まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第8回中国観音霊場めぐり~尾道の夜

2019年11月28日 | 中国観音霊場

尾道の駅前では23日に本の販売のイベントが行われていた。私が駅に着いた時はちょうど店じまいの頃合いだった。

尾道に泊まるのは初めてである。ホテルの数も少なく、あまり泊まるところというイメージもないのだが(宿泊なら福山や三原のほうが選択肢がありそうだ)、最近ではゲストハウスなど外国人も利用する施設はちょこちょこ増えているようだ。

その中で選んだのは、駅から少し西に行ったホテルアルファーワン。チェックイン時にはおしぼり(温・冷)のサービスもある。オプションで選んだ部屋にはマッサージチェアがあり、テレビをモニターにしたパソコンもある。ただし、パソコンのサービスは近々終了という。Windows7のサポートが終了することも関係あるのだろう。

さて夕食。事前にグルメサイトなど見ていたが、特に決め打ちはしていなかった。ホテルの1階に海鮮の店があり、めぼしい店がなければここにしようかというくらいだった。それが、駅に来てみてこれは!という店があったのでそこに入る。

「食堂ミチ」というが、のれんには大衆酒場の文字がある。単なる大衆酒場ならどうということもないが、ここは駅前どころか、リニューアルオープンした駅舎の中に入っている。元からあった店というわけでもないようだが、昼は食堂、夜は大衆酒場。なお土日は通しで営業しているが、入ったのは昼の定食がオーダーストップの頃合い、本格的な居酒屋タイムに入るところである。

ビールはサッポロ、瓶は赤星である。注文すると「後ろのケースから取ってください」とある。横の冷蔵庫からアテを取ることもできる。まさに大衆酒場スタイルだ。

尾道だから魚メインかなと思うがこの店では必ずしもそうではなく、豚の角煮が一押しだという。柔らかく煮込まれた一品は美味い。
 
ホッピー、しかもキンミヤ焼酎もある。尾道でキンミヤホッピーをいただけるとは予想していなかった。リニューアルされた尾道駅、2階にはしゃれたカフェ、バーがあるのだが、1階にこうした濃い店を入れるとは、どういう経緯があったのかな。

その中でレモンサワーは地元のこだわりがあるようだ。他のサワーと値段は同じだが、瀬戸田レモンを生で搾り、キンミヤ焼酎の上から炭酸水を注ぐ。「搾ったレモンでタワーを作りませんか?」というポスターもあり、たくさん積んだ人を表彰した張り紙もある。それだけ飲んだということだが、多いところでは百何個とかあったので驚く。よく見るとグループでの記録だというが、いやグループにしても一人当たり10杯以上飲んでるぞ。

これも名物という「浜子汁」を頼む。浜子汁、または浜子鍋は生口島の郷土料理で、塩田で働いていた浜子と呼ばれる人たちが仕事の合間に食べていた海鮮鍋である。時季により具材は変わるのだろうが、鍋をすくうとあさりや小エビがふんだんに入っている。

これは前座、露払いのようなもので、鍋の中央に陣取っていたのは鯛のアラ。

そして親玉のように出てきたのはワタリガニの半身。尾道では「ワタリ祭り」ということで、旬のワタリガニ料理を提供するキャンペーン中という。この「ミチ」はキャンペーンではないが、旬の食材として入れたのかな。胴体から身をほじくるくらいだが、いいものに出会えた。こうした海鮮が混じった汁もおいしく、もし鍋の下にコンロがあったらご飯を注文して雑炊にしてもいいと思う。

すっかりいい心持ちになったところで出ると、外はすっかり暗くなっていた。尾道水道に面した芝生広場でしばらく憩う。目の前を向島との渡し船が行ったり来たりするのをボーッと見やる。普段の生活ではなかなか見られない景色だ。

思い出すのは、夜の尾道水道といえば、昨年だったか、今治の刑務所から脱走して、向島に潜伏した後に尾道水道を泳いで渡り、最後は広島駅横のネットカフェにいたのを通報され、マツダスタジアムの近くで身柄を確保された男がいたこと。あの時は、富田林警察署から脱走して四国や中国を自転車で回っていた男もいて、二人の脱走劇が結構話題になったものだ。それはさておき、尾道水道を前にすると、この距離なら泳いで渡れるのではないかと思わせるものがある。渡し船の運航がない時間なら特に。

景色を楽しんだ後、締めということで選んだのは尾道ラーメンではなく、お好み焼。この辺りならいわゆる広島流なのだが、一口に広島流といってもいろいろあり、こちらでは「尾道焼き」というのがある。入ったのはホテルにほど近い「すみちゃん」。

尾道焼きの特徴としては、豚肉の代わりに砂ずり、イカ天が入ることとされている。さらにこの店ではレンコン、カマボコが入るとあり、、ここまで来ると正に「お好み焼」。ベースであるキャベツ、そば、玉子は変わらないので、一品でさまざまな栄養が取れることには変わらない。

砂ずり、レンコン、いずれも歯応えある食材であるが、下こしらえをしているのか極端に硬いわけではない。独特の味わいを楽しむ。

ホテルに戻る。シャワーを浴びた後、普段使う機会はないのだがせっかく置いているのだからと、マッサージチェアを使う。コースをお任せにすると15分ほどで首から全身をやってくれる。調子に乗って2サイクルやると実に気持ちよかった。何やかんやで日々の疲労がたまっていたのかな。

マッサージ効果でこの後は早くに眠る。翌日は尾道3ヶ所めぐりだ・・・。
コメント