パ・リーグのペナントレース争いはホークスが圧倒的な強さで、ここに来て敗戦があるものの全体で見てリーグ優勝は揺るぎないところだろう。あとはクライマックスシリーズ進出争いだが、ファイターズ、マリーンズがこのまま続くのだろう。バファローズも追い上げを見せているとはいうものの、ならばここで勝たねばならぬという試合もとことん落としているし、このまま5位で終わるのだろうな。それに対して今更どうこういうことでもない。
このところの成績からして致し方ないところだが、バファローズの低迷期、そして3連覇への道のりの中で、生え抜きの「浪速の轟砲」も一区切りを迎えたということか。ここまでありがとう、お疲れ様でした。
個人的には、岡田彰布監督就任時に苗字がかぶるのを避けて「T-岡田」に改称した2010年に交流戦MVP、リーグ本塁打王で一気にブレイクしたのが印象的。また現地で目の当たりにした本塁打として今でもおぼえているのが、2014年の甲子園での交流戦での逆転本塁打、クライマックスシリーズでの決勝本塁打である。打力があるのに勝負どころでの弱さ・・というのが人間らしいというか、彼の愛されるところでもあったと思う。
その当時といえば、地力はあるのに肝心なところで敗けてばかりで横綱に上がれない時期が長かった(当時)大関・稀勢の里になぞらえていたこともあった。ここでヒットでもヒーローになれるという絶好の場面であっけなく三振とか、新喜劇のギャグでも見ているかのようなドーム全体がずっこけるような凡打とかの印象が強いのだが・・・一方で「ここで決める男」をリアルで魅せてくれる場面も多く・・・。
後は、一塁上段席に陣取っていると、打席のたびに「Tー!! お前の、ホームランが、見た~い!!」というコールをするおっちゃんのコンビがいたのも印象的。スラッガータイプの日本人選手が少ない中、豪快な一発を期待できる選手だった。
ともかく、オリックス・バファローズ一筋として懸命なプレーを見せてくれたし、記録より記憶に残るスラッガー、ここまでお疲れ様でした。ぜひとも、後進の生え抜きスラッガーを育成してほしいものだ・・・。