。
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