まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

京都18番「大聖寺」~神仏霊場巡拝の道・25(花の御所跡の隠れた古刹)

2022年08月16日 | 神仏霊場巡拝の道

相国寺から同志社大学の周りをまわって、神仏霊場京都18番の大聖寺に着く。かつて室町幕府の「花の御所」の一角だったところである。元々は岡松殿という建物で、足利義満の正室の親類である無相定円禅尼が住んでいた邸宅を没後に寺とした。以後、天皇の皇女が入ったこともある尼門跡寺院としての歴史を持つ。

大聖寺は時代の移り変わりの中で何か所か転々とするが、江戸時代前期の延宝の大火で焼失する。現在の大聖寺の場所には当時聖護院があったが、この大火で同じく焼失し、その後現在の左京区に移転した。聖護院が移った後に再建されたのが現在の大聖寺である。

それはよしとして、門をくぐり、「花の御所」と彫られた石碑があるものの、建物の扉は固く閉ざされたままである。横と向かいから同志社の建物が見下ろしている。

大聖寺は通常非公開で、かといって相国寺のように毎年時期を決めて公開しているわけでもない。直近だと2020年3月の京の冬の旅で公開されたのが最後である(ちょうど、コロナが騒ぎになり始めた時期・・)。本堂や庭園、書院が有名とのことである。こういう寺院、日々の営みや文化財の維持費用はどうやって捻出しているのかなと、いらん心配をしてしまう。日常的に公開して拝観料を取るわけでもなく、檀家があるようには思えないし・・。まあ、どなたか陰日向に支援している方がいらっしゃるのだろう。

建物の玄関前ではお勤めしようにも何だか違うような気がするなあ・・。形ばかりモゴモゴと。

朱印のことばかり気にして恐縮なのだが、先ほどの相国寺が納経所の夏休み、そして大聖寺にいたっては非公開でどこにも入れないとなるとどうしたものかと思うが、幸い奥の壁に、朱印の方はこちらへと矢印がある。何だか、京の隠れ家へのお誘いのようだ(本当の隠れ家ならそんなあらさまな案内は出さなないだろうが・・)。それに従って通用口の扉を開けて、玄関内のインターフォンを鳴らす。そちらに向かうと凛々しいお顔立ちの尼僧が出迎えてくれた。思わずハッとする。いったん朱印帳を預かって奥に下がり、無事に「釈迦如来」の墨書をいただく。おっさんは完全に恐縮してしまった・・。

大聖寺から少し離れたところに京都17番の宝鏡寺があるのだが、この日4ヶ所目を回ったところで、予定より早いが今回はおしまいとする。また相国寺にも来るし・・・。ということで、大聖寺の境内には腰かけるところがないので、すぐそこの地下鉄今出川駅のホームのベンチにて次の行き先を決めるくじとする。ちょうど同志社大学のオープンキャンパスの日で、列車が着くと多くの人が大学に向かっていく。地下出口で直通しているのもよい。

さて、最初のくじで出た6つの行き先候補は・・

・園城寺(滋賀15番)

・永源寺(滋賀8番)

・大念仏寺(大阪5番)

・帯解寺(奈良5番)

・行願寺(京都34番)

・松尾大社(京都7番)

相変わらず兵庫県が一つも出ないのだが、前にJR万葉まほろば線シリーズで時間切れでパスした帯解寺がある。さらには行願寺の文字も・・。

そしてあみだくじの結果は、5枠に入った行願寺。次もまた京都である、しかも、京都御所を挟んだ南側と、今回時間があればそのまま行ってもいいくらいの距離だ。今回訪ねた御霊神社の対である下御霊神社も隣にある。またここなら、今回朱印をいただけなかった相国寺も近いし、西国三十三所の一つなのでそちらの4巡目も同時に進む。・・・となると、次の神仏霊場めぐりは秋の相国寺の特別拝観中を狙うことになりそうだ。

そのまま地下鉄に乗り京都駅に移動。新幹線も早い便に乗れそうだが、私の持っている指定席券、一度時間指定したものを変更した履歴があり、これ以上時間を動かすことができない。ならば、自由席でよいので乗ることにしよう。ちょうど停まっていたのが12時43分発の「ひかり507号」岡山行き。とりあえず自由席で岡山まで各駅停車で進み、岡山から後続の「のぞみ」に乗ることにした。

車内では涼みながらの昼食。今回選んだのは太秦の穂久彩の「太秦のり弁当」。ロケ弁当などで定評のある店で、たかがのり弁かとも思うが知る人ぞ知る一品だそうで、シンプルながら味が深い(ような気がする)。ビールのあてにも十分。このまま岡山乗り継ぎで、まだ夕方前の時間に帰宅した・・。

神仏霊場巡拝の道もこれで154ヶ所中25ヶ所(ここに相国寺を入れると26ヶ所)と、全体のおよそ6分の1まで来た。今年4月に始めたことを思うと案外早いペースで、回った札所の数では、それより前に始めた中国四十九薬師に早くも並んでしまった。確かに、都市部で札所が固まっていて一度に何ヶ所も訪ねることができる利点はある。別に早回りをするのではないが、それぞれ楽しむこととして・・・。

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