まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

京都39番「妙法院」~神仏霊場巡拝の道・58(天台三門跡の一も今や外資に・・)

2023年07月31日 | 神仏霊場巡拝の道

神仏霊場巡拝の道めぐりは、前回のあみだくじで出た京都39番・妙法院に到着。東山通り沿いに山門があるが、境内の入口はもう少し北である。雨の中しばらく歩く。

妙法院は最澄が開いたとされ、天台宗の三門跡の一つとして伝えられているが、歴史上に出てくるのは平安末期の後白河法皇の時代である。譲位後、院政の場として整備したのが法住寺殿で、先ほど訪ねた三十三間堂(蓮華王院)や新日吉社、新熊野社などを建立した。そして、それらを傘下として管理したのが妙法院である。元々は比叡山の西塔に属していたが、後白河法皇の時に洛中に移ったとされる。さらに現在地に移ったのは、方広寺(京の大仏)の管理も任せられるようになってのことで、桃山時代から江戸時代にかけてとされる。

幕末には土佐藩が御所として借り上げており、三条実美ら尊王攘夷派の公家たちの拠点にもなっていた。三条らが「八月十八日の政変」で京都を追われることになった時もここで対応を協議し、長州に向けて落ち延びることとした。

その妙法院だが現在観光寺院というわけでもなく、一般に広く知られる寺院でもなさそうだ。まず正門は閉じられていて、北側の車両入口から入る。右手が妙法院だが、左手には立派な建物が洋館が見える。「ザ・スパ・アット・フォーシーズンズ京都」という、同じ名前のホテルの一角である。かつての門跡寺院も今や外資に切り取られた形だ。

境内に足場が組まれている。桃山時代、豊臣秀吉の建立とされる庫裏で国宝である。寺院の台所でもあったが、現在修復工事中である。

隣接して、明治天皇も滞在した宸殿も建つ。

さて、神仏霊場のお参りは・・?ということでたどり着いたのが、南側にある普賢堂。庫裏と比べれば小ぢんまりしているが、寺の本堂としてはこちらとされている。中をのぞくと、象に乗った普賢菩薩像が祀られている。ここでお勤めとする。

入口に会館のような建物があり、納経はこちらで受付。

これで、前日の長田神社でのあみだくじで出た目的地まで来た。時間的にはまだ午前中で、雨とはいうもののもう少し北に行けば清水寺や六波羅蜜寺といった、西国三十三所の札所でもある寺院に参詣できるが、今回はここで打ち切りにして、次の行き先を決める。

前段のくじ引きアプリで出たのは・・

・青蓮院(京都35番)

・海神社(兵庫8番)

・長谷寺(奈良22番)

・清水寺(京都37番)

・法華寺(奈良9番)

・勝尾寺(大阪24番)

・・・あら、清水寺出とるがな。もし出れば、そのまま行くだけである。少し離れた青蓮院だったら・・回り道して行くことにするかな。

その中で出たのは、2枠に入った長谷寺。3月、同じ近鉄大阪線沿線の室生寺を訪ねたが、その時は野球観戦との兼ね合いもあり、長谷寺を回れば奈良南部はほぼ制覇となるところ、あえて残す形になった。意外と早く順番が回って来たと思う。

東山七条のバス停に戻り、市バスで京都駅に出る。実はこの日、前日の神戸に続いて大阪でのバファローズ対ライオンズ戦を観戦すべくチケットも押さえていたのだが、その観戦も取り止めて広島に戻ることにしていた。いや、雨は降っているけどドームだから試合は問題なく開催されるはず・・。

それは大雨の影響。前日の7月8日~9日は、九州北部から島根県にかけて梅雨前線の影響で大雨となり、交通機関にも影響が出ていた(その数日前には美祢線、山陰線が豪雨被害で不通になったばかりである)。9日午前の時点で、山陽新幹線の広島~博多間が運転見合わせとなっており、午後以降は天候の回復で運転再開の予定とはあるものの、もし万が一運転見合わせが長引くとともに影響が東に広がったら・・と大事を取って早めに西に戻ることにした。

とりあえず新大阪まで移動し(この時、別に自由席特急料金を払って「スーパーはくと5号」に乗車)。野球のチケットは事前に公式リセールにて無事に譲渡できた。

元々は日本旅行のプランで、列車も夕方以降の「のぞみ」限定だったが、こういう状況だし、もう自由席で移動してしまおう。運転再開を見越してか、博多行きの「のぞみ」が先に来るが、自由席の乗車列には長い列ができていて、やって来た列車はデッキまで立ち客がある。そこで、後続の「ひかり」で岡山まで行き、後はその時の状況によることにした。

結果、「ひかり」は岡山まで空席十分で走り、岡山から乗り継いだ「のぞみ」は広島行きだったので自由席にありつくことができた。広島に着いたのは14時前。

もっとも、新幹線で無事に広島まで戻ったものの、やはり雨に近いエリアは厳しかった。在来線が運休である。自宅に戻るなら広電に乗るところだが、こちらも大混雑の様子だったので、もう一つの手段として広島バスに乗る。こちらの25系統に乗れば、八丁堀、平和公園、己斐(西広島)を経由して自宅近くまで戻ることができる。

バスはたまたま空いており、多少時間はかかるがゆったりしながら帰宅できた。

・・・あれから3週間が経過した7月末、梅雨は明けた模様だが、連日35度前後の猛暑が続く。豪雨、猛暑、そして台風と年々夏の過ごし方が厳しいものになっている。何とか天気の動きも気にしつつ、無事に過ごしたいものである・・・。

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