まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

神仏霊場巡拝の道~北条鉄道のキハ40に出会う

2024年03月01日 | 神仏霊場巡拝の道

播磨から丹後に向かう神仏霊場巡拝の道、西国三十三所めぐりのドライブで、まず訪ねたのは加西市の一乗寺。この先、中国道で吉川ジャンクションに出て、舞鶴若狭道で舞鶴を目指す。

一乗寺から県道を経て国道372号線に出ると、すぐ右手に酒蔵がある。江戸時代後期・天保年間創業の富久錦である。西国三十三所めぐりで北条鉄道の法華口から一乗寺まで歩いた際、この酒蔵が沿道で光るスポットに見えた。

運転中なので試飲はできないが、せっかくなので立ち寄ることにする。富久錦は地元加西市産の米だけを使った純米酒にこだわりがあるという。

かつての蔵を使った「ふく蔵ショップ」に向かう。今回クルマで来ていることもあり、酒の4合瓶やら地元の米、そして各地のご飯・酒のお供などを買い求める。軽自動車とはいえ、多少の土産物を後部座席に置くことができるので、この先何ヶ所かで土産物を買うことになる。

「ふく蔵ショップ」の2階はレストランで、予約客で満員御礼のようだ。次々に予約客がやって来る。

さて、ここまで来ると一乗寺への最寄り駅である法華口が近い・・というか通り道である。こちらにも立ち寄ることにする。列車に出会えればいいなと思い時刻表を見ると、11時52分発の粟生行きが間もなく到着とある。列車には乗れないが、せめてお見送りとするか・・。

法華口駅が開業したのは大正時代の1915年。当初は播州鉄道という路線で、後に国有化され、現在は北条鉄道の駅である。駅舎は開業当時の建物がそのまま使われており、内装のリニューアルを経て国の登録有形文化財に指定されている。以前来た時はかつての事務室を利用したパン工房があったが、今回来るとハンバーガーショップが入っていた。

レトロ感満載の法華口駅だが、2020年に列車交換設備が設けられた。元々は対向式ホームの駅だったが列車本数の削減で片方の線路が撤去された。それがここに来て利便性向上のために復活させた形で、これにより北条鉄道の増便も可能となった。

11時52分発の粟生行きが来る。そして列車を見物しに来たとおぼしきカップルや家族連れも見える。

姿を見せたのは・・・そう、キハ40である。しかも、かつて五能線を走っていた車両である。特別列車ではなく、他の気動車と同様に通常運転に入っているのがよい。法華口の行き違い設備ができて増発が可能となった一方で、車両を補充する必要があった。そこで白羽の矢が立ったのがかつての国鉄型車両。

車内はあえて五能線当時の雰囲気を残しているそうで、それも人気の一因という。せっかくの車両を目の前にして乗れないのが残念である。乗りたいな・・と思いつつ、発車を見送る。

・・・ただ、こうして記事にする時に改めて思ったのが、これに乗って粟生まで行き、すぐに折り返しの列車に乗れば30分後には法華口に戻ることができたということ。当時は、この先舞鶴まで行き、松尾寺の参詣も済ませて・・ということで時間も気になっていたのでこれ以上の寄り道はできないと思っていたが、30分ほどの時間で済むのなら、そのくらいならこの先の行程も何とかなったといえる。今となってはこの時にそれを見据えた動きができなかったことのほうが残念である・・・。

もし一乗寺が「立ち寄り」ではなく、「目的地」であれば、最初から北条鉄道のキハ40を乗るためのプランを組んだはずである。まあ、またの機会を楽しみにしよう。

このまま国道372号線を走り、滝野社インターから中国道に乗る。

吉川ジャンクションまで走り、舞鶴若狭道に入る。この辺りから雨に見舞われる。

丹南篠山口を過ぎ、西紀サービスエリアに到着。ここで昼食としよう。フードコートも結構混雑していたが、いただいたのは黒豆山菜そば。丹波といえば黒豆が有名だが、この一品には別に煮豆が入っているわけではなく、黒豆を麺に練り込んだそばである。これは普通に美味かった。

サービスエリアでの一番人気はパンコーナーの黒豆パンだという。他にも、黒い黒豆あんぱんというのもあり、この夜の夜食用に買い求める。

その中、土産物コーナーで気になったのはジビエ。猪、鹿のジャーキーがある。ここではこれに鶏のジャーキーを合わせて、花札の「猪鹿蝶」になぞらえて「猪鹿鶏(鳥)」セットとしてPRしている。丹波篠山といえば以前から牡丹鍋が名物だったと思うが、昨今、農作物に対する害獣対策もあるが猪、鹿を中心としたジビエ料理も注目されている。

雨の中、西紀サービスエリアを出発し、一気に舞鶴を目指すことに・・・。

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